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あえて言うなら不良教師かな

凄い音で風紀委員会執行室の扉が開いた。風紀委員達は驚いて扉の方に視線を向けるが俺は何が起こったか分かっているので、ソファーに寝そべったまま読書をし続ける。

すると扉を開けた人物ーーー転校生の桃宮愛華(ももみや あいか)が鼻息荒くソファーの前まで喚きながらやって来た。


「なんで社会科教師で風紀委員会顧問の不良教師なのよ!赤宮蓮弥(あかみや れんや)は保健医で保健委員会顧問の天然教師でしょ!!ゲームと全然違うじゃない!私は天然教師ルートを狙ってたのに!!なんでなのよ!」


マシンガンのような喚き声は終わることなく続く。風紀委員達は呆気に取られて止めることもできない。


俺はというと、にやける口元を本で隠しながら顔を真っ赤にしながら喚く愛華を眺めていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



最近巷では、死んでゲームの世界へ転生するのが流行っているらしい。前世(・・)で唯一の友人が言っていたのだから事実なんだろう。



前世の俺は幼い頃からベッドの上から一切起きられない病人だった。

自慢出来ることと言えば頭がとてつもなく良いこと。そのおかげで大人になったとき株やら何やらで金を稼いで生活することが出来た。でも、ベッドの上は暇で暇でしょうがなかった。


それを救ってくれたのが友人なのだが…



彼はオタクだった。



コレが面白い、アレが面白いと様々なゲームを貸してくれた。彼はゲーム製作の仕事をしていたこともあり、まだ発売していないゲームを俺にやらして感想を求めてくることもあった。


どうでもいいことだが、彼との出会いはゲーム製作の疲労で入院までした彼が自分の病室と俺の病室を間違ってしまったことによる。

車椅子を押してもらって散歩から帰ってきたら、知らない人が自分のベッドですやすや寝ていて本当にびっくりした。

6人部屋と個室は間違えない気がするんだけどな…



まあ、そんな彼が勧めるゲームを暇だからと片っ端からやっていた俺だからこそ分かる。



俺が今いる世界は乙女ゲームの世界だと。





ーーーーー「あなたが好きなのは何色?」


王道を素でいったらしい乙女ゲームだ。


母子家庭で育った高校2年生の少女が、母親の再婚により叔父が経営するお金持ちの全寮制学園に転校してその学園で生徒や先生と恋愛をするゲームだ。


正直、男の俺としては納得でない部分が多々あるというか、ツッコミを入れるしかないようなゲームだった。


攻略キャラクターに統一性を持たせるために名字に色を入れるのは良いだろう。だが、もっと良いタイトルは無かったのか?センス悪過ぎだろ。買うヤツいるのか?


…いたからファンディスク発売したんだろうけどよ。


タイトルは「あなたが好きなのは何色?〜あなたと作る次の色☆〜」だったな。おかしいだろ何処まで行く気だよ。普通の乙女ゲームだろ、オイ。R18じゃねぇぞ。せめて高校を卒業してからにしろ教師共ォ!!!!



そんな世界に俺は転生した。



ーーー 天然保健医、赤宮蓮弥として。







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