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Small Soul  作者: APORO
8/9

第八話~開花~

「お前って結構勉強家なんだな、正直びっくりだぜ」

「お~聞き捨てならないな。まぁ、ちゃんとやらないとさすがにやばいからな」

 本当の事だ。とはいってもフォースの事だし、こればっかりは好き嫌いを言っている場合じゃない。それに、高校とか中学校とかの勉強とは違う。数学や国語などよりもどっちかと言うと体育に近くて、オレはロニーと一対一でフォースの使い方を教わっている。場所は四角形の広間で中々広い、ちょうど食堂と同じくらいだとロニーは言っていた。

 ここ最近はいつも広間の奥の端の方で練習をしている。ロニーはだいたい、寝そべってオレにアドバイスをする。

「何回言ったら分かるんだよ、はぁ」

「うるせぇな、それとため息はやめろっての」

 コツは教わった。何回か空間箱トリック・ボックスは出現させたが、それっきりでまだまだつかめないでいた。

「大事なのは気持ちの持ちようだぜ?死ぬ思い出もすりゃあ出来るようになんのにな」

「あんな思いはごめんだね」

「あ、そう?じゃあ自力でがんばれよ」

「頼むから、もう一回あれやってくれよ」

 オレは頭を下げ、後頭部の上で手を合わせた。

 ったく、と良いながらもロニーは立ち上がった。

「目を閉じろ」

「オーケー」

「そしたら自分の大切な物とか人とかを思い浮かべろ」

「・・・」

 意外なことに浮かんできたのはロニーだった。ちょっと笑いそうになった。

「もしそいつ、それがこの世からなくなるとしたら?」

「やだね」

「じゃあ守ろうとしろよ」

「・・・」

「よし、今の思いのままやってみろ」

「オーケー」

 オレは慎重に手のひらを上に向けた。これをやると妙に緊張する。オレは思いを手のひらへ集中させた。

「・・・」

「どうだ?」

 オレは目をつむったまま、ロニーに聞いた。

「明日も頑張んなきゃなあ」

「マジか・・・ん?」

 オレが目を開けて、手のひらをみると親指の爪ぐらいの小さな四角形の物体があった。

「そんなんじゃ、進歩とは言わないぜ」

「・・・分かってらぁ」

 そういいながらも、オレは手のひらにある自分のフォースを見つめた。

「なにそれ?」

 誰かが左側からオレの手のひらをのぞき込んできた。青い髪の毛だった。オレは驚いて後ずさってしまった。


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