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ガーディアン  作者: soy
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過去のあやまち

ラケシス視点です


クライブに抱き締められていると、他の騎士達も食堂に集まってきた

食堂に入ってくるなり、私達を見て固まる騎士達にガイ達、事情を知っている騎士達が説明をしてくれた

夕飯を食べる騎士達の邪魔にならないように端の席に移動して、クライブは私を抱き締めてくれた


嵐は一晩中続き明け方、ようやく過ぎ去った

クライブは一晩中私を抱き締めてくれ、さっきまで一緒にいた他の騎士達も食堂で、私のそばに居てくれた

嵐が過ぎて私は、寝てしまったクライブの腕から抜け出して、厨房に向かった


私は、鼻歌混じりに使ったキッチン用品を洗っていた

自室に戻って行った騎士達が食堂のカウンター越しに私を見ていた事に気付かず、振りかえって驚いた


「きゃっ」


思わず小さく悲鳴をあげてしまった


「す、すまない、驚いてしまった」


私は悲鳴をあげたことを謝る

騎士達はニヘラっと笑う

少し怖い


「あっ、みんな朝ごはん出来てるから食べるだろ」


みんなはニヘラ顔で、コクコク頷く

私は、作っていたサンドイッチにグリーンサラダ、オニオンスープをそれぞれの騎士わたした


「隊長!これ、使ってください」


突然現れた騎士に渡されたのは白いヒラヒラのエプロンだった


「えっ、あっ、ありがとう、でも、似合わないんじゃないか?」

「「「似合います!」」」


回りにいた騎士さえも凄い勢いで言う

仕方なくそのエプロンを着けてみる


「…似合うか?」

「「「似合います!」」」


デジャブ、数秒前に同じものを見た


「貴様ら、ラケシス様になんて格好させてんだ?」


クライブが頭をかきながら、近付いてくると他の騎士達がピシッと背筋をのばす


「似合わないか?」


私が首をかしげると、クライブは柔らかく笑顔を作った


「ラケシス様は何でも似合います」


クライブの甘い言葉にはなれている


「そうか、では、有りがたく使わせてもらう」


私はエプロンをくれた騎士に笑顔を向けた


「ラケシス様、むやみに笑顔を振り撒かないでください」

「ダメか?エイラム様に私の笑顔は癒し系だと言われたのだが、不快にさせてしまうならひかえるぞ」


私がそう言うと、クライブはため息をついた


「エイラム様も余計な事を、ラケシス様の笑顔は素晴らしく可愛いですが、うちの隊の奴らは、女に免疫があんまり無いんです」

「女に免疫が無い?」

「うちの隊は女性隊員が居ないので村の女性しか会うことが無いんです、しかも、村にいく用事もあまり無いので」


クライブに言われ、私が笑顔を向けた騎士を見ると、鼻を押さえている


「だ、大丈夫か?」


私が言うと、鼻を押さえながら頷く


「なら、クライブは昔ほど女、はべらせてないのか?」


その場の空気が凍りついた気がした


「何言ってんすか?副隊長は女性には誠実ですよ」


次は私がフリーズしてしまう


「えっ?彼女は?」

「「「居ませんよ!」」」


さも、当然だと言うように、隊員達が言う


「く、クライブ?屋敷に居るときにヤりすぎて、枯れちゃったのか?」


私の言葉に今度はクライブが凍りついた


「見かけるたびに違う女連れてて、刺されそうになったのだって一回や二回じゃないだろ?彼氏持ちでも、関係無く手出してたクライブは、どうした?」

「ラケシス様、少し黙りましょう、いや、何で、そんなこと貴女が知ってるんですか?」

「お前の家族一同、エイラム様に、お前が手出してたメイドに、聞いた」


クライブの顔がひきつる


「アイリスとイリヤの修羅場は私も見てみたかったな~」

「見世物じゃありません、あの頃の俺は女に刺されて死にました、もう居ません」


私はクライブを見つめた


「お前の父親も、お前は死んだって言ってた、私もお前は修羅場のすえに、街にいれなくなったんだと思ってたしな!」


クライブは膝をついて項垂れた


「あの頃の俺…死ね」


項垂れるクライブを見つめて言う


「お前は女が居ないと生きていけ無いのかと思ってたが、そうか、枯れたか」

「だー、枯れてません、大丈夫です、元気です、つうか、貴女の口から枯れたとか、聞きたくない」


クライブは耳をふさいだ


「副隊長って、そんな人だったんすか?」


隊員の一人が呟く

その時クライブがハッとした


「ラケシス様、彼氏、いますか?」


私は思わずキョトンとしてしまった


「クライブ、私に彼氏なんか出来ると思うのか?面倒臭い精霊が四体も居るのに」


クライブは少し考えて苦笑いをした


「フェニックス、ウンディーネ、パズス、クー・シーですか?気の良いやつらじゃないですか?」


私は言葉を失った

火の精霊のフェニックス、水の精霊ウンディーネ、風の魔王パズズ、精霊の丘を守る番犬クー・シーは普段人間とは、かかわらない

ウンディーネは人間との間に子供を産むことがあるらしいが嫉妬深く裏切りは許さないらしいから、クライブは嫌われていても、おかしくないが何故かみんなクライブの事は気に入っているようだった


「ラケシス様?」


私はゆっくりと口を開いた


「騎士学校に通ってる時に、ウンディーネにクラスメイトを殺されかけたし、昨日はフェニックスにそこの騎士を殺されかけた、家に忍び込んだ近所に住んでた男はクー・シーに腕を噛み千切られたし、パズズにいたっては、出てこないで貰いたい…わかるだろ、彼氏なんて私には許されてない」


私がそう言うと、クライブは安心したかのように息をついた

回りはかなり引いている


「もう、良いから朝ごはんを食べろ」


私は料理をのせたトレーを出しながら言った


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