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lost19 虚構の歴史、真実の物語  作者: JHST
第二章 過去から未来へ
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⑥僅かな時間、限られた隙間

「回復魔法の高位結界。どうやら森の中に術者が潜んでいた様ね」

 フォースィが面倒くさいと眉をひそめた顔になる。


 魔物達は初めから数の不利を理解していた。そして数が減り始めるや後退を行い、回復魔法の結界で傷を順に癒す。体の頑丈な魔物達は次々と傷が完治し、倒れていた魔物達もその半数以上が戦線に復帰していく。


「どうりで動揺しない訳だ。元より織り込み済みって事か」

 対してデル達に、急速に、かつ一度に大勢を回復させる手段はフォースィの魔法しかない。


「でも、お師匠様の魔法の回数には限界があります」  

 珍しくイリーナが正論を吐く。

「それじゃぁ、どうするのさ。このままじゃ、次の衝突で立場が逆転してしまうよ」

 ジャックが頬に汗を一筋流しながら肩をすくめた。


「デル騎士総長。意見具申を許可願います」

 剣と盾を構えたまま、バイオレットがデルに視線を送る。

 デルが頷く。

「部隊を二つに分け、森の術者を狙いましょう。このままではジャック三等騎士の言うように、時間が経つにつれ、こちらが不利になります」

 バイオレットの提案には聞くものがあった。敵が一方的に回復を続ける以上、いつかは立場が逆転し不利になる。そうなってから、部隊を分けようとしても実行は不可能になる。かといって、フォースィに回復魔法を依頼すれば、やはり彼女の魔力を無駄に消費する事に繋がり、仮に勝利したとしても今後の戦いに少なからず影響が出る。


「止むを得ない………か」

 魔物達は既に陣形を立て直し、オセの言葉を待っていた。


「デル騎士総長。森の中へは貴方とバイオレット、それとイリーナの三人で向かいなさい」

「しかし! それでは残った戦力があまりにもっ」

 少なすぎる。シエンも一流の騎士に入る実力者だが、それでも魔物の大群を抑える事は難しい。さらに言えば、王女を守る盾の主軸が殆どいなくなる。


「私も多少なりとも戦えます。ここは短時間で目的を達成させる為にも、少数精鋭で森に向かうべきです」

 王女の言葉に力が籠る。

「………分かりました」

 最高責任者の言葉を受け止め、デルは周囲を一瞥する。


「イリーナ、あなたはあのメイド服の魔物の注意を引きつけなさい」

「あいあいさ!」

 そうすればデルがバイオレットと共に森の術者の対処に集中出来る。フォースィはイリーナに短い時間で、彼女に分かるレベルでいくつか指示を出した。


「敵の第二波が接近中!」

 シエンが全員に聞こえる声を上げる。

「よし、行くぞ!」

「「了解!!」」

 デルはイリーナとバイオレットを連れて魔物の群れに飛び込んだ。

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