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恐怖確率未定  作者: 夢春
壱ノ部
9/19

第9話 カラカラカラ

 その日は朝から雨が降っていた。

 6時間目の授業中のことである。僕は急にお腹が痛くなり、先生の許可の下トイレへ行った。

 授業中のため廊下は静まり返っていた。トイレに入った僕は2つある個室の内、手前の個室へと入った。

 僕が個室に入ってしばらくすると、カラカラカラ。奥の個室からトイレットペーパーを回す音が聞こえてきた。カラカラカラ、カラカラカラ、カラカラカラ。音はまだ続いている。

 どんだけ紙を使うんだと思っていた僕は、あることを思い出す。先ほどトイレに入ったとき、奥の個室は開いていた。後から人が入った気配もなかった。

 すると、奥の個室には誰もいないはずだった。なのにトイレットペーパーは尚もカラカラカラと回っている。窓から風が入り込んでいるとも考えられるが、今日はそこまで強い風は吹いていない。

――じゃぁ一体、奥の個室には何がいるんだ!

 カラカラカラ、カラカラカラ。音はまだ聞こえる。背筋に悪寒が走る。

 そしてふいに、背後に視線を感じた。奥の個室の上からこちらを見下ろす、そんな視線を・・・。

 僕は用を足すのも忘れ、トイレから飛び出し、一目散に教室へと駆け込んだ。そんな僕を見てクラスは笑いに包まれたが、今はそんなことはどうでもよかった。


 それから僕は、二度と授業中にはトイレに行かなくなった。

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