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私だけの魔法

2話目です!

 あれだけ大絶叫したのだから、家中の人達が集結するのでは?と少し冷静になった後に気付いたけれど、どうやら彼がご近所迷惑にならないように咄嗟に防音の魔法をかけてくれたらしい。しごでき。


「改めまして、私はユーリ=トライゼン。今日10歳になったの。あなたのお名前は?」

「私の名前はございません。鳥でも何でもお好きなようにお呼びください」

「そう。じゃあ、あなたの名前は後で決めるとして……この魔法についてあなたは何か知っている?」

「はい。その魔法は主に従順な駒を生み出し、使役する力だと思われます。私も意識を持ったのは、昨日主様に折られた後の事。基本的な力は相違ないと思いますが、詳しいお力までは存じ上げません」

「でも防音魔法とかさっき使ってたよね?」

「私にも良く分からないのですが、主様が以前学習された魔法であれば使用できるようなのです。あの時はそうしなくてはいけない、という気持ちになりまして……」


 うーん。この彼も分からないのであれば私も分からないな。

 本を読む事しか娯楽が無かったから知識は同年代よりも豊富にあるつもりだけれど、こんな魔法なんて聞いた事がない。私はこの魔法で生み出す彼のような存在を【式神】と名付けた。遠い東の国に召喚獣をそういう名前で呼ぶと見た事があったから拝借。


「この魔法の事は後でお父様達に聞いてみるよ。私とあなただけじゃ分からないからね。あ、そういえばあなたのお名前だけれど初めての私の式神だからシキって名前はどうかな?」

「シキ……!そのような素敵なお名前をありがとうございます。大切に致します」

「私の事は主様って呼ばれるのは慣れないからユーリでいいよ。シキは今日から私の家族だよ。仲良くしようね!いっぱい力貸してもらうかもしれないけれど……」

「いいえ、ユーリ様。私はあなた様の式神。あなた様の幸せの為なら喜んで力をお貸し致します。こちらこそ、末永くお傍においてくださいませ」


 そう言うとシキは私の左手を取り、その場に跪く。


「お誕生日おめでとうございます。これからは様々な世界を一緒に見て回り、経験し、楽しむお手伝いをさせて頂ける事、このシキ、とても楽しみにしております」

「うん、ありがとう。後でお父様とお母様に報告したら、シキの能力も調べてみようね」


 ギュッと握り返せば優しい微笑みと共に握り返される左手。

 シキも望んでくれているようだし、色々と甘えさせてもらおう。


 その後、私を起こしに来たメイドが部屋の中にいるシキに叫び声を上げ、侵入者だと公爵家に仕える騎士と武装したお父様がやってきてしまい、私の式神だと説明するのにとても苦労した。

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