宮本千悠という
初めての投稿で至らぬ所が多々見受けられると思いますが何卒よろしくお願い致します。
また、誤字脱字等も報告していただければ幸いです。
私、かなりの遅筆ですので気長にお待ちいただければと思います。
乾く……
数時間前まで止めどなく流れていた涙ももはや枯れ果て、頬に痕を残すだけとなっていた。
泣くという行動は存外体力を使うもので、身体中を言い様もない気だるさが包んでいた。
だが放出した分だけ身体が水分を求めるのは道理である。
気だるさを感じる身体に鞭打ち立ち上がる。
その足でキッチンへと向かい飲み物を手に入れるべく冷蔵庫を開けるが……
「参ったな、昨日買い物に行かなかったからか…」
中を覗き、バターと目薬しか入ってないことを確認した宮本千悠は小さく溜息を漏らす。
買い物に行くか行くまいか、本来であれば悩むまでもなくコンビニにでも向かい飲み物を購入し喉を潤すところではあるのだが、思うように身体が動いてはくれない。
「体力落ちたなぁ、昔はもっとマシだったと思うんだけど二十歳超えたら老いがくるってあながち嘘でもなさそうだなぁ」
自らの身体に悪態をつきながらも外に出るために動き出す。
宮本千悠 二十一歳
近隣の大学、医学部へ通いながらも容姿、成績共にパッとしない生活を送っていた。特徴としてはやや男勝りな性格と短くまとめた黒髪。
家族構成は父、母、そして高校二年生になった妹。
親戚はほとんどおらず隣の県に今年七十になる婆ちゃんがいる。
将来設計といえば、医学部に在籍していることもあり就職口として近くの診療所で経験を積み、ゆくゆくは……なんてことを考えていた。
一昨日までは。
三日前、世間は祝日ということもあり街のスーパーやコンビニ等は暇を持て余す老若男女で溢れていた。
かくいう彼女も久々の休日に少し浮かれつつもお昼前から出掛け、埋まっていない予定手帳を眺めつつ当てどなく街をぶらつくのであった。
平日とはうってかわって賑わいを見せる街に大学に行く以外に外に出ることが少ない彼女は少し戸惑いを見せる。
もともと目的があって外出した訳でもなかった