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 少女は、両親に『大切に』育てられてきた。

 少女は一五年間、色々なものを見て、聞いて、触って、嗅いで、食べてきた。そうして、少女の中にはあらゆるイデオロギーが確立されていった。

 そんな少女はある時、自分の理想とそれらが乖離している事実に気付いた。少女に現実の重みは、余りにも酷であったのだ。

 少女は苦悩した。どうすれば、イデオロギーと現実を重ねる事が出来るのだと。どうやっても、それは叶わないのに。

 少女には、恋人がいた。しかし彼は、少女と比べて余りにも、あらゆる観念が稚拙であった。故に、少女の苦悩は、少年には理解されなかった。何しろ恋人は喋らぬのだ。

 少女は、たった一人、思考の海にプカプカと浮いていた。

 そうして少女は、現実と自身の観念体系が合致しない理由をとうとう、自分なりに理解した。

 それは『掟』である。少女は、自分は忌まわしい掟によって縛られているのだ、と思った。

 だからまず、少女は自分に巣食う掟を打ち崩さんとした。しかし、それは叶わなかった。

 それでも少女は自分の観念体系を大事にした。つまり、少女は諦めずに、次のプロセスに移った。

 少女は全部壊した。全部だ。少なくとも少女は、世界を燃やした。たまたま少女は燃やすという行為を行う事を知っていた。だから、その世界に包含されていた恋人も、少女の大切なものも、誰かの罪も、少女自身も、燃えた。燃えて、なくなった。

 男性は間一髪で、燃えた『世界』を包含する『世界』から脱出した。だから男性は生きている。少女の『世界』が燃えても、男性には関係の無い事なのだ。そうして、男性はやがてやって来た『使者』達に、自分の知っている全ての情報をリークした。そうしなければ、男性は新しい世界で生存する事は難しい。それこそ、男性は『地獄』という世界に送られてしまうだろう。男性はそれを望まない。

男性は何も、そして誰も愛していなかった。だから、燃えた世界でいなくなった娘や妻の事など、たいして気にする事は無かった。


男性は生き延びました。自分の罪は、全て燃え尽きました。




-チラ裏-

えーと、15秒で思いついた息抜きです

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