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恐怖確率未定  作者: 夢春
壱ノ部
7/19

第7話 男の日記

【〇月××日】

 俺は今日、家族や親戚一同に見守られる中、めでたく明美と結婚した。

 今日から俺は夫、明美は妻となるのだ。

 これから二人、支えあって生きていく。


               *  *  *

【〇月××日】

 今日は妻と山へピクニックに出掛けた。

 頂上で妻が作った弁当を食べた。妻の作った弁当は最高にうまかった!


               *  *  *

【〇月××日】

 妻が妊娠していることを知った。

 俺は驚き、歓喜した。

 俺たちの子供!早く産まれてこい!!


               *  *  *

【〇月××日】

 子供が産まれた!

 元気な男の子だった。目元が俺にそっくりだと妻が言った。

 息子の名前は光輝に決めた。

 これから家族三人で幸せな家庭を築き上げていく。


               *  *  *

【〇月××日】

 仕事で疲れていた俺は光輝のめんどうを妻にまかせ、一日外泊した。

 静かな場所でゆっくり休みたかったのである。


               *  *  *

【〇月××日】

 妻に浮気をしていることがばれた。

 妻と喧嘩になった。

 そんな俺と妻を見て、光輝は大泣きしていた。


 妻と光輝が寝静まった後、俺は部屋の片付けをした。

 部屋の中はめちゃくちゃに散乱していた。


               *  *  *

【〇月××日】

 朝起きると、部屋には謎の異臭が漂っていた。

 妻と光輝はまだ寝ているようだ。


 夜、あまりの臭さに我慢ができなくなった俺は、外出することにした。


               *  *  *

【〇月××日】

 朝起きると、妻と光輝の姿がなかった。

 どうやら浮気をしている俺に愛想が尽き、家を出て行ってしまったらしい。

 しかし後悔はしていない。


               *  *  *

【〇月××日】

 夜、俺が仕事から帰り部屋へ入ると、そこに妻と光輝がいた。俺は心臓が止まるかと思うほど仰天した。


               *  *  *

【〇月××日】

 夜、再び異臭が漂い始めたため、俺はまた外出することにした。


               *  *  *

【〇月××日】

 朝起きると、また妻と光輝の姿がなかった。

 また家を出て行ったらしい。


               *  *  *

【〇月××日】

 今、日記を書いている俺の後ろには妻と光輝がいる。

 今日は三人でこれから出掛けることになった。


 恐らく俺はもうこの日記を書くことはないだろう。


               *  *  *

 日記はそこで終わっていた。

 その後、男の姿を見た者はいない。

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