合図
「王允!王允はいるか!」
李儒は焦っている。
「へんな噂が兵の間で流れているようだが…」
「恐らく、敵の作戦かと…」
「董卓が生きてる可能性はないだろうな!」
李儒の目論見では、董卓も勝利に殺されていた。
「あの異世界の人間め…しくじったか…?」
護衛の一人の肩がピクッと動く。
「まあ良い。諸将を集めろ!軍議を開く。」
(おい、勝利。良いのか?まだ)
(よく考えろ。李儒だけを倒しても意味がない。李儒の部下全員倒すぞ)
(しかし、それは危険じゃないか?)
(俺と呂布がいる。大丈夫だ)
(な…!)
夏侯惇が一瞬顔を真っ赤にして震えた。怒ったらしい。
(静かにしろ。もうすぐだ。)
諸将が集まるのを待った。
「皆に集まってもらったのは他でもない。各地に蔓延る反抗勢力の処分だ。どうやら連合は解散して各地に戻ったと聞く。孫堅のところには、李傕・郭汜軍を向かわせ、曹操軍は追撃の時に蹴散らしたが、他はどうするか。問題は、袁紹だ。流石に、規模がでかい」
「そしたら、袁紹のところにはアタシがいこうか?」
「張遼か。確かに、お前くらいでないと不可能だろうな。」
「よっしゃー。じゃ、一足先にお疲れ!会議すぐ終わって良かったー」
ででった。会議嫌いみたいだ。
(…運がいい。張遼は、強い。)
確かに強そうだった。
「他に、話のあるものはおるか?」
王允と勝利は目配せをする。
「李儒様!今日は、異国の珍しいものを持ってきました!運んできますので、少しお待ちください」
王允は部屋を出た。それが合図だった。