⑦断罪の時間
「ファルケン! 一旦アイレンの元に合流するわよ!」
「うん、分かったよ」
シドリーやアモン達の距離を開け、リーザとファルケンが崩れた城壁に集まった。
「アモン、バルバトス! それとイリーナもだ。こちらも一旦合流するぞ!」
シドリーの声が響き渡る。
「………しかし、旗色は良くねぇな」
合流したアモンが腰に手を当てて言葉を吐く。
「力も防御も常識外だぜ。それ以上に………その力を使う事に戸惑いがねぇ」
「カトオモエバ、コドモノヨウニ、アソンデイルヨウニモ、ミエル」
バルバトスが体の中からタネガシマの一部を出し、残弾を確認しながら次の弾を込める。
「同感だ。奴らには殺し合いと遊びの区別がついていないのさ」
シドリーが大きく息を吐く。
「だが、ここで奴らを倒さなければならない。魔王軍の為にも、そして妹の為にもだ」
アモンとバルバトスが決意を新たに首を縦に振る。
シドリーはイリーナの名前を呼んだ。
「聖教騎士団………だったか。奴らの能力は異常なまでの力と防御力、それ以外に何か持っているか?」
少女がシドリーを見上げながらゆっくりと頷く。
「はい、あります………腰に掛けている剣。『断罪の蒼剣』です」
「そういえば、あいつらは剣を持っている割には、抜いてこねぇな」
アモンが自分の顎髭を撫でる。
イリーナは『断罪の蒼剣』が、聖教騎士団に与えられる最強の武器だと説明する。その剣には三種類の力が封じられており、その力はどれもが一撃必殺。あらゆる存在をその者の罪と共に消滅させる力を持つ。
「剣を使う時は力を解放する時だけ。そして剣の力は一本につき三回までです」
「つまり、あいつらは全部で九回の力を解放出来るという訳か」
一回の威力が想像出来ないものの、あれだけの力を持った人間が簡単に使わない所を見る限り、77柱の幹部級と言えど無事では済まない。その程度の威力はあるとシドリーが予測する。
「こっちはお嬢ちゃんの三回のみ、か」
アモンが肩を鳴らす。
「アト、ロッカイヲ、ドウ、タイオウスルカ」
バルバトスが態勢を整えた三人の少年少女を見つめる。
既に三人は剣を抜き、刀身からは放電現象が起きていた。
「………あれは『第二の裁き』? 既にあの人達は力を一度解放しています!」
断罪の蒼剣における『第二の裁き』。それは刀身に高魔力の雷撃を纏わせた魔法剣だとイリーナが話す。
「さぁ、断罪の時間だ。もうこれ以上君達と遊ぶのは疲れちゃったし、僕達には蛮族を滅ぼすという使命がある。悪いけど、そろそろ終わりにしよう」
アイレンが青紫色に輝く剣先をシドリー達に向けた。




