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9.舞踏会へ

 早朝、ミスティアは目を覚ました。

 窓の外から鳥のさえずりが聞こえてくる。

「……とうとう、舞踏会の日になりましたね……」

 ミスティアは人形の入った包みをそっとなでた。


 ドアをノックする音が聞こえた。

「おはようございます! お姉さま!」

「おはよう、リリア」

 ミスティアは立ち上がりドアを開いた。ドアの向こうに立っていたリリアは、にっこりと笑っている。


「なんだか早く目が覚めてしまって……お姉さまも同じですか?」

「……ええ」

「お姉さまと一緒に行く舞踏会……とても楽しみです!」

「……ふふっ」

 嬉しそうなリリアを見ていると、ミスティアの不安も少し薄らいだ。


「お姉さま、食堂に行きませんか? 私、なんだかおなかがすいてしまって」

「……着替えるから、少し待っていてください」

 ミスティアは扉を閉めて普段着に着替えた。

「お待たせしました」

「それじゃあ、食堂でお茶にしましょう」

 リリアは食堂に向かって軽やかに歩き出した。ミスティアも後に続いた。


「あら? もうだれか食堂にいるみたい」

 リリアは食堂のドアを開けると、驚いて声を上げた。

「お父様、お母様、おはようございます」

「おはよう、リリア、ミスティア」

 父親が声をかけた。そのあとに母親がたずねた。


「あなたたちも早く起きてしまったの?」

「ええ。だって、今日はお城で舞踏会があると思うと……ドキドキしてしまって目がさめてしまいました」

 リリアの言葉を聞いて、両親は微笑んだ。

「そうね……すこし早いけれど食事の用意をしてもらえるかしら?」

「はい、奥様」

 メイドが急いで食事の準備にとりかかった。


 朝食を食べながら、家族で舞踏会について話をした。

「お父様、お母様、アレス王子にプレゼントを差し上げても大丈夫かしら……?」

「なにを渡すつもりなんだい?」

「……大したものではないわ」

 ミスティアが口ごもると、父親は首を傾げた後笑って言った。

「まあ、ミスティアの気持ちがこもっているものなら、良いだろう」


「今日は上手に踊れるかしら? アレス王子様と踊れたら嬉しいわ!」

 リリアの言葉を聞いて、ミスティアも小さく頷いた。

「アレス王子から誘われればね。自分から誘ってはいけませんよ、リリア?」

「そんなことくらい、分かっていますわ、お母様」

 たわいのない会話をしながら食事を終えると、ミスティアとリリアは自室へ戻った。


 夕方になると用意していた馬車で、ノーム家は王宮に向かった。


「ミスティア、ずいぶん大きな荷物だね。それがプレゼントかい?」

「ええ、お父様」

 ミスティアは人形の入った包みをぎゅっと抱きしめていた。


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