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幕間 〈クラドの行方 その①〉
あの瞬間まで、俺の人生は期待と希望に満ちていた。
はずだった──
里を襲ったたった一体の怪物のせいで大きく変わってしまった。
幼馴染みのリリアには、自分の想いのほんの一片すらも伝えられず……。
尊敬していたバランさんも今ではこんな姿に。
それはバランさんだけじゃない、俺もだ。
だが、いまはすこぶる気分が良い。
これまでの無力感も何もかも洗い流してくれるような、この湧き上がる全能感は現実を濁してくれる。
俺は一度死んだ。だが新しい力を得て蘇った。
俺に力を与えてくれたアイツの言うことが本当なら……
〝禁忌魔法〟の魔導書を手に入れてバランさんも蘇らせる。
そして……
リリア、君を………




