表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
61/62

▽最終話 異世界におはようございます

――輝いている

――――粒が……イズレット粒子が輝いている


「辿り着いたよ、スーパールーキー!」


――――――死んだはずのみんながそこにいる


「ウチらは元気だから心配しないで行っといで!」

「そうそう! ミッケもミックも元気でいるから!」


――――――笑顔でいてくれる


「だからアルク、テメェはさっさと起きろ」


――――それだけでいい


「待っている奴らがいるんだから」


――私はもう


「はぁ……お姫様には目覚ましのキスが必要かぁ? へっ、まぁいいや。たっぷりやってあげますわよ♡」


――これで終わりえぇえぇぇぇぇ!?


 ※


「ん……っ」


 私は目を覚ました。

 すごく濃厚な夢? もしくは走馬灯か、現実だった。

 おかげさまで大事なところが濡れている。


「あ……」


 視界に薄暗い部屋の天井が見える。こういう時、あれ言うよね。


「知らない天井だ」


 いや、知っている天井だけどね。

 ここは支援艦の医務室。ピラテに案内してもらった時に、こういう医務室に入った記憶がある。


「生き残ったんだ、私」


 応急処置だとか意識失う前に聞こえてきたから、生き残ったんだろうか。もしくは医務室の光景を見ているだけの死人か。


「まっ、外に出てみっか」


 この光景がこの世か、あの世か、答えは外にある。

 私はベッドから出る。

 しっかり立てる。浮遊霊ではなく、ちゃんと足で歩くことが出来る。

 行き先は外。歩いて、医務室の外へと出た。


「あれぇ? 誰もいない」


 右を見ても、左を見ても、誰もいない。

 気配もない。話し声もない。

 医務室どころか、通路さえも薄暗い。


「あれ、光?」


 だけど窓から光が差し込んでいる。

 私は誘われるように窓に近付いて、外を見た。


「これ……」


 窓の外には知らない景色が広がっている。

 異世界の三文字に相応しい景色。

 木々、草原、遠くに見える山、太陽が照らす緑の大地。

 支援艦以外の人工物が見当たらないファンタジーな世界が見える。


「私たち、本当に辿り着いたんだね、ヨワナシ」


 ちゃんと異世界に来たんだ。後は転移か、転生か、みんながいるか、確かめるのみ!

 私は駆け出す。通路を通り、階段を降り、支援艦の外へと。


「みんなー!」


 そして開かれた支援艦の扉の外、話し声がする方へ飛び出る。

 みんなは――


「あ、英雄が起きた!」

「スーパールーキーが起きたーッ!」


 たくさんいる!

 陸軍と海軍を合わせた人数の子たちがごはんを食べていた。


「アルク!」


 聞き覚えしかないシエルの呼び声。

 見れば、みんなはちゃんといた。

 いつものドスケベ服のアン、若干痩せたバツザン、吹き飛んだはずの左腕が復活しているガイセイと妊婦のキョウコ。

 妊婦!?


「キョウコってば妊娠してる!?」

「ガイセイとだって」

「そりゃそうだよねぇ」


 シエルがキョウコのお相手を告げる。だろうね、という感じの結果だった。

 それはそうとガイセイとキョウコが幸せそうに一緒で、お似合いのご夫婦で良かった。


「ねぇ、アルク」

「おん?」

「アタシもそろそろ子どもが欲しいかな」


 そんでもって私の横にはいつの間にかシエルがいる。その見た目は下着丸見えのシースルーのドスケベ服。

 クッッッソ誘惑されているねぇ。


「じゃあ私たちも子作りしちゃおっか!」

「もちろんアンも混ぜよう!」

「よっしゃ、初夜からドスケベだ~♡」


 生きていて良かった。

 獣兵計画は終わったし、ここからは異世界ドスケベスローライフの始まりだぁ!

 私たちのドスケベはこれからだ! 

 元の世界での人生は打ち切り! 完!

これで獣兵計画の本編は完結でございます

もう一つエピローグを付け加えて、この作品は完結とさせてもらいます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ