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ガーディアン  作者: soy
10/16

2隊長

クライブ目線です

ラケシス様が隊につくと、門番をしていた隊員が、緊急警報を鳴らし全隊員を食堂に集めていた

ラケシス様は何があったのか解らず、慌てて食堂に向かっていた

食堂に集まった隊員達はなぜ集められたのかを、ラケシス様が食堂についた事で理解した


「「「「か、可愛い~!?」」」」


ラケシス様はキョトンとして、首をかしげた


「「「「可愛い!!」」」」


ようやく可愛いが、自分に向けられた言葉だと理解したラケシス様は自分の格好を思い出したようだった


「きっ、キャ~、見るな~」


ラケシス様は耳まで真っ赤になりうずくまった


「隊長可愛いすぎる」

「ヤバイ、明日死ぬかも」

「女の子バンザイ!」


隊員達は口々に感想をのべている


「ラケシス様、着替えるために隊に戻って来たんでしょ?部屋まで、運びますか?」


ラケシス様はゆっくり顔をあげた


「ラケシス様」


手をのばそうとすると涙目の可愛い顔が見えて、息を飲んだ


「恥ずかしいから、見ないでって言った…クライブの意地悪」


可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い可愛い

俺はが内心可愛いを連呼していると、後ろの方から何かが倒れる音がした

俺が振りかえると、鼻血を出してる奴や、倒れている奴まで居る

ラケシス様の可愛さに当てられてしまったらしい


「誰か医務班の奴連れてこい、鼻血出してるやつはすぐに医務室に行け」

「副隊長、倒れたり、鼻血出してる奴らが、医務班の奴等です、他にも鼻血被害者多数出てます」


俺の出した指示に返ってきたのは予想外の報告だった


「なんで、ふだん血になれた医務班が先に鼻血やら倒れたりやらするんだ?」

「医務班はスコブル女子との接触が無いので、免疫ゼロ数値です」

「動ける奴が、医務室に運んでやれ」


ある程度の指示が終わってからラケシス様を見ると顔色が真っ青になっていた


「ラケシス様、大丈夫ですか?」


慌ててきくと、ラケシス様は俺の顔を見て呟くように言った


「私が、こんな、格好したから…どうしよう、私のせいで皆が不快な気持ちに…」


ラケシス様は不安そうに俺を見上げた


「もう、こんな格好しない、男物の服しか着ない」


俺はもう一度隊員達の方を向くと言った


「お前らの根性がないせいで、ラケシス様が女性の服を永遠に着ないと言ってるが、お前ら、それで良いのか?」


俺の言葉をきいた隊員達は、ラケシス様の回りに集まり言った


「鼻血は男のあかし、大丈夫です!」

「尋常でい癒し!隊長の可愛さに癒されます!」

「倒れたんじゃありません、癒されて、寝ちゃっただけですよ!」

「隊長はスカートが似合いすぎです!非番の時は女性らしい格好をした方が良いです!」

「「「マジ、女神ッス」」」


隊員から可愛いだの女神だのと言われ、ラケシス様は、また赤くなる

そして、破壊力抜群のハニカミ笑顔を作る


「あの、あ…ありがとう」


数人また倒れるはめになったのは、言うまでもない






数日後、隊長会議が執り行なわれるため、俺は王城へ来ていた

隊長会議は昼からだが、朝一に城にたどり着きエイラム様のもとに向かう

数回のノックに、部屋の主が入ってくるように指示をした


「失礼します、ご無沙汰しておりますクライブに、ございます」

「久しぶりだ、クライブ!良い男になったな!」


エイラム様は昔とたいして変わらない笑顔で俺を招き入れてくれた


「さあ、作戦会議といこうか」


エイラム様は昔と変わらない邪悪な目付きで笑うのだった





今日の隊長会議に集まるのは、国王陛下にエイラム様、水の隊長、火の隊長そして俺だ


「あれ?風の隊の隊長はクライブがなったのか?良かったな!」


火の隊長であるオルロフは真っ赤な短髪で、瞳の色が金色をした整った顔をニヤニヤさせながらそう言った


「確か、風の隊の隊長はクライブではない名前があったと思うが、クライブになったのか?」


水の隊長であるルドルフは深い藍色の瞳を細め、長い水色の髪の毛を白い紐で束ねた常態のそれを触りながら呟いた

二人とも俺の騎士学校での先輩で、この二人に関わって良い事があった試しがない


「いいえ、自分は隊長の代理でここにいるだけですよ!」


二人の顔がキョトンとする


「隊長に就任して初めての隊長会議を蹴っ飛ばす奴なんて居んのか?」

「何でも、年端もいかない子供だとか」

「隊長は、確か…17歳でしたでしょいか?」


オルロフと、ルドルフが絶句する


「火と水の隊長はうちのラケシスに会ったことが無かったか?」

「「うちの?」」


二人の隊長がハモった

二人に優しい笑顔を向けるのはエイラム様だ


「ああ、俺の妹の忘れ形見でね、親バカかも知れないが出来る子なんだ!」


エイラム様は誰から見ても親バカトーンでのろける

二人は、ラケシス様の隊長就任を七光りだと判断したようだった


「出来るったって、ガキですよね?」

「隊員はそんな子供の言うことを、きくのですか?」


二人がエイラム様に食って掛かる


「二人はラケシスとは、相容れない感じみたいだな!」


エイラム様はニヤニヤしながら言った


「二人はラケシスの力になってくれないか?」


二人は渋い顔をした


「そいつは、隊長になったのに何故、他の隊長に力を借りなければならんのです?実力があるのならば隊長として責任をもち、隊員を導かなければなりませんよね?エイラム様が、特別扱いする意味がわかりません」


水の隊長がそう言うと、火の隊長も頷く


「どうしても、ラケシスの力にはなれないんだな!ならば、ラケシスがお前ら二人を頼らないように一筆書いてもらいたい、クライブ」


エイラム様の言葉に俺は事前に作っておいた書類を二人の前に、おいた

二人は書類の内容を確認した


「『…この書類にサインした後、風の隊長ラケシスに関する全てに口出し、干渉する事を放棄する。』べつに構いませんよ」


水の隊長は躊躇わずにサインした


「こっちから、ちょっかい出すなって感じの書類内容は腹立つが、構わないぜ!」


火の隊長もサインしたのを確認すると、エイラム様は満足そうに書類を受け取った


「これで、安心だ!」


エイラム様は国王陛下に書類を渡した


「…お前のラケシスに対する愛情は過保護なんて言葉じゃ表しきれんな」


今まで成り行きを見守っていた国王陛下は溜め息混じりに呟いた


「出来れば、同じ書類に第二王子のサインも欲しいんだがな!」

「…あれは、無理だ、ラケシスには悪いがこの書類にはサインしない、むしろ破り捨てる」


国王陛下と、エイラム様は同時に俺の方を見た


「「クライブ、第二王子からラケシスを守れ」」


二人の言葉に息を飲んだ

第二王子ってなんだ?

ラケシス様と、何かあるのか?

俺が困惑しているとエイラム様が、口を開いた


「第二王子は、ラケシスが好きなんだ…」


それに続いて、国王陛下が続ける


「あれは、ラケシスを無理矢理押し倒してウンディーネに殺されかけた事がある、ラケシスがムカついて国を滅ぼしたら困る、父王の言葉など聞く耳持ってないあの、バカ息子からラケシスを守れるのはクライブ、お前だけだ!そして、国を守れるのはお前だけだ」


大袈裟だとわかっていてもラケシス様を守るのは当然だから、頷く


「ラケシス様に手を出すやつは、殺します!第二王子が現れたら、殺します」


当然の言葉を吐き出すと、エイラム様に手を握られ、頷きあう


「一応、私の息子だから、半殺しぐらいにしてくれないかな?」


国王陛下が申し訳なさそうに呟いた

それを見ていた水と火の隊長が、俺に向かって言った


「風の隊長ってなにもんなんだ?」


火の隊長はラケシス様に少し興味をもったようだった


「…王子…」


水の隊長は王子と面識があるのか、青い顔をしていた

その時、ノックの音がしてドアが開きメイドが一人入ってきた


「国王様、ラケシス様の準備が整いました」

「そうか、とうせ」


国王陛下がメイドに笑顔を向けると、エイラム様が、国王陛下を睨み付けた


「ラケシスには今日来るなと、手紙を出したんだが?」


陛下はニコニコしながら言った


「私は、ラケシスに会いたかったからな、向かえをやって連れてきてもらった」


エイラム様は明らかに不機嫌だ

ドアの前からラケシス様の可愛い声が聞こえた


「陛下、なぜ私はこんな格好させられたのでしょうか?」


ラケシス様は入ってくる気がないらしい


「ラケシス、それは私からのプレゼントだよ」


国王陛下はニヤニヤしながら言った


「なぜ、私のボディーサイズを知っているのか、きいてもよろしいですか?」


国王陛下の顔がひきつる


「…細かいことは良いじゃないか、似合っているか確認したいから部屋に入ってきてはくれないかな?」


少しの沈黙のあとラケシス様は控えめに部屋に入ってきた

ラケシス様は地毛と同じ色の濃い青色のAラインのドレスを着ていた

胸元が大胆に開いていて谷間が見えている


「ラケシス、よくにあっているね」


長い髪の毛を毛先だけ、ふんわりと巻いている

国王陛下の顔がニヤニヤしている

ラケシス様は国王陛下を無視してエイラム様の前に立った


「エイラム様、ご無沙汰しております」

「ラケシス、よくにあってるが、胸元が開きすぎじゃないか?心配になってしまうよ」


ラケシス様は少し顔を赤らめて、言った


「直ぐに着替えるので大丈夫です」


直ぐに着替えてしまうなんて勿体無い

可愛い可愛い可愛い可愛い

俺がそんなラケシス様を見ていると、ラケシスは不意に俺の方を見ると言った


「見るな」

「俺だけ?」


ラケシス様は俺に近付いてきて俺を見上げた


「ミスティがクライブにだったら、目潰しして良いって言ってたけど、やる?」

「止めましょう」


滅茶苦茶可愛い上目使いで目潰しして良いかきいてくる


「ラケシス、私に言うことないかな?」


国王陛下は、ラケシス様にお礼を言われたいようだ

ラケシス様は国王陛下に顔を向けた


「陛下、私の隊服返してください」

「えぇ~」


国王陛下はあからさまにガッカリした


「可愛いから、アルトに見せてから着替えてはどうだ?」


エイラム様の言葉にラケシス様は少し考えてから頷いた


「では、アルト様にお会いしてから隊に戻ります…クライブはどうする?一緒にアルト様に会いにいく?先に帰る?」


服のせいだろうか?可愛いすぎて抱き締めたい


「…お供します」


ラケシス様は柔らかく笑顔を作る


「ありがとう」


抱き締めたい~

俺がラケシス様に胸キュンしていると、後ろから蹴りをくらって倒れそうになった


「なんて、美しい人なんだ!名前をきかせてもらえないだろうか?私は水の隊長ルドルフと言います」

「俺は火の隊長をしているオルロフだ、お前は?」


二人が名のるとラケシス様は姿勢をただして言った


「我が名はラケシス、風の隊長である」


二人がフリーズしたのがわかった


「ラケシスには近付かないって、一筆書いたよな!」


エイラム様はラケシス様と、2隊長の間に入って言いはなった


「ラケシスには、口出しや干渉しないと誓ったもんな!よるな!」


2隊長の苦々しげな顔をエイラム様は満足そうに見つめていたのだった

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