5話 ※レオン視点
金色の波打つ髪に、青色の宝石のように輝く瞳。
可愛らしいその姿はレオンを見て青ざめている。
レオンは、昔から老若男女問わず怖がられる。それは魔力を大量に有している為仕方のないこと。
だが、今日は魔力は枯渇状態である。
少しならば怖がられないかもしれない。そうレオンは思い、少しでも怖がらせないようにと視線を合わせるために腰をかがめると幼女に向かって尋ねた。
「失礼。突然の訪問、混乱しているかと思うが、私はレオン・カーライルという。はじめまして」
すると幼女はプルプルと体を震わせながら驚いたのかしりもちをつき、レオンのことを見上げる。
怖がらせてはいけないと、レオンはぎこちないながらにも笑みを浮かべた。
「怖がらせるつもりはないのだ。すまない」
ただ、気になりはする。
この離宮に幼女がいるという話は聞かない。いるのは王女シャーロットとその世話をしている侍女では
ないのだろうか。
離宮自体の情報が少ない。
ただ、気になることがレオンにはあった。
こちらを見上げる幼女と、シャーロットとの外見が一致しているのである。
どういう事だろうかと思いながらも、レオンはそっと手を差し伸べると言った。
「抱き起してもかまわないだろうか?」
「ひゃ、ひゃ?」
返事だろうか。
レオンはそう考えると幼女の両脇に手を入れ抱きあげた。
魔力が枯渇した状況であれば少しばかりの接触は大丈夫だ。目の前の幼女も触れたことにたいしては気分を害した様子はなかった。
「けがは? 驚かせてしまいすまなかった」
「ひゃ……」
可愛らしいなと思いながら、シャーロット王女は十六歳のはずだが、と首を傾げる。
目の前にいるのは明らかに五・六歳の幼女である。
頭の中で理解が追い付かない中、きょろきょろと動揺するその可愛らしい動きに笑みがこぼれる。
状況は理解できていないが、まぁいいかとレオンは考えることを一度やめる。
そのうち話をしてくれるだろうと思いを改めたのだ。
シャーロット王女と思わしき幼女は姿勢を正してから、あわあわとした様子で口を開く。
「えっと、あの……レオン・カーライル様、ようこそ、離宮へおいで下さいました」
若干プルプルと震えており、緊張していることが伝わってくる。
「あぁ。王城には許可を取り、私だけはこの離宮に入ってもいいようにと魔道具も設定してもらったのだ。それにしても、侍女はいないのか?」
「え……えっと」
まさか離宮に一人で?
そう思った時、慌てた様子で口が開かれる。
「わ、私が侍女です」
「ん? ……」
レオンはしばしの間瞬きをし、様子を見つめる。
視線の動かしかたやその動作は、明らかに嘘を今ついている様子だ。
けれど、レオンはあえて問いただすことはせずに、微笑みを浮かべると尋ねた。
「そうなのか。では侍女殿のお名前は?」
「え? あ、えっと……シャー……シャーリーです」
また視線が泳ぎ、レオンは笑いそうになるのをぐっと堪える。
おそらくではあるが、なんらかの理由で自分が王女とは言いにくいのであろう。
呪いのせいか、はたまた自分と婚約が嫌なのか。
レオンはとにかく様子を伺いその理由を探るかと心を決めると、シャリーに向かって言った。
「シャーリー。私のことはレオンと呼んでくれ」
「え? よ、よろしいのですか?」
「もちろんだ」
「れ、レオン様。その、今日はシャーロット王女様は体調がすぐれないようで……なので」
「うむ。では、君にこの離宮の案内をしてほしいのだが、どうだろうか?」
予想外の言葉だったのだろう。
シャーリーは一瞬動きを止めたのちに、視線を彷徨わせ、何かしらの理由を考えるようだが、結局諦めたように息をつくとうなずいた。
「もちろんです。あの、では、ご案内します」
「ありがとう」
テトテトと歩き始めるシャーリーを見つめながら、もし彼女がシャーロット王女殿下だった場合、これは可愛らしい婚約殿だなと微笑ましく思い、レオンはクスリと笑みを浮かべた。
レオン好きなんですよね(●´ω`●)幸せにおなりよと念じながら書いております。







