表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガーディアン  作者: soy
5/16

被害確認

ラケシス視点です

朝ごはんを食べ終えると、嵐の被害の確認をするため、少しの留守番を隊に残して村を見て回る事になった


「クライブは村の西回り、私は東回りからで良いな!」

「えっ?ラケシス様は昨日この村についたばかりなのにですか?」


クライブは本気で驚いた顔をした


「ふたてに別れる時は隊長と副隊長は他の隊員を配置するために別れるのが鉄則だろうが、それに、お前が居なくても、私は迷子にはならない、本気でお前は私の母親か?」


クライブを無理矢理西回りの道に追いやった


「ここから半分はクライブの方、で、こっちが私と、一緒に来てもらう、良いな」


私はおおまかに隊員を分けると東回りの道を進んだ




「いやー、副隊長が声かけてきた時はビックリしたが、被害がこんなもんで良かったよ」

「あの人が隊長になってくれたら、もっと隊員にものが頼めんのにな!」


村の人達はクライブの事をかなり信頼しているようで、私は嬉しくて、口元が少しゆるんだ


「隊長、村の奴らの言ってる事なんて気にしなくて良いですからね!」

私はハッとした

「そうか、気にしなくては、いけない話しだったか!つい、親戚を褒められているような気分になってしまった」

すると、隊員達はケラケラと笑った

「隊長、大物にもほどがありますよ!」

「いいんですよ、隊長はそのままでいてください」


みんないい人だな~

私はゆっくりと笑顔を作った

その時、私の騎士服の裾を十歳前後の男の子が引っ張った


「騎士様、ギースさんの畑が水浸しで酷いんだ、助けてやってよ」


私は少年に目線を合わせると言った


「案内してくれるかい?」


少年は当然だと言うように頷いた


「ギースさんの畑は水に弱いみたいだから、ギースさん凄く慌てて、村の男達が手伝いに来てるかも知れないけど、騎士様達が来たら安心すると思うんだ!」

「ギースさんって人は村の男達に信頼されている類いの人なんだな」


少年は呆れた顔をして言った


「違うよ、ギースさんは3ヶ月前に結婚したんだ、しかもスッゴい美人で、村の男達はギースさんの奥さん目当てで点数稼ぎに行くんだよ」

「…うん、どうしょうもないな」


少年は嬉しそうに笑うと言った


「騎士様は、その奥さんに負けないくらい綺麗な顔をしてんね!俺はギル、騎士様は?」

「ラケシスだ、よろしくギル」


ギルは、村の話をしながら私達をギースと言う人物の畑に案内してくれた


「ギースさん、騎士様達連れてきたよ!」

「あぁ~助かります!」


見るとまだ、誰も来ていない様子の畑は、畑ではなく小さな池のようになっていた


「水を抜くには、あぁ、どうしたら良いんだ~」


たよりない声を出すギースに、私は笑顔を向けた


「まかせろ、ウンディーネ!」


私が声をかけると、水の精霊ウンディーネが池のようになった畑から出てくる

水でできた、美しい女性、ウンディーネは私に笑顔を向けた


「ラケシス、最近呼んでくれなくて寂しかった!」

「そうだったか?ウンディーネはつねに私の側に居るものだと思ってたから、わざわざ呼ばなくても寂しくも無いだろ」

「呼んでくれないと寂しいの!」


甘えた声を出すウンディーネに笑顔を作ると私は彼女に命じた


「ウンディーネ、良いから、この畑から水を抜いてもらえないか?作物に害が無い程度にな!」

「ラケシスのたのみなら喜んで!でも、用がなくても呼んでよね!」

「わかったよ」


私の言葉に満足したようにウンディーネは畑の水を渦じょうに巻き上げて宙に浮かべた


「近くに水場はあるか?」


私がきくと、ギルがウンディーネを案内してくれた


「君は、精霊を使役してるのかい?あぁ~僕の妻は精霊の事を学んでいるんだ、君を妻に会わせたいよ!」


ギースは大興奮で私の手を握った


「嗚呼、嬉しいな、僕は植物学者なんだけど、植物には精霊の力が不可欠だろ!」


少し面倒くさいな~

私は少し逃げ出したい気分に口元をひきつらせた

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ