表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【11/1書籍2巻&漫画1巻発売】呪われ王女は魔法植物を研究したい~公爵様が婚約者!?私、呪いで幼女になっているのですが~  作者: かのん
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/68

40話

 お姉様に挨拶を済ませて外へと出ると、三人がちょうどこちらに返って来る所であった。


「皆様、ありがとうございました」


 そう告げると、三人はうなずき、メルバ様が私に向かって言った。


「とても良い瞳をしている子だ。大丈夫。彼女ならきっとここで暮らしていけるさ」


「ありがとうございます」


「これからはルッソが面倒を見る。大丈夫。ルッソは世話好きだ」


 その言葉にルッソさんへと視線を移すと、にっと歯を見せて笑顔でうなずかれた。


「大丈夫。しっかりと鍛えてやる」


「……鍛え……あの、や、優しく、お願いします」


「あぁ。大丈夫。大丈夫」


 本当に大丈夫だろうかと思っていると、レオン様が言った。


「ルッソ殿はなんだかんだ優しい。ここに連れて来てからもすごく面倒を見てくれた」


「そうなんですね! ありがとうございます」


「あ、いや。ははは。それより、イノシシの調理を始めるんだ。お前も手伝え!」


「はい! もちろんです」


「その前に、ちょっとだけ、二人で話をしてきてもいいか?」


 レオン様に私は手を取られ、そう告げられる。


 私がドキリとしていると、ルッソさんがにやにやとした顔でこちらを見る。


「もちろん~。ごゆっくり。その間に美味しく調理しておくな」


 ひらひらと手を振られ、メルバ様も優しく微笑んで見送ってくれた。


 私はレオン様に手を引かれて歩いていく。


 繋いだ手から、体温が伝わってきてドキドキしてしまう。


 人気のない森の方へと、レオン様と私は歩いていく。


 森の中は清々しくて、鳥たちが楽しそうな声をあげながら飛んでいく。


 少し歩いたところに、小さな小川の流れる場所があり、澄んだ水の中に魚が気持ちよさそうに泳いでいる。


 私達は、木陰の岩の上へと腰を下ろした。


 二人で並んで座っていると、川の流れる音が心地よく聞こえる。


「なんだか、のんびりですね」


「あぁ。本当だな」


 穏やかな空気が流れていくが、私は静かに深呼吸をしてからレオン様の目の前に立つ。


 そして、頭を深々と下げた。


「嘘をついて、ごめんなさい……私は本当は、王女シャーロット・フォーサイスなのです」


 ちゃんと自分の気持ちを伝えなければと、私は下を向いたまま、口早に言った。


「本当は、嘘をつくつもりなんてなかったんです。でも、でも……呪われていましたし、レオン様は素敵で……動揺してしまって……つい、気がついたら……嘘を……本当にごめんなさい!」


 喋れば喋るほどに言い訳をしている自分が恥ずかしい。


 人に嘘をつくことも、こうやって頭を下げることも初めてで、どうしたらいいかが分からない。


 すると、レオン様の優しい声が聞こえた。


「ふふっ……頭をあげてくれ」


「え?」


「その……実は、結構最初から……シャーリーはシャーロット王女殿下かなと、思っていたんだ」


「へ? え? ふぇぇぇえ!?」


 私が悲鳴にも似た驚きの声をあげると、レオン様は落ち着くようにと私に座るように促してから、喋り始めた。


「いや、だって……離宮は入れる人間が限られているし、シャーリーとシャーロット王女殿下の髪色や瞳の色が同じだし……」


「で、でも! 私小さくなっていましたし、おかしいとは思わなかったのですか?」


「ん? あー。まぁ……でもあと、その……シャーリーは、記憶がないようだけれど……数回、大人の姿も見ている」


「へ? え? え?」


 私の記憶にはない。いや、ちょっと待てと、私は脳みそをフル回転させながら考え、既往のかけらの中に、夢だと思っていたことが蘇る。


「ま、まさか……私、私……レオン様に、抱っこ……せ、せがみましたか?」


「ん? ……あぁ。とても可愛らしすぎて、理性との戦いだった」


「ふわぁぁぁぁぁぁぁ。もももももももももし分けありません。すみません。わ、私、なんてはしたない!」


「いやいや。可愛らしかった。だから問題ない。むしろ、これからもいくらでも」


 そう言うと、レオン様が両手を広げる。


「え?」


「膝の上に乗るかい?」


「ひゃ……」


 ぼふんと音を立てるように、私は顔に熱が溜まる。


 レオン様は分かっていないのだろうか。


 私が出会ってきたどの男性よりも、レオン様は美しい。


 黒いサラサラの髪の毛も、菫色の澄んだ瞳も、私の婚約者だと信じられないほどに素敵な人である。


 私はドキドキとして、胸を抑える。


「す、すみません……刺激が強くて」


「ふふふ。そうか。では、少しずつ慣れていってくれ。私も慣れていこう」


「え?」


「私は、ずっと魔力過多症のせいで、家族以外で人とこのように喋ることも、触れ合うことも出来なかったのだ」


 その言葉に、私は驚きながらも、そうか、レオン様も寂しかっただろうなと思いその手をぎゅっと握った。


 私の手を握り返しながら、レオン様が言った。


「以前話をした時は、子どもの姿だったな。……シャーリー。いや、シャーロット王女殿下。私は魔力過多症で、長くは生きられないかもしれない。だから最初は義務感から婚約者に生きている間は、誠意をもって尽くそうと思っていたんだ」


 その言葉に、私はうなずく。


 レオン様は優しいからこそ、呪われた私を憐れんでくれたのだろう。


 そう思うと、少しばかりさみしい気持ちになるのは、私がレオン様に好意を持っているからだろう。


 勘違いしてはいけない。私はレオン様に好かれているわけではない。


 義務感なのだ。


いよいよ、次で最終話です(●´ω`●)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われ王女は魔法植物を研究したい~公爵様が婚約者!?私、呪いで幼女になっているのですが~ 書籍1巻

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
書籍2巻

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
コミック1巻

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ