表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
54/55

第53話 俺の『ステイタス』その3!

 目を覚ますと、木製ではない、生きた木の天井が目に入った。

 既に外は明るいようだ。

 ベッドからいつものように転がり落ち、のっそのっそと外に向かう。

 見上げてみると、太陽はまだ低めだった。

 俺は安心して中に戻る。

 

 今日もいつもと同じように、リアリスと待ち合わせをしているのだ。

 時間は十二時、日が中天に上がる頃。

 場所は“棘の宮”の前。

 ここからまあまあ距離はあるけど、そこまで遠いわけでもない。


 ちなみに、リアリスがここに泊まったのはあの日だけだ。

 多分女王様辺りが止めてるんだろうね。ほんとうに助かってる。

 

 俺はテーブルの上に用意されている食事の元に向かい、蜷局を巻くようにして座った。

 そして日課をこなすため、『ステイタス』と心の中で唱える。


 すぐに、視界に半透明の文字列が浮かび上がった。



 ーーステイタスーー


 名前:ダル

 種族:ドラゴニックパラセクト

 状態:寄生(2/8)


 レベル:42

 体 力( ヒットポイント):958/958 (+211)(+21)

 精神力マインドポイント:1573/1573 (+445)(+34)

 持久力スタミナポイント:1016/1016 (+242)(+24)


 攻撃:256 (+57)(+5)

 防御:296 (+49)(+4)(+20)(+24)

 魔力:579 (+109)(+7)(+9)

 魔防:381 (+105)(+4)

 敏捷:189 (+51)(+7)(+9)(+4)



 〈先天的スキル〉


 【寄生虫 Lv5】

 ・寄生針 6/10 

 ・暗視  2/30 

 ・傀儡操作 20/30 

 ・虫の知らせ 


 【転生者】

 ・言語翻訳  

 ・ヘルプ(低) 

 ・自己ステイタス開示可 

 

 【*** Lv1】 

 ・**** 1/30 

 ・ベルフ式魔道表 [new]


 〈獲得スキル〉


 【気功法 Lv5】

 ・衝撃掌 30/30 

 ・体力回復速度上昇 Ⅰ 

 ・持久力回復速度上昇 Ⅰ 

  └─【気功術 Lv3】

   ・衝撃波 15/30 [2up]

   ・気功の真髄

   ・体力回復速度上昇 Ⅲ


 【呼吸法 Lv6】 [1up]

 ・咆吼 30/30 

 ・水中呼吸 1/10 

 ・精神統一 4/10 [2up]

  └─【下級竜法 Lv3】

   ・低級ブレス 14/30 

   ・竜人化 

   ・ドラゴンパワー


 【格闘法 Lv3】

 ・正拳突き 12/30 

 ・軽快 4/10 [2up] 


 【統率者 Lv4】 [1up]

 ・思念伝達 18/30 [2up]

 ・低従契約 1/10 


 【水魔法 Lv10】

 ・ウォーターボール 30/30

 ・ウォーターカッター 25/30

 ・ウォーターシールド 17/30

 ・ウォータープリズン 1/10


 【魔道 Lv4】

 ・魔素操作 16/20 [5up]

 ・魔力感知 5/20 [3up]

 ・並列構築 5/10


 【横暴 Lv3】 [1up]

 ・威嚇 11/20 [6up]

 ・命令 1/10


 【魔眼茸 Lv1】 

 ・恐怖眼 2/30


 【視覚強化 Lv3】

 ・視力強化 10/10

 ・視界拡張 5/20


 【呪法 Lv10】

 ・毒呪 20/20

 ・催眠呪 20/20

 ・麻痺呪 20/20

 ・解呪 10/10

  └─【呪術 Lv1】

   ・軟化の呪 1/30


 【呪仙者 Lv1】

 ・重複呪 1/10

 ・呪視


 【集中 Lv1】 [new]

 ・注目 1/10


 【焦熱魔法 Lv5】

 【並列思考 Lv1】


 【頑強 Lv10】 [new]

  └─【頑丈 Lv6】 [new]

 【強魔 Lv2】 [new]

 【俊敏 Lv2】 [new]


 【打撃耐性(小)  Lv7】 [5up]

 【痛覚耐性(小)  Lv8】 [5up]

 【熱耐性 (小) Lv10】 [5up]

  └─【熱耐性 (中) Lv1】 [new] 

 【恐怖耐性(小) Lv10】

  └─【恐怖耐性(中) Lv4】 [1up]

 【毒耐性 (小)  Lv1】

 【酸耐性 (小)  Lv2】



 いつもなら、『ベルフ式魔道表』の文字を見てにやけてしまうのだが、今日はそうはならなかった。

 俺の目は、ただ一つ【集中】の欄に釘付けになる。 


 や、や、やったぁ……!!!

 うっひゃひゃい! うっひゃひゃい! うっひゃっひゃひゃい!


 言い知れぬ興奮が身を包み、またつまらぬダンスを踊ってしまった。

 そう。この【集中】を獲得する為に、俺とハリオンさんは毎晩の特訓を積み重ねていたのだ。


 あの痛みも、あの痛みも、あの激痛も、無駄ではなかったんだなぁ……。

 あれ、おかしいな、目から涙が。  

 ……まあいい。とりあえず、詳細を覗いてみようかな。


 ーー注目ーー

 ・指定した物に注目する。

 ・熟練度が上がるほど効果上昇。


 ……え。

 いや、全く意味分からないんですけど。

 これ魔法の制御の役に立つのかな……。


 しかし幾ら考えても、この技能が俺の魔法の役に立つところが想像出来なかった。 


 うーん、もしかしたらってこともあるかもしれないし、とりあえず使ってみるか。

 使用先は、そうだな、野菜たっぷり(野菜しかない)の朝食にしようか。


 『注目』、発動。


〔熟練度上昇 『注目』 1/10→2/10〕


 心の中でそう唱えた瞬間、何かが起こった。

 何も変わっていないような視界にあるのは、確かな違和感。

 数十秒間首を捻って、ちょっと動いてみたりして、ようやく掴めた。


 いつもより、料理に使われている木の実や葉っぱが、細かい所まで見える。

 逆に、他のところがいつもより見えない。何というか、色彩が少しだけ薄れた感じになるのだ。


 ふーん、視界から外れるとどうなるんだろう。

 

 その場でくるりと回ってみる。


 あ、解除されちった。

 なるほど。『注目』ね。FPSとかにおけるロックオンみたいなもんかな。

 んー、ちょっと違うか。

 『注目』の使用先以外が、こう、背景みたくなるんだよね。


 試しにもう一度使ってみることにした。

 今度は動くもの、そうだな。


 ゆっくりと玄関まで這っていき、外階段に出る。

 俺に与えられている部屋は住木の三階。住木に巻き付くように設置されている外階段から、手すりに首から上だけを乗っけて、眼下を見下ろした。


 ここから見える森人族(エルフ)は……三人か。

 まあ、あの人達の朝は早いからね。殆ど皆が仕事中なんでしょ。朝のダラダラタイムを知らないなんて本当に可哀想な種族だよ。


 そんなことを考えながら、のんきに歩いているひとりのおじさんに狙いを定め、『注目』を発動した。

 

〔熟練度上昇 『注目』 2/10→3/10〕

〔SLv上昇 【集中】 Lv1→2〕

〔技能獲得 『絶対集中領域ゾーン』〕 


 お、技能が増えた。

 まあ、それは置いておくか。


 おじさんはゆっくりと歩いて行き、住木の枝の陰に入ってしまった。

 技能が、解除される。  

 

 ……ふむ。

 視界から出たら解除されるってわけではなくて、視認出来なくなったら解除されるってわけか。

 俺の視力にも影響されそう。


 目的を終えた俺はゆっくりと部屋の中に戻り、テーブルの前で蜷局を巻いた。


 ……で、俺の魔法の役に立ちそうなところあったか?

 他のことには色々役に立ちそうだけど、魔法の制御には関係なさそうだよね。

 

 はあ、検証の時間を返してくれ。

 てかハリオンさん嘘ついてたりすんのかな。

 いや、さすがにないか。あの人はそんなことしない……よね?


 自分で考えている内に不安になってきたので、思考を切り替える。

 

 よし、次だ次。

 今さっき手に入れた技能、あれを見てみよう。

 『注目』が役立ちそうにないってことは、この新しいのが役立つ……はずだ。多分。

 

 俺は恐る恐る、詳細を開いた。

 

 ーー絶対集中領域ゾーンーー

 ・ゾーンに入り、集中力が増し、各種能力値が上昇。

 ・ゾーンに入り、集中力が増し、行動が最適化されるようになる。

 ・使用中は精神力を消費する。


 おおおおおお! これだよ、これ!

 完全にこれじゃん! うおっしゃー! いやったー!

 

 思わず、口元が緩む。

 最近緩んでばっかりな気がするけど俺は大丈夫なんだろうか。


 いやー、やったね! 『注目』で下げられた分嬉しいね!

 ちょっとさ、『注目』についての説明が雑すぎない?

 もっとわかりやすくしろよ。

 仕事してくれよ、『ヘルプ(小)』さんよー。

 

 まあ、いい。全てを許そう。

 今の俺、いや俺様、いや我輩は寛大なのだ。


 ククククク。


 何せ、おれ……我輩はたった今、我輩だけの魔法を手に入れたのだからな。

 そう、気障ったらしい森人族(エルフ)のガキによると、これで我輩だけの魔法が自在に使えるようになったのだからな。

 震えて眠れ、勇者。


 クックックックック。


 クハハハハハハハハハハ。


 クウッハッハッハッハッハッハッハッハッハ。

  

「ギャアルギャルギャルギャルルルルルル」

「何、してるの?」

「ギャ、ギャリイ!?」


 冷や水を後ろから思いっきりぶっかけられて振り向くと、玄関にリアリスが立っていた。

 何事もなかったかのように口笛を吹こうとするものの、くそ、この体じゃ出来ないって事を忘れてた。

 リアリスが真剣な表情で聞いてくる。

 

「今、笑ってたよね?」

「ギャララア!」


 ブンブンと、首を横に振った。


「……笑ってた、よね?」

「ギャララア!」


 引きちぎれるかと思うほど、首を横に振った。


「いや、笑ってたよね? ぎゃあらぎゃらぎゃらーって」

「ギャララア!」


 拷問か!

 神の鉄槌か!


 この問答は、俺が首を縦に振るまで、何十回と続いたのだった――――


補足、威嚇が上がってるのはグルートさんがずっと使ってるからで、各種耐性は殴られまくったからです


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ