朝、星に耽る
僕は、眼下にある青を眺めて、その青さを感じていた。
これは僕の星だ。
この星に住んでいる人間は、とても面白い。生きることを目的としていながら、絶え間なく他の生命を消し去っている。その点滅が、この綺麗さを作っているのだろうか。
何のために生きるのか、とよく人間は問い掛ける。無論、僕から言わせてもらえば、意味などない、と答えるしかないわけだが。僕の一部だとも言える訳だしね。
少し無責任かもしれない。僕には、その問いに答える義務があるのだろうか。
そうだ、愛するために生きている、というのはどうだろう。
愛とは何だろうか。
人間は、まるで愛に飢えているかのようにそれを求める。時に、愛のために戦争すら起こしてしまう。愛のために自らの生命を消し去ることもある。
僕には分からない。分からないからこそ面白い。
退屈なんて忘れてしまった。
この青を見ていると、不思議と心が綺麗になっていく。僕にも心があるからね。
まさに神秘的、という言葉が相応しい。しかし、僕がその言葉を使うのはどこか不格好かもしれない。言い換えると、どうしようもなく悲しげだ。
どこかが夜ならば、どこかは朝である。
さあ、そこの冴えない顔をしている君に、一つ伝えたいことがある。その透明な窓に掛かっているカーテンを開けてごらん。今日も僕がおはようを言いに行くよ。
僕のささやかな愛を受け取っておくれ。