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lost19 虚構の歴史、真実の物語  作者: JHST
第三章 それぞれが描く未来
32/123

②朝議

――――――――――


「今更、大抵の事には驚かないとは思ってはいたんだがな」

 口に水を含み、口の中の苦みを無理矢理流そうとするタイサは、長机の上に広げられた地図を見下ろしていた。

「本当に合ってるのか? これ」

 デルはバイオレットに水袋を返して、タイサと共に地図の上に乗っている白石の集まりと、その数倍はあろう大量の黒石の配置を見下ろす。


「信じるか信じないかは、お前達次第だ」

 会議死に呼ばれた大魔王が壁に体を預け、腕を組んだまま静かに佇んでいる。


「信じましょう。情報を疑い過ぎていては何も出来ません」

 デルの横に立つアイナ王女が大魔王を横目に、そして全員の表情を確認する。


 何も反論はない。

 タイサはエコーに視線を向け、それに気付いた彼女が代わりに説明を始めた。

「それでは、貴族派の王国騎士団と新生派の魔王軍の動きについて今一度確認します」

 長机に置かれた地図の上には、シモノフの大関所跡を示す積み木の横列、そしてブレイダスの街を示す大きな丸い円が描かれ、そのどちらにも大量の黒石が置かれている。

「まず貴族派は、部隊を編成し終えた様で、現在はシモノフの大関所跡を補給地として戦力を集めています。大魔王………()()が感じた魔力量から計算すると、その数は約八千人との事です」

「………随分と集めたものだ。残った王国騎士団の数だけじゃぁ説明できないぞ?」

 魔王軍との戦闘で生き残った騎士、補給や王都周辺に残っていた騎士をかき集めても、五千人が良い所だとタイサが腕を組む。

「恐らく傭兵、各街の警備団もかき集めているのだろう。西部方面の街から根こそぎ集めればそれくらいにはなる」「志願兵もいると思います」

 デルの言葉に続き、バイオレットがシモノフに集まった黒石を指さした。


 大魔王は配下であるハーピィのケリケラを空高く飛ばし、そこから周辺の魔力の源たるクレーテルを観測して戦力を測ったという。実際に見てきた訳ではないため、陣形や物資等の正確な数までは分からないが、敵の位置と大よその数の情報だけでも、今は貴重であった。


「次に新生派の魔王軍ですが」

 エコーが長机の横に立てかけてあった指揮棒を握り、ブレイダスを示す円の中にある黒石の塊を2つに分けた。

「既に魔王軍はブレイダスの街を占拠。街に一部の戦力を残し、残りはシモノフの大関所跡に向けて進軍中だそうです」

 その数約一万二千。うちシモノフに向かっているのは一万程度と大魔王は推測した。

「魔物の魔力量は、人間よりも遥かに大きい。77柱がどの程度分散しているかによって、兵数は大きく変化するだろう」

 シドリーがシモノフに向かう黒石の集まりに指を向ける。


「八千対一万ですか………関所跡を壁にして防衛に徹すれば、貴族派の騎士団が長期に渡って有利となるでしょうが」

「いや、あいつは攻めに出るだろうよ」

 フェルラントが年で固くなった顎を擦りながら一般的な答えを示すものの、デルがそれを否定する。

「イーチャウならば、蛮族相手に待つ事はしない」

「そうだろうな」

 デルの言葉にタイサも肯定し、シモノフに集まった黒石をブレイダス方面へと動かした。

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