表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハルカミライ  作者: 神崎 真
8/8

用語集 および テクノロジーの解説

(*1)SNN

Spiking Neural Network (スパイキング・ニューラル・ネットワーク)。ニューロモルフィック・コンピュータの基本技術。脳の神経細胞 (ニューロン)の発火パターンを模倣して情報処理を行う。


(*2)HLSS

正式名称:Human Life Support System X1。日本のF技研で開発された実験的特殊学習型AI。遥の両親が研究に関わっており、遥は幼少期からHLSSと共に過ごしている。


(*3)Ph.D

Doctor of Philosophy の略。博士号の敬称、あるいは博士号そのものを指す。


(*4)ラストオーサー

Last Author。論文の最後に名前が記載される責任著者(通常は研究室の責任者)。


(*5)IJNS誌

International Journal in the Natural Sciences。本作中に登場する架空の国際的自然科学系学術誌。現実世界の権威あるN誌をモデルにしている。

(*6)IAIC

International Artificial Intelligence Consortium(国際人工知能コンソーシアム)。旧SC42(ISO)とGPAIが統合する形で2029年に設立。スイス・ジュネーブに拠点を持つAI審査機関。AIの標準化、信頼性、倫理的安全性を客観的に評価する。EU、日本をはじめ各国政府、国連、独立研究機関や大学が協力して運営。


(*7)ブループリント

青写真。設計図や計画書の意味。本作では通信プロトコルやシステム設計の詳細仕様書を指す。


(*8)AGI

Artificial General Intelligence(汎用人工知能)。特定分野に限らず人間と同等以上の汎用的知能を持つAI。現在のLLMは汎用型ではないが、その方向に拡張されている。


(*9)スパイククラスターマップ、スパイクヒートマップ、アクティベーション経路グラフ、動的アトラクタ軌道、スパイク相関マトリクス、など。

いずれもSNNの動作状況を比較検討するための資料。詳細は専門書を参照。


(*10)シンギュラリティ

技術的特異点。特にAIが自己改善を加速させ、人間の理解を超える知能に達する時点を指す。プレ・シンギュラリティは、その直前段階でAIが人間の知能に近づきつつある状態。


(*11)eVTOL

electric Vertical Take-Off and Landing aircraft(電動垂直離着陸機)。複数ローターを備えた短距離移動用機体。本作では水素タービンの小型発電機を搭載し、航続距離を延長。都市間や地域間の短距離航空路線に使用される。


(*12)リニアカタパルト

リニアレールを用いた射出装置。最大10G程度まで加速可能。無人輸送機は最大加速、宇宙連絡艇は最大5G、長距離路線の旅客機は2G程度で運用。本作では民間機にも導入されている。


(*13)F技研 (えふぎけん)

日本の研究開発企業。コンピュータの総合企業の一つでAI/ニューロモルフィック分野の中核。HLSSを開発し、物語の主要舞台。


(*14)トリークルタルト

英国の伝統菓子。糖蜜ベースのタルト。遥の好物で、祖父母の家の象徴的フード。


(*15)ランナウェイ・スパイク

スパイキング・ニューラルネットワーク(SNN)において、特定の条件下で発火パターンが自己増幅的に連鎖し、外部入力や通常の抑制機構によっても収束せず、異常な活動状態が持続する現象。

生物神経系でのてんかん発作や神経暴走に類似した挙動であり、計算資源の枯渇や誤学習、システム暴走の原因となる。




【現在のAIに関する用語】

ANN Artificial Neural Network(人工神経回路網)。計算により神経細胞の働きを模した構造。

DNN Deep Neural Network(深層学習型人工神経回路網)。多層構造を持ち、高度なパターン認識が可能。

LLM Large Language Model(大規模言語モデル)。Transformerアーキテクチャに基づく超巨大DNN。



【この時代のAIの状況】

・SNN技術は実用化され、ニューロモルフィック・コンピュータとしてチップ化。高速反応を求められるセンサー処理などに利用。

・量子コンピュータも広く利用され、大規模な自然科学モデルの解析やSNNのシミュレーションに用いられる。

・LLM(ANN)はAGIに近づいたモデルが一般化。一方で専門性特化型AIもNAI(Narrow AI)として稼働し、AGIをフロントエンドに持つ形で運用されている。


【この時代のスマートフォン】

・個人用多機能デバイスとして存在。細身のリストバンド型、ブレスレット型、時計型など多様。

・最小限の表示部か、表示部なしモデルも多い。

・超小型プロジェクターとカメラ、空間キーボードが一般的。網膜投射型プロジェクター搭載の超小型ヘッドセットも普及。


【オープンローター】

本作時代(2040年代)の主力輸送機。現代のターボプロップ機に似るが、ジェットエンジンの高バイパスファンを露出させた設計。

環境負荷低減と燃費改善を両立する進化型ジェットエンジン。



【超音速旅客機スカイトレイダー3】

・リニアカタパルトの民間利用を前提に開発。3モード可変複合推進(ターボジェット/ラムジェット/ロケット)を持つ。

・後退可変翼+薄膜翼で低速時の安定性を確保。客室は1クラス制で、緊急時にカプセル化される座席を備える。

・羽田・アムステルダム・ダラスのハブ間を3時間以内で結ぶ。


【この時代の研究拠点】

・地方分散は進まず、海浜地域の施設は老朽化や気候変動リスクで移転。

・長野県小諸市や佐久市などで学術研究都市構想が実施され、eVTOLと新幹線リニアで主要都市と接続。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ