表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/23

新入生歓迎会

 


 本日は新入生歓迎会が開催されます。


 放課後急いで寮に戻りアンにドレスを着せてもらいヘアメイクをしてもらう。メイクは何度かする機会があったけどどうも苦手だわ。口紅とか付いてると御飯をどうやって食べたらよいものか悩ましいし。


 それでも仕上がりを鏡で見るとあまりの自分の変身ぶりにわー!


 極々淡い萌黄色のチュールを肩と胸元に幾重にも重ねたエンパイアドレスはわたしの薄い黄土色だか何色なんだかなぼやけた髪の色が絶妙にきれいに見える気がする。


 ドレスにはオレンジ色で細やかな花の刺繍がポイント的に施してあり、オレンジの頬紅と同色の透明感のあるリップグロスが映えてとても血色が良い感じ。

 ファンデは顔立ちに沿って艶を出す程度、パールベージュのキラキラアイシャドウをほんのり薄くのせて茶色のマスカラでちょっぴり目元を強調。

 全体的に薄付きだけどそれが逆にこなれてる印象だわ。


 ルーズなハーフアップのヘアスタイルにクリーム色のリボンの髪飾りとサテンのアーモンドトゥの華奢なローヒールのパンプス。ゴールドとトパーズのイヤリング。トータルコーディネイトが素晴らしすぎでしょ!


 待ち合わせまでギリギリなのに思わず鏡の前で何度もくるくるしてしまう。


 アンてば天才スタイリスト兼ヘアメイクさんじゃなかろーか?


「ディアドラお嬢様がもともと美しいのをわかりやすくしただけでございます」


 アンはいつもわたしのことをきれいだの可愛らしいのと褒めてくれてとてもうれしい。

 この前フィルドさんにちゃんと貴族に見えるって言われたけどアンが身支度してくれるおかげでなんとか令嬢らしく見えてるのかも。うふふ。



 歓迎会が行われる講堂へ向かうと入口にアデル王子が盛装で待ち構えている。


 濃いブルーのベルベットの上着に豪華な金髪が映えてはっとするほど美しい。

 王子の従僕もコーディネイト上手なのね。もしかして貴族に仕える使用人にはスタイリストの資格とかが必須なのかしら。


 アデル王子はわたしに気づいたのにそのままぼけっと突っ立ってる。

 授業の後ですものお疲れですよね。王子は歓迎会の新入生代表の感謝の答辞もおありですからね。もうひと頑張りですよ~。


 そう、結局パートナーはアデル王子になった。


 アンにも相談したけれどいちばん最初に申し出てくれたこともありやはり断るのは失礼にあたるのではないか、と。


 いつもは相談した時わりと即答してくれるアンが結構長いこと検討してたのが気になりはしたけどその理由は訊いても教えてくれなかった。

 お嬢様に責任はないから気にしない方向で、とかなんとか。何だったんだろう?


 お偉いさん方のお話が軽くあったあと、いよいよ新入生のダンスでパーティーが始まる。


 ダンスはなんとかこなせる程度で好きでも嫌いでもない。淑女教育で叩き込まれましたからね(涙目)

 最初のダンスはパートナーと強制だけどあとは壁の花になっておこう…。


 なーんて甘かった。ハーロウ様と、終わればダレイトン様と、他にも次々申し込まれて逃げるタイミングがわからないよー。もう踊り疲れたよー。


 アデル王子がなんか食べよう、とダンスフロアから連れ出してくれた。あーやっと終わった。王子もたまには気が利きますね~。


 立食形式で軽食が並んでわりと賑わってる。どれも美味しそうだけど好物のミートパイ発見。

 わたしと同じタイミングでミートパイに手を伸ばしてきた人を見るとあら、フィルドさん。

 挨拶すると軽く会釈して他の友達のところに行ってしまった。

 そういえばフィルドさんのパートナーってどなただったんでしょう?またお話する機会があるかしら?

 授業では同じグループとはいえやっぱり皆様方といるときのフィルドさんはとても無口なので話しかけてよいものか悩ましい。


 ミートパイはミンチのフィリングの下にマッシュポテトが敷いてあってこれがかなりわたし好み。今度作ってみようかしら。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ