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董卓

何進が、新たな皇帝を擁立した。その話はすぐに董卓のもとへやってきた。

「あら。意外に行動がはやかったわね。」

「董卓様!どうしますか?」

董卓は、少しの迷いながら言う。

「先手を打たれてしまったしね。とりあえず、洛陽に挨拶にいきましょうか。」

董卓は、軍勢を連れて洛陽へと向かうことにした。


董卓が洛陽に着いて、挨拶の準備をしているところに急報が飛んできた。

「董卓様!何進が、暗殺されたみたいです!新しい皇帝、少帝も逃げているところみたいです!」

どうやら何進は権力争いに巻き込まれ、敗れたみたいだ。

「あらあら。でも、これは好機ね。今すぐ準備をしなさい!少帝を助けに行くわよ!」

董卓は軍に準備を急いでさせ、出発させた。


「くそ、もう逃げられないのか!」

少帝が叫ぶ。供の者として、護衛が数人と、妹の劉協がついていた。敵は追ってきているが、まだ少帝の場所は特定できていない。

「お兄様!このままでは殺されてしまいます!あそこの洞窟に隠れましょう!」

劉協が叫ぶ。少帝は洞窟に入り、息を潜めることにした。

数時間後。敵の足音が近づいて来る。洞窟の近くにきている兵の声がする。どうやらここを探すらしい。

「もう終わったか…。劉協、しっかりそこに隠れていろ!」

「お兄様!?どうするのですか!?」

少帝は堂々と洞窟からでようとする。

「私が皇帝、劉弁である!私の命はどうなってもいい!しかし、この洞窟にいる者の命は助けてくれないか!」

敵が近づいて来る。その残忍な顔からは、劉弁を殺したとしても劉協が生き残るとは思えなかった。

敵が剣に手をかける。劉弁は目をつぶる。つぶったまま、数秒たったが、剣を振り下ろして来る気配はなかった。

目を開ける。残忍な顔をした敵は、背中に弓矢を受けて倒れていた。

「あなたが少帝かしら?助けに来たわ。」

「あなたは…!?」

「私は董卓。少帝をお守りするため、馳せ参じました。敵はもういないわ。安心していいのよ。」

劉弁は崩れ落ちる。

「ありがとうございます…!なんとお礼を言っていいか…」

洞窟から、数人が出て来る。

「お兄様!大丈夫だったのですか!」

「劉協か…なんとか、大丈夫だ。この、董卓殿が助けてくれた。」

劉協は董卓の方を見る。

「ありがとうございます。」

董卓は、劉協を見て目を見開いた。何かを感じとったみたいだ。

「一つ提案があります。恐らく敵はこれからも少帝を執拗に狙って来るでしょう。妹の、劉協殿に、帝の位を譲った方が良いと思うのですが…」

劉協は驚く。

「そんな!お兄様はまだ皇帝になって間もないのですよ!」

董卓は続ける。

「もちろん、劉弁様の身は私がお守りいたします。劉協様も。ほとぼりが冷めるまで、で良いのです。」

「こちらからもその話、お願いします。どうせ私は董卓殿がいなかったらここで朽ち果てていた身。ほとぼりが冷めるまで、そのようにした方が良いというのなら、そうしましょう。」

劉弁は言う。董卓が味方についてくれなかったら、生き残れないのを理解しているのだ。

劉協は戸惑った顔で言う。

「分かりました。ほとぼりが冷めるまでの間でしたら、私が引き受けましょう。」

董卓は笑みを浮かべる。

「ありがとうございます。この董卓、貴方様の盾となってみせましょう。」


これにより、新皇帝・献帝が誕生した。董卓の力は、日に日に拡大して行くことは目に見えている。

「さて、坊や。貴方はどう動くかしら…?」

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