過保護?
ラケシス目線です
エイラム様からきいた話によると、火の隊長と水の隊長は私とは関わりを持つ事を拒否したため彼等に話しかけられても無視して良いと言う事だった
「ですが、失礼ではないのですか?」
「ああ、ラケシスとの関わりを放棄する書類にサインも書いたし失礼なんて考えなくて良い」
エイラム様の背中に庇われながら、2隊長を見ると何だか悔しそうにエイラム様を睨み付けていた
「先輩方、今後関わりはなくなるようですが、先輩方の迷惑にならないように頑張りますので、暖かく見守っていただけたら幸いです!では、失礼します」
私は頭を下げた
二人からは私が見えなかったかも知れないが、一応下げてみた
「ああ、ちょっと待って下さい、風の隊長!」
水の隊長からそう言われて頭を上げた
「風の隊長はまだ、17歳だと聞きました、あんな書類にサインなんかしましたが、気にしなくて良いです!解らないこともたくさんあるでしょう?僕は貴女の力になりたいのです、陛下だって貴女が、困っているのに手を貸すななんて酷いこと言うわけがないでしょ?」
「風の隊は火の街の隣だ、俺に何でも聞くが良い」
水の隊長と火の隊長は優しく言った
「ラケシス、あんなやつらの言葉に耳を傾けてはいけない、わかるな?」
エイラム様は首だけ私の方を向いて言った
「風の隊長!エイラム様は貴女にとって父親のようなものだ、エイラム様も貴女の事を娘のように思っています、ですから、男が貴女に近付くのが許せない、父親はそう言う物です、ですが、僕は純粋に貴女の力になりたいのです、わかってくれますか?」
エイラム様は何だか複雑そうな顔をした
「エイラム様、俺がラケシス様にお話します、任せてください」
クライブはエイラム様に笑顔を向けると私に向かって言った
「ラケシス様、貴女はとても素敵な女性です!そして、あれは、人の皮を被った悪魔ですよ、耳を傾けてはいけません」
「クライブ、君は僕らの後輩だよね!僕らの悪口言うのかい?」
慌てたような水の隊長の声など聞こえていないように、クライブは続けた
「ラケシス様にわかりやすく言わせていただけるのなら、昔の俺以上の最低具合です」
私は思わず絶句する
「昔の俺がどんな人間だったか知ってますよね?そんなの、比にならないぐらいの、最低人間達です!俺やエイラム様がラケシス様に嘘をついたことがありますか?どんなに人として最低だった俺でも、ラケシス様には嘘をついたことがないでしょ?俺は貴女にだけは嘘をつかないって約束しますから、どうか、俺とエイラム様を信じてください」
「わかった」
私が速答すると、クライブは柔らかく笑顔を作った
「おい、クライブ!」
「クライブ、僕らは君を可愛がって来たつもりなんだが?」
クライブは2隊長を無視してエイラム様の方を見た
「では、アルト様に挨拶をしてから隊の方へ向かいます」
「思った以上にコイツらがラケシスに興味を持ってしまったから、次の隊長会議からはクライブが出てくれ、お前は隊長でも楽々やっていけるだけの力がある、今回お前が隊長にならなかったのは、お前がラケシスに対して命令が出来る気がしなかったからだけだからな!ラケシスに命令が出来るようならすぐにでも隊長にしてやる!」
「では、一生副隊長で構いません、俺はラケシス様が絶対正義ですから」
エイラム様はクライブに笑顔を向けると言った
「お前も俺の息子のような者だからな!約束期待してるぞ」
クライブとエイラム様は微笑みあった
「ではまいりましょうかラケシス様」
「あっ、うん、火と水の隊長様失礼いたします、エイラム様愛してます」
「ああ、俺も愛してる」
「陛下、私の隊服を返してください」
陛下は項垂れて言った
「ラケシス~僕にも可愛く愛してますとか、言ってくれても良くない?」
「命令でしょうか?」
「そうそう、命令」
私はエイラム様を一瞬見てから言った
「ヘイカ、アイシテオリマス」
「…なぜか虚しくなったよ…」
私は溜め息混じりに陛下に言った
「くれぐれもエイラム様に迷惑をかけないでくださいよ!そして第二王子に私の居場所は話さないでください、次は殺してしまいます」
「…わかってるよ~アイツに見つかる前に帰りな!」
「ありがとうございます」
私は陛下に笑顔を向けて部屋を出たのだった
短めごめんなさい




