1/4
ポーカーフェイスと嘘つき
ポーカーフェイス、感情を表に出さないこと。無表情な様。
誰もがそうなのではないだろうか。
例えば会社だって学校にだって、自分の苦手な人がいるとしよう。
その人と話す時、嫌だなと思っていてもとりあえず笑顔を繕ってみたり話を聞いてあげたりするだろう。
人間は嘘が上手だ。
言葉だって表情だっていくらでも繕える。
僕は嘘がないと生きていくことができないんじゃないかと思っている。
今日だって早速嘘をついた。
お母さんに起きなさいと言われ、今行くと返事をしたが、二度寝をした。
遅刻した。
日常に嘘は溢れかえっている。
僕は平気で嘘がつける。
長所だ。
嘘でもつかないと本当の僕がみんなにばれてしまうから。
それは怖いことだ。
僕のクラスにはポーカーフェイスというあだ名の女の子がいる。
その名のとおり無表情。
友達もいないし、話しかけても無駄だ。
何かを悟ったような眼差しで見てくる。
僕は嘘が、本当の僕が見透かされているようであの子はどうも苦手だ。
これから話すことはそんなポーカーフェイスと僕の青春、とでも言っておこう。