設定資料1
・オルガ
入学時学院最下位。
聖剣に選ばれなかった男。
通常一本くらいは適合する聖剣が一本も適合しなかったため、騎士養成学校に入学した物の退学の危機となっている。
そもそも聖剣に適合しないという事がイレギュラー過ぎて、入学時の試験にそれが含まれていなかった。
スーの誘拐未遂時に見た彼女の剣技に見惚れ、スーを護ると約束した。オルガの初恋である。
その頃から聖騎士を目指していたが、年を重ねるにつれてスラム出身が聖騎士になる事への難しさを知って意欲を失っていく。
その後、スーがオルガの母親を殺害。その現場を目撃した。
その際、スーに言われた「私に会いに来てね」という言葉を護る為。また、魔族となった彼女を斬るためにオルガは本気で聖騎士を目指す。
スーと別れてから笑顔を浮かべた事が無い。
一番の願いであるスーを護るという事が既に達成できない為、別の人を助ける事でその代償行為としている。
つまり、オルガにとっての人助けはそれ自体がスーへの愛情表現であるという歪んだ物。
その救いの手を伸ばす相手が、己の意に反したことをしている相手が多くなるのはそのまま己への裏返しである。
同じ境遇にある自分が救われたいと。
彼は己の行動でそれを常に外に示している。
声ならぬ悲鳴をあげているのも。
誰にも言えない苦しみを抱え込んでいるのも。
どちらもオルガの事である。
スーを見つけたら斬ると誓っている。
自分の好きな人に、罪を重ねさせないために。そのせいで、彼にとっての最上級の愛情表現は殺意となっている。正確にはそう思い込もうとしている。そうでなければ斬れない。
また、スーが魔族となった事で人を害するようになったと認識している。
その為、自分の意思以外で何かを決められている相手には強い不快感を示す。思わずそれを正したくなる程に。
聖剣が使えない理由は、霊力のコントロールに長けているから。他にも霊力を見る才に長けている。つまりは霊力持ち。魔族になる可能性がある。
我慢強く頑固な性格はスーを殺すという決意が由来となっている。
最も辛い事をするのだから、他の事は全て些事に思える。
少しでも妥協したら、やらなければ行けない事も妥協してしまいそうになる。
そんな自分の弱さとオルガが考えている事を封じ込めるための一種の防衛行動であり逃避。
プライベートを持たないのもその一つ。自分の事なんて考えたくない。別の事を考え続けていれば、自分の事は考えなくて済む。
或いは人助けもここに帰結するのかもしれない。
マリアとは逆に、「やれることをやる」のではなく「やらなければいけないことをやる」事を自分に課している。
スーを斬った後、オルガはどうなるのか。それはオルガ自身にも分からない。
漸く仲間に助けを求める事が出来、あの日から一歩進む事が出来た。
◆ ◆ ◆
超面倒くさい主人公。
実のところ、今の話になってから真っ先に決めたのがビジュアル面。普段見た目は一番最後にテキトーに決める事が多いのですが、コイツだけは別。その理由は追々と。
ぶっちゃけた話モデルというかモチーフにしたのはビ〇ドダイバーズリ〇イズのヒ◇ト。
過去に何かあってそれを悔いている主人公を書きたいと思い書き始めて気が付く。これ何時も自分が書く主人公だと。
意識しないでも悲惨な事になる主人公を意識して書いたのだからそれはもう激重感情を抱いているブラックホールみたいな奴になってしまいました。
お気に入りです。でも友達にはなりたくないです。一緒に破滅しそう。
こいつヒロインだったら最強だったんじゃね? という疑惑が最近芽生えた。やるか……激重ヒロイン。
取り合えずヘルプ・ミーが言えたので三人娘が側に居る限りはギリギリのバランスで大丈夫でしょう。
このまま何の手立ても見つけられずにもう一度スーにあったら? その時はオルガは今度こそ死ぬ。
◆ ◆ ◆
・マリア
オーガス流剣術の免許皆伝。
約400年前、当時の魔人の首領であるザグールをあと一歩のところまで追いつめた最強の剣士。当時十七歳。
鍛え上げた末、膨大な霊力の塊であったマリアの魂はそれ単独でも現世に留まっていた。
触媒となる剣に宿り、意識をも保っていたのは誰にとってもイレギュラーであった。
現状彼女の姿を確認できたのはオルガと、有獣種のフェザーンのみ。条件は変わらず不明。
聖剣に選ばれなかったオルガにオーガス流剣術を教える代わりに、自分の死因を探して欲しいと頼む。
生前、マリアは何でも出来る娘だった。
剣の神に愛されているとしか言いようのない剣技により、天才と呼ばれていた兄の実力もあっさりと超える。正に規格外。
しかし、あらゆる障害を排除する事しかできない。敵を斬る事で成功体験を得てしまったがゆえに、それを変える事も出来ない。
殺す以外に、解決方法を知らない獣。
剣の目利きは確かな物。自称鑑定士のマリア。
◆ ◆ ◆
設定的には多分最後に生まれたキャラクター。意外。後作った設定資料集がネタバレの塊で当たり障りのない場所を抽出したら酷く薄い内容となってしまった。翻すと全然まだコイツについては描写できていない。
元々は別作品のつもりで考えていた設定の再利用。鬼を倒すという鬼滅っぽい話。でも話を膨らませられなかったので放置していたのをリサイクル。割と自作ではそう言う事は多い。
オーガス流という名前はその辺から来ている。オーガースレイヤー。まさかのオルガの名前と合体事故を起こした。
全体的にオルガが立ち直るまでの流れが滅茶苦茶暗くなるところをギリギリの所で押し留めてくれた(はず)の愛すべきバカ。
バカな子ほど可愛いを信条に書いて来た蛮族です。
ちなみにこいつが強い事には特に理由は無いです。この宇宙では時折突然変異的に規格外の強さを持った奴が生まれるんです。
玲愛とか、レヴィルハイドとか、仁とか。適当な機体に放り込めばすぐにエース級の活躍をしてくれるでしょう。
いうまでもなく、コイツの過去にも爆弾が潜んでおります。兄の事とか。ザグールの事とか。失われた記憶とか。
その辺は第二部で。第一部がオルガ編なら第二部はマリア編……になると良いなあ……。
こうして並べると面倒臭いの塊なオルガ