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恐怖確率未定  作者: 夢春
壱ノ部
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第6話 黒い子

「ど、どうしようアカリちゃん。あ、あたし、見ちゃったの」

 ある日、アカリの家に来たユカが開口一番そう言った。ユカとアカリの家は隣同士のため、よくこうやって遊びに来るのだ。

「見たって何をよ」

 しかし、今日のユカは何かがおかしかった。先ほどからおどおどとしている。まるで何かに怯えているようだった。

「く、黒い子供を見ちゃったの」

 ユカが震える声で言った。

 黒い子供。それは今、子供たちの間でウワサになっている怪談である。黒い子供が現れた家では、近いうちにその家の誰かが亡くなるというのだ。

「く、黒い子供が家の前にいるのをあたし、見ちゃったのよ!!」

 ユカはぶるぶると震えている。どうやら彼女は自分の家の誰かが近いうちに死ぬのではないかと怯えているようだ。そう思ったアカリは、彼女の頭を優しく撫でてあげる。

「大丈夫だよユカ。きっと何かの見間違いだよ。黒い子供なんて只のウワサなんだから」

 その後、アカリはまだ何か言いたそうにしているユカに「大丈夫だよ」ともう一回言って、彼女を家に帰した。


 その数日後、アカリの父が亡くなった。

 その日の夕方、ユカがアカリの家にやって来た。そして、悲しみに暮れているアカリに彼女は言った。

「ごめんね、アカリちゃん。この前言えなかったけど、あたしが黒い子供を見たの、アカリちゃん家の前なの・・・」

 と。

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