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lost19 虚構の歴史、真実の物語  作者: JHST
第二章 過去から未来へ
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⑦森の中で

「デル! どこに行く!? お前の相手はこのオセ様だ!」

 見向きもせずに森の中へ入ろうとするデルに、オセが声を荒げる。


「そこの猫おばさん!」

「誰がおばさんだぁぁぁぁ! ごらぁ!」

 即座にオセが声のする方向へと体を向けた。すると、青い鎧を纏った少女の剣が血走ったオセの瞳に映る。

 オセは鎖のついた白銀の斧で、イリーナの細い剣を正面から受け止める。


「な、何ぃ!?」

 オセの腕が細腕のイリーナの剣に押し負け、肘が震えながら次第に曲がり始めた。

「この猫おばさん、結構力が強いよ………」

 イリーナが両手で剣を握って押し込むが、オセが片手で持っていた白銀の斧を両手に切り替えて押し返し始めた事で、ようやく力が拮抗する。

「だ、誰がおばさんだぁぁぁ! このチビガキがぁぁぁぁ!」

「ぐぎぎぎぎぎ! お、おばさんのクセに!」

 互いに歯をむき出しになり、体ごと剣を押し合った。


 そこに片手剣を持ったゴブリンが無防備なイリーナに切りかかる。

「させません!」

 銀色の髪がなびく。

 アイナ王女はイリーナの横で壁となって立ちはだかり、ゴブリンの剣に自分の剣を重ねていなすと、そのまま相手の力を利用してゴブリンを縦に一回転、相手が地面に落下する前に剣を切り返して背骨を断つ。

「殿下!」

 ジャックが他のゴブリンの首を切り落とすと、そのままアイナ王女に合流する。


―――――――――


「いたぞ! あいつだ!」

 森の中に入ったデルが木々を避けながら全速力で進み、やや開けた場所で立っている獅子に指を向けた。

「デル騎士総長! 周囲にゴブリンとオーク達を確認!」

 回復魔法を操る獅子の周囲で警戒していたゴブリンとオーク達もまた、デルやバイオレットの存在に気付いて、騒ぎ始める。


「私が取り巻きを!」

「何っ!? だが、お前だけじゃ!」

 デルの言葉を待たずに、バイオレットが先行した。

「問題ありません。私には、彼女の力がありますから」

 開けた場所に一番乗りで抜けたバイオレットは、膝をついて待っていたゴブリン達のタネガシマに狙われる。

 高い音と白煙、何かが焼ける臭いが森に生まれた。

「エクセル、お願いします」

「イエス。重力制御を開始します」

 バイオレットの白銀の鎧が僅かに光を帯びる。彼女は騎士の盾で顔を隠すように走り続け、タネガシマの鉄球を受け止める姿勢を維持する。

 だが鉄球は急速に落下。彼女の盾に触れる事なく、苔で覆われた緑色の地面に次々と沈んでいった。

 そして動揺して次の弾込めに手間取っていたゴブリンの首を、彼女が次々と撥ねていく。


「デル騎士総長!」

「ああ、分かった!」

 バイオレットの力を認識したデルは、中央で喉を震わせている獅子に目標を定めた。

「こいつさえ倒せば!」

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