第八話~開花~
「お前って結構勉強家なんだな、正直びっくりだぜ」
「お~聞き捨てならないな。まぁ、ちゃんとやらないとさすがにやばいからな」
本当の事だ。とはいってもフォースの事だし、こればっかりは好き嫌いを言っている場合じゃない。それに、高校とか中学校とかの勉強とは違う。数学や国語などよりもどっちかと言うと体育に近くて、オレはロニーと一対一でフォースの使い方を教わっている。場所は四角形の広間で中々広い、ちょうど食堂と同じくらいだとロニーは言っていた。
ここ最近はいつも広間の奥の端の方で練習をしている。ロニーはだいたい、寝そべってオレにアドバイスをする。
「何回言ったら分かるんだよ、はぁ」
「うるせぇな、それとため息はやめろっての」
コツは教わった。何回か空間箱は出現させたが、それっきりでまだまだつかめないでいた。
「大事なのは気持ちの持ちようだぜ?死ぬ思い出もすりゃあ出来るようになんのにな」
「あんな思いはごめんだね」
「あ、そう?じゃあ自力でがんばれよ」
「頼むから、もう一回あれやってくれよ」
オレは頭を下げ、後頭部の上で手を合わせた。
ったく、と良いながらもロニーは立ち上がった。
「目を閉じろ」
「オーケー」
「そしたら自分の大切な物とか人とかを思い浮かべろ」
「・・・」
意外なことに浮かんできたのはロニーだった。ちょっと笑いそうになった。
「もしそいつ、それがこの世からなくなるとしたら?」
「やだね」
「じゃあ守ろうとしろよ」
「・・・」
「よし、今の思いのままやってみろ」
「オーケー」
オレは慎重に手のひらを上に向けた。これをやると妙に緊張する。オレは思いを手のひらへ集中させた。
「・・・」
「どうだ?」
オレは目をつむったまま、ロニーに聞いた。
「明日も頑張んなきゃなあ」
「マジか・・・ん?」
オレが目を開けて、手のひらをみると親指の爪ぐらいの小さな四角形の物体があった。
「そんなんじゃ、進歩とは言わないぜ」
「・・・分かってらぁ」
そういいながらも、オレは手のひらにある自分のフォースを見つめた。
「なにそれ?」
誰かが左側からオレの手のひらをのぞき込んできた。青い髪の毛だった。オレは驚いて後ずさってしまった。
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