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ガーディアン  作者: soy
2/16

俺の愛する子

クライブ目線です


はっきり言って驚いた

ラケシス様が目の前に居る

俺が騎士になろうと思った、きっかけの人


初めて彼女を見た時はガリガリに痩せていて、エイラム様の足にしがみついていた

精霊に愛された娘なのだとエイラム様が言っていて、実際彼女の回りでは不思議な事がよくおきたが、そんなことを、気にする人間はエイラム様の屋敷には存在しなかった

むしろ、7歳だと聞いた時は嘘なんじゃないかと思った

次に見た時は、屋敷の一番奥にある離れの部屋に虚ろな瞳で外を眺めている姿だった

何だか、近寄っちゃいけない気がした

その次に彼女を見た時は、姉のミスティがお茶を出している傍らで儚げに微笑む姿

なんだ、笑えるんだ

俺は白バラを一輪彼女のもとへ、持っていった


「…ありがとうございます」


ペコリって頭を下げる彼女は可愛らしくて、また持ってきてやろうと決めた

しばらく、彼女のもとに花を届けたが白バラが一番喜んだ気がした

俺は白バラの手入れに気を使うようになった

彼女が喜んでくれるのが嬉しくて

そんなことをしていると、遊んでいた女と会うのが面倒臭くなってきて、気に入らないなら別れるようになった

白バラの手入れをしていた時に、にわか雨にやられて彼女の部屋の屋根を少し借りて雨宿りしていたら、部屋の中から小さな悲鳴が聞こえた

俺は彼女の部屋の窓を開けて中に入った


「ラケシス様、クライブです、雨宿りさせてもらって良いですか?」

部屋の中に彼女の姿はなかった

「ラケシス様?」


エイラム様に言った方が良いか?と思ったその時、クローゼットの扉が勢いよく開き、彼女が俺にしがみついてきた

スッゲービックリしたが、プルプルと震えながら俺にしがみつき、目に涙をいっぱいにしている彼女が尋常じゃなく可愛らしくて彼女の気がすむまで抱きしめた

可愛い彼女のために雷のなりそうな空の時は彼女の部屋に行くようになった

女と会っていても雨が降りそうなら帰った

そのせいか、俺に近づく女が居なくなっていった

その日も、彼女を抱きしめていると、彼女が言った


「クライブは、私が居て欲しい時は何時も居てくれるね、物語に出てくるナイト様みたい」


居て欲しい時に居るのではなく、彼女が常に俺の横に居れば良いのに

本気でそう思った



俺は親父と姉ミスティに言った

「ラケシス様が嫁に欲しい」

親父にぼこぼこにされたのは、後にも先にもこの時だけだった

ミスティは何時もなら止めてくれるが見てみぬふりをした


「俺は本気だ」

「庭師ごときがエイラム様の妹君の忘れ形見に手出して生きていられると思うな!」

「あんたが、貴族だったとしてもラケシス様に近づく虫けらは私が潰すけどね」


初めてミスティを怖いと思った


「お前が本気だと証明できれば、考えてやっても良い」


突然、後ろからそう言われ振り返ればエイラム様が居てビビった


「お前、今、あんなに居たガールフレンド一人も居ないだろ、ラケシスの事、本気なんだな」

「はい」


エイラム様は笑顔で俺の腹を殴り付けると言った


「なら、騎士になって俺並みになれ、ラケシスが、お前で良いって言うなら、くれてやる」


薄れる意識の中でそれだけを聞き取り、意識を手放した



次に目が覚めるとすでに、騎士学校の寮に入れられていた

彼女になにも言えずに騎士学校に入れられたのはムカついたが、俺は本気で頑張った

彼女を守ってやれるように必死で騎士になった

彼女に会えなくなって約10年念願の隊長になれるかも知れないチャンス

副隊長をしている風の騎士団の隊長が辞めるのだと言う

勿論、俺が隊長だと思ったが、新しい隊長が来ると陛下からの書状が届いた時は泣きたい気持ちになった



けれど、彼女が目の前に居る

隊長としてきた騎士はラケシス様だった


「ラケシス様」

「お前から、ねじ伏せねば、ならないか…」


思わず彼女に近づくと物凄く睨まれた


「ま、待ってください、俺があなたと戦うなんて無理です」


貴女に認めてもらいてくて騎士になったんだ、彼女と戦うためじゃない


「ラケシス様が隊長……」


恋愛云々は別として彼女の側にいられるってだけで嬉しい


「俺はこの隊の副隊長をしています、何かあれば俺に言いつけて下さい」


俺が笑顔を作ると、ラケシス様は複雑そうな顔をしたのだった。

だから、ミスティはあんなやつ知らない

父親も、あいつは死んだと思って良いですよ

だった訳です

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