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オールドイースト  作者: よこ
第2章
162/532

2-6 聖邪の双子(5)

アナベルはコーヒーを流し込んで、なんとか無理やり自分を覚醒させる。こんな状態でアフマディのお店にいったら、イーシャに無用な心配をかけることは確実だ。


今、エナ・クリックの家に寄宿させてもらっていることや、そのエナの出した条件の課題に追い立てられていることは、イーシャには内緒にしていたのだ。それでもなくても昨日の今日だ。一体、どんな質問を受けることやら…。アナベルは自転車をこぎながら、あれこれ思考をめぐらせる。


 アフマディのお店に着くと、イーシャがテイクアウト専用のカウンターから手を振った。

「おはよう、アナベル」

気のせいか、いつもより声が弾んでいる。一方のアナベルは、寝不足のせいで、自分のパワーが普段より低下しているのを、実感した。


「おはよう、イーシャ」

アナベルの声の調子で、彼女の不調を察したのか、イーシャが首を傾げる。

「あれ、アナベル。ひょっとして元気ない?」

「あ、ちょっと、寝不足かな…」

「寝不足?どうしたの?」

「課題やってて…ちょっとね」

嘘は言ってない。その課題が学校の課題ではなく、個人的に設けられた課題だという事情を、話していないだけで。


「頑張ってるんだ~。私も今年は、レポートの方全然、手がついてないのよね~」

「そうなんだ」

「夏と違って冬は忙しいでしょ?去年も苦労して…」

と、イーシャは顔をしかめた。アナベルは悪びれずに

「去年は、楽勝だ!ってイーシャ言ってたけど」

と、覚えているままを口にすると、イーシャは少し宙を見て

「…そうよね。まあ、いっか」

と、何に納得したのかそう頷いた。


「何?」

「うん、別に。楽しかったことまで否定することは無いのかって思ってただけ」

「そうなんだ?」

と、アナベルは首を傾げてから、ようやく、去年のイーシャの楽勝宣言の背景を思い出した。イーシャは当時、イシュマイルという四股がけの色男と交際中で、課題は彼氏と一緒にやったので楽勝だったとアナベルに、のろけたのだった。


「あ、そっか。ごめん…」

と、アナベルは曖昧な表情で謝った。イーシャは

「ううん、全然。気にしてないわよ」

と、言いながら笑顔になった。アナベルは不思議に思って

「…あのさ、今はもう、全然、未練とかってないの?」

と、尋ねてしまう。


「全然。一時期ほど、もう、嫌っ!!ってこともないし、今でも道ですれ違えば声くらい掛けるわよ。ま、めったにないけど」

「へええ、そうなんだ」

「向こうは嫌そうな顔するけどね」

と、アナベルが妙な関心をすると、イーシャは肩を竦める。


「友達の中には、私は割りきりが早すぎるって言う子もいるし、そういう子は結構過去を引きずるみたいだけど、まあ、人それぞれよねー」

と、イーシャは簡単にまとめた。いつもながら、勉強になる。と、イーシャは

「アナベルは、どうなのよ、昨日!何かおかしいなぁとは思っていたのよ!」

と、あからさまにうきうきとした調子で、話題を切り替えた。


全く問題がないというわけでもないのだろうが、自分が順調なせいだろうか?この兄妹は、どうして、そろいもそろって…。と、アナベルは情けなくなってくる。彼女に妙な知恵を吹き込んだ、妹によく似た美貌の兄は、涼しげな顔をして厨房で調理中なのだろう。


「どうって…?」

「また、とぼけちゃって~。ウォルターと何か約束してたんじゃないの?」

「別に…あいつ、夕方来たの?」

「うん、イーサンが呼び出してた。アナベルが休みなら暇な筈だから出て来い!って…」

「あ、そうなんだ?え、なんで」

「歴史と芸術史、あと心理もかな?それのレポート見せろってさ。イーサンって文系、苦手じゃん」

「そうみたいだね」

と、アナベルは苦笑する。そうは言っても、彼女よりは上のクラスにいるわけなのだが。

「え?あいつ、丸写し…」

テストのヤマも教えているようだし、結構、いいように利用されてないか?


「まさか、取っ掛かりがつかめないからって。普段の課題から、そういうやりは、わりとよくしてるわよ?」

「ふざけたやつだなぁ…」

「本当。ウォルターも案外、人がいいわよね」

と、イーシャは肩を竦める。そんなだから、ウォルターはウバイダに嫉妬されるのだろう。

「でも、ウォルターもたまに数学とかの問題を聞いてるみたいだから、もちつもたれつなのかもね」

「そうなんだ」

なんとなく安堵してしまう。そして、数学が苦手だというのは本当に本当なんだな、とウォルターの陰の努力に少し感嘆した。


「もっとも、イーサンにきいても無駄だ、みたいな愚痴をしょっちゅうこぼしてるけど」

「なんで?イーサン数学、得意じゃん」

「うん、得意すぎて教えられないみたいよ。イーサンにはわかることが当たり前すぎて、どこが分からないのか分からないみたい」

イーシャの説明にアナベルは絶句した。思わず首を振ってしまう。


「意味が分からない」

「ほんとよね~」

と、イーシャもため息をついた。が、こんなことでは彼女はごまかされない。再び笑顔になると

「イーサンとウォルターのことはどうでもいいのよ。昨日、夕方、ウォルターに電話がかかってきたんだけど、アナベルからじゃないんなら、他に彼女でも出来たってこと?」

イーシャの言葉にアナベルは苦虫を噛み潰したような顔になってしまう。


「なんで、彼女限定なんだ?友達からかもしれないだろ?」

「もう、ねばるわね。そんなに後ろ暗いの?ウォルターが、アナベルって名前を言ってたって、イーサンから聞いてるんだけど?」

「なら、なんで、訊くの~~?」

「だって、言わないんだもん」

あっさりとイーシャが答える。アナベルは何故、今日に限って、モハメドの親父さんから声がかからないのだろうかと、そわそわし始めた。


「その、別に変な話しじゃ、ないんだ。仕事が休みだから、それとは別に…そう!課題をやるってことになってて…」

「あ、そう」

「私もレポートが全然進んでなくて…。でも、私の方に急に別の予定が入って、それでダメになったから、ちょっと悪かったかなって気になってただけで…」

「それで、その予定がダメになったから、今日遅くまで一人で課題を頑張ってたってこと?」

「あ、そう!うん…」

「なんだ。それだけか…」

と、イーシャがなにやら、つまらなそうな表情になったので、アナベルはイーシャに、一体、何を期待していたんだ!?と、突っ込みを入れたくなってしまった。


 アフマディのお店での配達業務を、襲いくる睡魔と闘いながら、アナベルは何とか無事に終わらせた。我ながら無傷なのが不思議なくらいだった。それでも、お店を離れるまでは、何とか取り繕うことが出来たのだが、自分の自転車のハンドルを握る頃には、そのまま、その場で眠れそうなほど、眠くて眠くて仕方がなかった。


アナベルは半分揺れながら、なんとか図書館まで辿りついた。待ち合わせに使っている自習スペースで、空いている席を発見すると、そのまま勢いよく腰を下ろした。そのまま、リュックから勉強道具を取りだすと、なんとか進めようと苦闘するが、ものの数分と立たないうちに、机に伏して寝てしまった。


 何分そこで寝ていたのか、アナベルは優しく肩をゆすられて覚醒を促される。彼女はゆっくりと顔を上げた。見ると、優しい面立ちの女性が、

「申し訳ありません。こちら、学習スペースですので、他の利用者の方もおられますので、お休みになられるのでしたら、別のところへ移っていただけませんか?」

と、優しく、しかし明確に、立ち退く事を要請した。アナベルは慌てて立ち上がると、

「あ、すみません。すぐにどけます」

と、謝ると荷物をまとめて自習スペースを後にする。


係りの人の言う通り、他にも利用したい人がいるだろうに、一体、自分は何をやっているのかと猛烈に恥ずかしい。とはいえ、あまり待ち合わせ場所から離れるわけにも行かない。時計を見上げると、図書館に着いてから、二十分は経っている。結構な時間、睡眠を許してもらえてたのだと恐縮してしまう。


少しだけ、だが、しっかりと眠ったおかげか、先ほどよりはマシな状態になっていた。アナベルは自習スペース付近の書架の脇、人の邪魔にならないように気をつけながら、立ったまま、歴史の課題図書に取り組み始める。立ったままなら、うたた寝の危険性も、少しは減少するだろう。すっきりとした頭で課題図書を読み始めると、案外面白くなってくる。気がつくと内容に没頭していた。


「アナベル」

と、背後から聞き慣れた声がして、アナベルは弾かれた様に顔を上げる。集中していて気がつかなかった。アナベルは顔を背後に向ける。


「ウォルター」

「なんで、ここにいるんだ?」

「あっちに座ってたら、うたた寝しちゃって、注意されたんで移動した」

「そうなんだ」

ウォルターの返事がため息まじりなのは、呆れているからなんだろうか。


「昨日の朝、課題を今日出せって、急に言われて、あんまり寝てないんだ」

アナベルはひそめた声で言い訳をする。

「そうなんだ?じゃ、今朝、提出したの?」

「なんとかな…。まだ、終わってない…というより、解答を貰ってからが、本番なんだろうけど」

と、アナベルはため息まじりで付け加える。それから

「昨日は悪かったよ。朝、博士から、…彼女が、その、会いたがっているって言われて…」

曖昧なアナベルの物言いに、ウォルターは“彼女”というのが誰をさすのか察しがついた様だ。


「ああ、なら、仕方がないね」

「ごめん、お前、アフマディのお店に…」

「うん、イーシャから聞いた?」

「…なんか、変な期待をされてたみたいで、困った…」

思わず愚痴をこぼしてから、まずかったかなと、ウォルターの表情を窺ってしまう。ウォルターは気にした風でもなく

「何て説明したの?」

「課題を一緒にやることになってたって…」

「君にしては上手いね」

と、ウォルターは妙な褒め方をしてきた。


「なんだよ、それ…。お前がイーサンに課題を見せてたって聞いたから、咄嗟に…」

「ああ、そうなんだ」

「お前は?」

「いや、別に何も。イーシャから君が携帯を気にしてたって聞いて…」

「あ!あれはっ!」

と、アナベルは思わず大声が出そうなになって、慌てて自分の口をふさいだ。それから

「違う、別に、こっちが悪いから、だから…」


「うん、分かってる。その、書庫にこもってて…君からの返信に気がつかなくて…」

「…だから、いいんだって!元々、返信が必要な内容でもなかっただろ?」

と、アナベルは少しむきになっていい募った。

…イーシャめ、余計な事を…。


ウォルターは少し笑うと

「いや、どうかな?人によっては返信が必要かもしれないし」

「…なんだよ、それ…」

「お詫びに、今日はここのカフェで夕食を食べない?八時まではやってるんだ」

「何、言って…」

「僕もファストフードは食べあきたし、昨日のお詫びにご馳走させてよ」

「なんで、お前がお詫びをするんだ?約束を無しにしたのは私の方だろ?」

「それは仕方がないだろ?職員割引がきくんだ。遠慮しないで付き合ってよ」

「職員割引って…」


「…何かねだったりしたら、嬉しいのか?言い出したのは確か、君の方だったよね」

上から、全くの無表情でそう言われて、アナベルは思わず俯いた。なんだって、あの時、あんな事を言ってしまったのだろうか?


「それは…」

「そんなに嫌なの?」

「嫌なわけじゃない…」

「なら、たまには素直にご馳走させなよ。ここのキッシュは、結構いけるよ?」

アナベルは不承不承頷いた。決して職員割引やキッシュにつられたわけではないと、自分に言い訳しながらも、ひょっとして自分は、いいようにウォルターに餌付けされているだけなんじゃなかろうか?と、情けなくなってしまった。


アナベルの疑念は、ある意味では正しい洞察ともいえたのだが、無論彼女は知るよしもない。


 アナベルが頷いてくれたので、ウォルターは密かに安堵のため息をついた。それから彼女が読んでいるタブレットを上から覗いて

「それ、学校の方の課題?」

と、尋ねた。

「そう、読み始めると結構面白いな」

と、アナベルはにっこりとした。ウォルターは

「エナの課題の方は、どうだったの、歴史。結構習ってない範囲が多かったけど」

「うん、習っていないところは諦めて、印をつけておいた。出来るところだけでも、何とか埋めないとって…。なんでそんなこときくんだ?」

「いや、別に…」

「なんだよ、気になるだろ?」

「うん、時間があれば、歴史に限らず…なんだけど、習ってない範囲でも自分なりに調べて、アプローチできる範囲で、やる姿勢、みたいなのを見せた方がよかったのかなって。その、あくまでも、出来る範囲でやった後に、だけど。そう、思っただけで…」

言われて、アナベルは顔をしかめた。


「…お前だったら、そうした?」

「そうだね、多分。ただ、あくまでも時間があれば、の話しだから…」

「時間は、確かに…」

「仕方がないよ…」

「でも、お前だったら、同じ時間でも解く早さが違うから…」

「そうでもないと思うけど?」

と、ウォルターは肩を竦めた。


アナベルは、ウォルターの言っていることの方が、正しいような気がした。おそらく、エナが、あなたの今の本当の学力が見たいといい、しつこいほど、ウォルターの助力を頼んではいけないと言ったのは、こういった、発想も含めてのことなのだろう。アナベルは与えられた課題をこなすだけで精一杯で、…いや、それすらも十分にこなせたとはいえないが…、それ以上のことなど、思いつきもしなかったのだ。


「私、習ってる範囲だけでも、完璧にしようって、見返しとかは頑張ったけど…」

「それで、いいんじゃない?」

「そうだけど…」

と、言いながらアナベルはため息をついた。四の五の言っても提出してしまった後だ。それに、エナも言っていたではないか。今の自分の実力が、どの程度なのか…エナが把握したいと言っているのだ。きちんと審判してもらうほかない。

「まあ、仕方がない。やるだけはやったし、それに、まだ、戻ってきてからも続きがあるわけだし」

と、アナベルは割り切った。ウォルターは

「流石だね…」

と、感嘆の呟きを発したが、何故だかアナベルはバカにされたような気分になってしまった。

 その日は結局そのまま、図書館のカフェでウォルターにご馳走になってしまい、普段より少し早めに帰路に着いた。


「今日はなるべく早く休みなよ」

「そうだな」

例によって、宿舎前で歩道を占拠して別れ際に言葉を交わす。

「で、その、来週なんだけど…」

「来週?」

と、首を傾げてから、まだもう、一度、木曜日があったのだと思い出す。アナベルは思わず俯いた。


「…木曜日」

「あ、うん…」

「ウバイダが、アフマディのお店で」

「…え?」

予想外の名前に、アナベルは訝しげに眉を寄せたまま顔を上げる。


「ウバイダ?」

「あ、うん。君も僕も休みなんだったら、お店で、ご馳走しようかって…」

「…え、そうなのか?イーシャは何も言ってなかったけど…」

「ああ、その時、イーシャはいなかったね」

「で、なんであいつが?」

「さあ…」

と、ウォルターも妙な表情で首を傾げた。それから

「とにかく、アナベルに聞いてくれないかって言われたんで、その…」

「別に…。予定が入らなかったら、何も。お前はその方がいいんだろ?」

「いや、特には…」

「じゃ、なんで断らない?」

「なんでって、一応君にきいてからって思って…」

「私は…」


ウォルターの家で、彼の手料理を…いや、一緒に作るでもいいし…、とにかく、たまには彼の家で、二人で夕食をゆっくり食べたかっただけで…。そう、思いかけて、自分でも首を傾げてしまう?なんでそんなこと、こだわるのだ?ウォルターの家なら冬休み明けになれば、仕事で幾らでも行けるだろうし、わざわざ家主に料理を作らせようというのも、図々しくないか?


 アナベルがなにやら黙りこくってしまったので、ウォルターは表情を伺う顔になる。


「どうする?」

「どうするって…。お前がいいんだったら、別に…」

「僕は別にどっちでも。ウバイダの料理ならたまに食べさせてもらってるし…」

「なら…」

「でも、断ったら、君が困るかなって思って…」

「困るって…」

「理由を聞かれるだろ?僕もまた、呼び出されるかもしれないし…」

「あ、そっか…」


不自由だ。なんで、こんなことで…と、アナベルは思いかけて、また首を傾げる。そもそもどうして、隠さないといけないのかというと、自分が隠したがっているからであって、どうして隠したいのかというと、変な誤解を受けるのが嫌だからであって…つまり、その変な誤解が問題なのであって…。


考えていると、面倒になってくる。アナベルは

「わかった。折角のお誘いだし、あいつも料理にだけは、いや、料理とイーサンのことだけは真面目なようだから、一度食べておいてやろうか」

と、開き直ってそう答える。


「何、その上からな態度?」

と、ウォルターが顔をしかめる。

「じゃ、行くって返事していいんだね」

「あ、うん。その、悪い…。なんなら、私が…」

「いいよ、イーサンに返事すればいいようになってるから」

と、ウォルターは無表情で答える。アナベルはまたしても、険しい表情になってしまう。


「お前、イーサンにいいように利用されてるんじゃないのか?大丈夫なのか?」

「イーサンに?なんで」

「なんでって、昨日だって、わざわざレポート見せに行ったんだろ?」

「そうだけど、イーシャに聞いたの?」

「そう、いつもそうだって言ってたから」

ウォルターはこだわった風でもなく首を傾げた。


「まあそこは、別にいいんじゃないの?イーサンに落第されて、ずっと高等校生をやられても、こっちも嫌だし」

「嫌だしって…」

「彼なりに目標があって、彼なりに奮闘しているから、レポート見せるくらいの助力はいいんじゃない?僕にはこれといって目標があるわけじゃないし、丸写しされたこともないから、これといったデメリットもない。こっちも苦手な教科のこと、訊いたりしているし」

「そうなのか、あいつ、目標とか何かそういうのがあるんだ」

「まあ、一応は。変わるかもしれないし、達成できるかどうかも知らないけど」

と、ウォルターは肩を竦める。


彼が十分納得した上で、イーサンと関っているのだったら、アナベルとしても何も言うことはない。それにアナベルの方こそ、イーサンには色々とお世話になっているのだった。


「そうか、まあ、考えてみなくても、偉そうにいえる立場じゃなかったな。お前がいいんなら、私も別にいいか」

「じゃ、行くって答えておくよ」

「わかった」

アナベルは、軽く頷くと、一人ひそかにため息をついた。

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