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喜びと代償

・・・・・・・・まぶしい・・朝か?

目を閉じたまま手探りで時計を探す。

あるはずも無い。彼がいま寝ているは布団の上ではなく床の上なのだから。

光一は寝心地が悪いのに気づいて上半身を起きあがらせた。

すかさず壁にかけてある時計を確認した。11時15分・・・・・・・

どうやっても遅刻は確定である。2度寝をしようかとも考えたが

無断欠席はまずいので学校に行くことにした。ゆったりと起きあがり自分の

部屋へ行こうとすると足に何かがぶつかった。これは・・・・・・昨晩死神がくれた

本だった。

どうやら昨晩のことは夢ではなかったらしい。

とりあえずこの本を鞄にいれ学校に持っていくことにした。

光一は昨日のことが現実だと確信を持てて少し嬉しかった。

毎日毎日同じことばかり繰り返してなんの刺激もない高校生活から

おさらばできそうな気がしたのだ。三年間同じことの繰り返し。

義務教育を入れると12年。どうみても馬鹿げている。

そんな刺激の無い繰り返しはもう終わりだ。今日から世界が 

180度変わって見えているような気がした。

 

俺の通う桜崎高は徒歩で10分くらいのところにある。

昨日のことを整理していると10分がとても早く感じた。

最初に教室に向かったが教室には誰もいない。

それもそのはず光一のクラスは丁度体育の時間だった。

そう光一はこの時間を狙って学校に着くようにしていた。

早速昨日死神にもらった本を読み始める。

―――――――


能力者には体のどこかに印が存在する。

能力を使うときはこの印から発動される

印は能力により異なる。


この本の最初のページに表示されている数字はあなたのライフです。

一日に10減り0になるとあなたは死にます。

ライフの補給は人を殺した場合のみ補給されます。

能力は1回使うごとにライフが減ります。

減りぐあいは能力により異なり強力な能力を使おうとすればするほど消費量は減りま

す。

ライフは増えれば増えるほど能力者の能力は増します。


あなたの能力は想像です。想像することによって火、水、雷、土などを操れます。


―――――――

少ししか読んでないのに額から頬をつたり汗が流れた。

・・・なんだこの力は一日に10減るってことはあと10日?

そもそもいったいなんでこんな能力が。

罪人を裁く為のものか?

いやそれならこの能力はおかしい。

このやり方だと能力者が人を殺し続ける。

奴らの狙いは何だ?

死者を増やすこと?

なんせ死神と名乗るからには死が好きそうだな。

それに何か裏がありそうだ。

ガラガラガラー

いろいろ考えているとドアがいきなり開いた。

「はー疲れた――」

クラスの生徒が帰ってきた。

「あれお前今日休みじゃなかったっけ?」

光一は急いでノートを机に隠して言った。

「俺はそんな連絡してねっつの」

「あっそだっけ、でなにサボってんの?」

「アホっ。いまきたんだよ」

「そっかじゃとりあえず飯しようぜ。飯!」

「その前に職員室にいってくる」

「えー、んなめんどくさいことしなくていーじゃん」

「そっかじゃパン買ってくる」

「つれねー」

「うるせー寝起きで腹減ってんだよ」

と言い教室を出ようとすると目の前に170cmをゆうに越す壁があった。

「こんな時間に登校とはええご身分やないか光一ぃ?」

「えっあほらいま職員室に行こうと」

「いまパンがどうのこうの聞こえたんやけどなぁ」

「う・・・・」

「ほんでさっきまで寝よったんか、トレノート何ページがえんや?」

「5Pくらいにすましてくれると有難いんですが」

「ほな遅れてきた時間×5Pやな」

「うぅ・・・」

駄目だこの人と会話が続くとろくなことにならない。

この人はうちのクラスの担任で神崎先生。ちなみに女。

見てのとおり性格はきつめで関西の人らしい。

忘れてたけどさっき俺に話しかけてきた奴は幸介。

中学からの知り合いで人懐っこい性格をしている。

購買へ行くのはあきらめ少し睡眠をとることにした。

昼休みは残り30分仮眠には十分な時間だった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そして昼休みが終わり5時間目の授業へ。

光一は授業開始から10分くらいたつと教科書の間に死神からもらった本を挟み読み

始めた。

斜め後の席からその行動を見られているとも知らずに。

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