表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【11/1書籍2巻&漫画1巻発売】呪われ王女は魔法植物を研究したい~公爵様が婚約者!?私、呪いで幼女になっているのですが~  作者: かのん
第一章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

28/68

28話

 どれくらいの時間がかったのだろうか。


「できた……」


 私は大きく息をつくと、椅子にどさっと座る。


 集中していたので疲労困憊であり、大きく息をつく。


 窓の外を見ると、暗かった空が少しずつ明るくなり始める時であった。


 丸一日、薬を作るために時間を費やしていたのだ。


 私は大きなあくびを一つすると、出来上がった薬を眺める。


「これで……元に戻れる」


 どのタイミングで薬を飲もうか。


 私はそう思いながら、うとうととしていると、瞼を閉じた瞬間に、意識を手放していた。次に目を開けた時にはすでに太陽は高く昇っており、私は大きく背伸びをする。


 そこでレオン様はまだ森の民の所だろうかと首をひねる。


 それとも寝ていたから、起こさなかったのだろうか。


 私は一度森の民の所へと向かってみるか決めると、その前にと湯あみを済ませたり食事を済ませたりしたのであった。


 そこから森の民の所へと向かう準備をする。


 私はリュックの中に、無効化薬と大人に戻った時用の為に服をいれた。


 レオン様に大人に戻ってちゃんとシャーロットだと告げ騙していたことを謝ろう。


「よし、頑張るぞ」


 気合を入れて私は扉をくぐったのであった。


 太陽の日差しが痛い。さすがに日中の一番暑い時間だ。


 ただ、吹き抜ける風は心地よく私はその風を胸いっぱいに吸い込んだ。


「おかえり主」


「ジョン。もしかして、ずっとここで待っていてくれたのですか?」


 扉の近くにはジョンの姿があり、私が現れたのを見てむくりと体を起き上がらせる。


「あぁ。待っていた」


「待たせてごめんなさい。いつくらいに返っておくか告げておけばよかったですね」


「いや、我にとっては長い時間ではない。のんびりしていたので問題はない」


 その言葉に私はほっとすると、そういえばと尋ねた。


「あの、レオン様は扉を通って帰りましたか?」


「ん? いや、帰っていないぞ」


「そう……なんですね。メルバ様と話をしていましたが、何かあったのでしょうか」


「あー。ここ最近、森へ何者かが侵入した痕跡があってな。それをレオン殿に相談していたようだ」


「そうなんですか?」


「あぁ。さて主、そろそろ向かうか」


「えぇ」


「せっかくだ。森を少し散歩しながら行こうか」


 レオン様に正直に話をするとは決めたものの、私の心はまだ落ち着いておらず、ジョンからの提案を私はありがたく受けることにした。


「いいですね。そうしましょうか」


「よし、決まりだ」


 そうしている間に、きっと心も落ち着くはずだ。


 ジョンが身をかがめてくれて、その背中に私はよじ昇る。視点が高くなり、ジョンが駆けだした。


 風がとても心地いい。


「ふふふ。早いはやーい!」


「よーし! もっとスピードをあげるぞ!」


「きゃぁー! ふふふ! はやーい!」


 私達は風を感じながら森を抜け、そして丘の上にくると、ジョンが足を止めた。


「ここの魔法薬草も珍しいのが生えているが、採っていくか?」


「いいんですか? ふふふ! 採っていきます!」


 ジョンは嬉しそうにしゃがむと私を草原で下ろす。


 私は吹き抜けていく風の心地よさに瞼を閉じると、風に乗って、様々な魔法植物の香りがするのを感じた。


 この聖域の森は、本当に魔法植物の宝庫である。


「ふわぁぁ。気持ちがいいです。ジョン、ありがとうございます」


「いいのだ」


 優しい視線が向けられて、私はずっと気になっていたことを尋ねた。


「でも……ねぇジョン。どうしてこんなに親切にしてくれるんですか?」


 魔力暴走を止めたから、というのも一つの理由だとは思うけれど、それだけではない気がするのだ。


 私の問いかけに、ジョンは遠くを見つめると呟いた。


「ははは。……まぁ、お礼というのも本気だったが……そうだなぁ。実はな……かつて、友と約束したのだ」


「約束?」


「もし、扉を通って心根の優しい子が来たならば、どうか守ってあげてほしいと」


 ジョンは私のことを見つめながら言った。


「そして、主が来た。しかも主は私を救ってくれた。だから、私は友との約束を守ろうと思った。守るには、主になってもらうのが一番いいのだ」


 一体、ジョンの友達とは誰なのだろうか。気になり、私は尋ねた。


「……その友達の名前を……教えてもらえますか?」


「エレニカ・フォーサイスという」


 エレニカ・フォーサイス。その名前を聞いて、私は驚いた。


「彼女も魔法植物が好きだったのだ。ふふふ。主によく似ている」


 最初は驚きでいっっぱいだったけれど、その名前を聞いて、私の中で、点と点が繋がり線へと成っていく。


 魔法植物がたくさん植えられている温室、その奥にある大量の魔法植物に関する記録。そして魔力抑制や増加による研究資料。


 あの、魔力抑制剤の試験薬は誰のために作られたのか。


 それが、私には今、分かったのだ。


「ジョンの為の、研究だったのですね」


「ん?」


 私は次代を超えて、エレニカ様の願いを自分が届けられたのだと、そう気づいた。


「エレニカ様は、私と血縁のある方です。そして、あの魔力抑制剤を作れたのは、エレニカ様が残して下さった研究資料があったからなんです」


「エレニカの? ……それは……」


「エレニカ様は、ジョンの為にきっと研究をしていたのだとおもいます。ふふふ。貴方の為の薬だったのですね」


 そう伝えると、ジョンが驚いたような顔を浮かべる。


「エレニカが……私の為に研究をしていたと言うのか?」


「えぇ。そうだと思います。ふふふ。納得がいきました」


 だから、拒否反応もなくあの試験薬がジョンに適応したのだなと思った。あれから何度も薬をつくり直して、そしてこの前レオン様に使った試験薬にたどり着いたのだ。


「そうか……そう、か」


 ジョンはそういうと、また遠くを見つめた。


 エレニカ様を懐かしんでいるのであろうか。


「ありがとう……主。そなたに出会えてよかった」


「ふふふ。私もです」


 私達は共に、微笑み合ったのであった。

息抜き短編上げました(*´▽`*) ちょっとしたお時間に読んでいただけると嬉しいです。

内容はないよう。

↓↓↓

『悪霊退散のお札いかがですかぁ』

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
呪われ王女は魔法植物を研究したい~公爵様が婚約者!?私、呪いで幼女になっているのですが~ 書籍1巻

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
書籍2巻

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
コミック1巻

img_f13f059679b249de89cae1c4b84edf7a2060
書籍特集ページはこちらから
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ