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幕間 〈クラドの行方 その②〉
とんだ目に遇ったが、なんとか禁術の魔導書は手に入れた。
二人がかりでも眠らせるのが精一杯だったあの恐ろしく強い魔獣……
火球を使ってきやがったが、里を焼いた炎を思い出させやがる……
だがしかし、本当にこんなものでバランさんが蘇るのか?
苦労して手に入れたんだ。骨折り損だけはしたくない。
奇妙なカタコトの言葉にも慣れつつある自分に嫌気がさす。
聞くところによれば、これから向かう〝王都〟とやらには、俺と似たような連中がいるらしい。
どのみちもう、俺に帰る場所なんて無い。
だがそんなことはどうだっていい。
俺は俺の手で必ずバランさんを蘇らせる。
俺のせいでバランさんは……
でも分からないのは、アイツの言っていた組織のことだ。
一体、俺はこの先どうなるのだろうか……
でも1つだけ分かることがある。
俺はもう、人としては生きられないのだろう。
それでも俺は…… リリア、君を……




