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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

弱ボスは勘弁願いたい

作者: hoshiimo

短編で一発。長編はモチベが続かないよぉー。

えー。これはどういう状況なのだろう。薄暗いそこそこの部屋?なのか?

石の壁に窓もなく、部屋の正面には扉がある。

キョロキョロ辺りを見渡すとどうやら自分は椅子に座っている状態のようだ。自分の手に斧を持っており、その手は獣の様に毛深い。

おかしい。自分はこんなに毛深かっただろうか。

そうしていると、扉が開いた。お客様だろうか。混乱しながらも椅子から立ち上がった。

お客様は武器を携えた初心者っぽい冒険者の風貌の四人組だった。

何か喋らなくてはと声を上げると

「ブモブモォオオオオ!!!」

と何処からか大きな咆哮が上がる。

えっ?

どういうこと?

自分で自分にびっくりしているとスパンと四人のお客さんのうちの一人がいつの間にか顔の横まで来て通り過ぎていく。えっ?

スパン?え?そういや、剣抜いてるよ?あの人。

横目で通り過ぎるのを見送りながら、足がもつれて倒れ込む。何も感じないまま暗闇に沈んでいった。


ーーーーーーー


いやぁ、さすが初心者用のダンジョンの初ボス。

俺たちは意気揚々とやってきてダンジョンに潜り四人組を初めて組んだのだが、これは組む必要あったのだろうか。平原で少し剣を振ったらスラッシュという剣技を習得したので試してみたくなり、念の為に学友と一緒に挑戦しに行ったのだ。

結果は一撃コロリでしたね。うん。仲間いらね。

仲間1「なあ、俺らくる必要あったか?」

仲間の質問に目を逸らす。

仲間2「まぁ、どんなのが出るのかわかったし、ここなら安全に素材剥ぎ取りできるんじゃない?私達も初めてだったし。」

仲間3「うんうん。牛肉ゲットだよ。」

とりあえず、単位取るためにしばらくこの階を周回しようぜって提案はすんなりとおり、また明日ってなった。


ーーーーーーー


目を覚ますと薄暗い部屋。あれ、確かこの部屋で俺、斬られたんじゃなかったっけ。自分の身体を見ても何もなっていない。椅子に座っている状態で手斧を持っている。??夢だったのだろうか?

しばらくするとまた扉が開く。ええ??ちょっと待って! 

正夢ーーーーーーー!!

またあの四人組だよ!!

きっ、切られるー!ひぇーー。

ま、待て待てこちとら斧持ってんだよ。ならアレだ!えっと盾代わりにすりゃ…

「ファイアーアロー」

ごうと、目の前が明るくなりまた、意識が闇に落ちていく…。ええー、切るんじゃねぇのかよ…。



ーーーーーーー


翌日俺たちはまたダンジョンに来ていた。

こんどは魔法使いが新技試したいって言ってたので譲った。

仲間3「よし、一発撃沈。」

仲間2「よしよし、よくできました。」

仲間2が仲間3の頭をなでている。

仲間1「簡単に素材が取れていいな。コレ。」

ああ、そうだな。簡単にこしたこたぁない。

命かけんのなんかバカのするこった。

仲間1「ちがいない。ハハッ」

んじゃあ、また明日なー。



ーーーーーーー

ぶもぉぉお!!

目覚めると、同じ部屋にいた。夢だったか。

いや、夢ならまた扉がひらく。

ど、どうしよう!!

えっと夢で痛くなくとも怖いのには変わりない。なぜ何度も殺される夢を見なければいけないのかー!!!

ああ!そうだ!命乞いだぁ!!

って話せねえじゃねえかよ!!ブモブモってぜってぇわかんねぇよ!!

えっと、布か紙…ねえええええ!!!

いや布あるけど腰一丁なんで駄目だぁ!!

そうだ斧!!えっと、少しだけ手を切って、うん。夢にちがいない。痛くない。

えっとこれで、

降参するので殺さないでください。

これでよし。斧の平たい面に血文字を書いて体の前に相手から見えるだろう位置に両手を添えて持つ。

さあ!どんとこい!いや、嘘です!!来ないで!!

でも無情にも今日も扉はひらく。

今日も同じ四人組が入ってきて斧を見てしばらく固まるも何かゴソゴソ話して、一人が目の前にきて

仲間1「命乞いしてんじゃねぇぇぇええ!!」

と斧を砕いてそのまま槍を一突き。

ぇぇぇええ!俺が悪いのぉおおお!!

てか、斧!!てめぇ仕事しろよぉぉおお!!

なんで簡単にくだけてんだよぉぉおおおお!!ちくしょぉおおおお!!

そう思いながら意識は闇に沈んでいった。


ーーーーーーー


今日は珍しいこともあるもんだ。

なんと、知能がないと言われているあの牛ボスが斧を構えながら命乞いしてるではないか。

仲間2「えっと…どうする。たしか知能犯ではなかったはず…」

仲間3「デーモン系なら騙しあるけど…」

仲間1「えー…。とりあえずぶっ飛ばそうぜ。今日は俺の番だしな。」

うん。じゃあ、胡散臭いし、ぶっ飛ばすに1票。

仲間2、3「賛成。」

そうして今日も素材と学業の単位のために尊い犠牲となってもらったのだった。


ーーーーーーー

ぶもぉぉおおお!!

なんと血も涙もない奴らか!!

ハァハァ。とりあえず、夢から覚めた俺は椅子に座っているし怪我もない。…いつもの状態だ…。ハァァ…。憂鬱だ。なんだってまた、いつもの部屋!!

また扉がひらくじゃねぇか…。って開いたぁああ!!

俺は斧を手放して部屋の奥へ逃げた。が部屋は無情にも狭く慌てていたため壁に頭をぶつけた。そのまま意識が闇に沈んでいった。


ーーーーーーー

ええー!!いやぁ、俺ら今日はドア開けただけなんだけど…。

牛モンスターは勢いよく逃げて壁に激突した。

仲間1「なあ、コレ単位もらえなくねえ?」

仲間2「うん。倒してないからね。」

仲間3「…なんて腰抜け…。」

…とりあえず、帰るか…。

そうして今日のダンジョンは終わったのだった。













一応完。書きたくなったら書くかも…。

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