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lost19 虚構の歴史、真実の物語  作者: JHST
第六章 命を懸けて
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⑦断罪の時間

「ファルケン! 一旦アイレンの元に合流するわよ!」

「うん、分かったよ」

 シドリーやアモン達の距離を開け、リーザとファルケンが崩れた城壁に集まった。


「アモン、バルバトス! それとイリーナもだ。こちらも一旦合流するぞ!」

 シドリーの声が響き渡る。

「………しかし、旗色は良くねぇな」

 合流したアモンが腰に手を当てて言葉を吐く。

「力も防御も常識外だぜ。それ以上に………その力を使う事に戸惑いがねぇ」

「カトオモエバ、コドモノヨウニ、アソンデイルヨウニモ、ミエル」

 バルバトスが体の中からタネガシマの一部を出し、残弾を確認しながら次の弾を込める。

「同感だ。奴らには殺し合いと遊びの区別がついていないのさ」

 シドリーが大きく息を吐く。

「だが、ここで奴らを倒さなければならない。魔王軍の為にも、そして妹の為にもだ」

 アモンとバルバトスが決意を新たに首を縦に振る。


 シドリーはイリーナの名前を呼んだ。

「聖教騎士団………だったか。奴らの能力は異常なまでの力と防御力、それ以外に何か持っているか?」

 少女がシドリーを見上げながらゆっくりと頷く。

「はい、あります………腰に掛けている剣。『断罪の蒼剣』です」

「そういえば、あいつらは剣を持っている割には、抜いてこねぇな」

 アモンが自分の顎髭を撫でる。

 イリーナは『断罪の蒼剣』が、聖教騎士団に与えられる最強の武器だと説明する。その剣には三種類の力が封じられており、その力はどれもが一撃必殺。あらゆる存在をその者の罪と共に消滅させる力を持つ。

「剣を使う時は力を解放する時だけ。そして剣の力は一本につき三回までです」

「つまり、あいつらは全部で九回の力を解放出来るという訳か」

 一回の威力が想像出来ないものの、あれだけの力を持った人間が簡単に使わない所を見る限り、77柱の幹部級と言えど無事では済まない。その程度の威力はあるとシドリーが予測する。


「こっちはお嬢ちゃんの三回のみ、か」

 アモンが肩を鳴らす。

「アト、ロッカイヲ、ドウ、タイオウスルカ」

 バルバトスが態勢を整えた三人の少年少女を見つめる。

 既に三人は剣を抜き、刀身からは放電現象が起きていた。

「………あれは『第二の裁き』? 既にあの人達は力を一度解放しています!」

 断罪の蒼剣における『第二の裁き』。それは刀身に高魔力の雷撃を纏わせた魔法剣だとイリーナが話す。


「さぁ、断罪の時間だ。もうこれ以上君達と遊ぶのは疲れちゃったし、僕達には蛮族を滅ぼすという使命がある。悪いけど、そろそろ終わりにしよう」

 アイレンが青紫色に輝く剣先をシドリー達に向けた。

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