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デストラクションクインテット  作者: キタリア
青碧のおはなし
9/28

爆発は芸術 芸術はロマン?

 久しぶりに出た外は前と全く変わっていなかった。

 どこまでも続く緑の大地、無限に広がる青い空、ポツポツとたくさん建ってる様々な修行場

 何も変わらない。人が新たにこちらの世界に来た気配もない。

 青い空が見えて新鮮な空気を吸っている今は、狭い修行場にこもっていた時と比べるといくらはマシにはなったがいまだに莫大な孤独感が押し寄せる。


「よしっ!!気晴らしに一発でかいのぶっかましてみますか!」


 今までの全てのストレス発散も兼ねて本気で魔法を練り上げる。

 修行場にこもっている間にたくさん生活魔法を使ってきたので最初の頃に比べたらもう慣れたものだ。それにここは『PPW』成長速度が20倍の世界なのだ。


(どうせやるならド派手な爆発系の魔法だよな)


 爆発などはアニメなどでいくらでもみた事がある。そのため案外イメージするのは容易だった

 とりあえずそれっぽい魔法陣みたいなやつを浮き上がらせて爆発させるだけである。


「花火もいいな」


 魔法の威力はイメージの具体的さ想像力に比例する。つまり、効率よく威力を上げるためには連想ゲームをするのが一番良い

 独自の魔法の組み立て型として連想ゲームを続けていたら、花火にたどり着いた。

 爆発のイメージの中に僕の一番好きな、しだれ柳をねじ込む。


「こんなもんかな」


 大体のイメージが終わったのでここからは全身の魔力をこの一撃に込めることに集中する。


「それにしてもいちいちこうやってイメージしてから魔力込めてると時間かかるな…」


 すでにここまでくるのに三分はかかってしまっている。ここがもし戦いの場なのだとしたら命は無かったりするのだろう。

 そんなことを思っているうちに自分の魔力を一つの魔法に全て練り込む作業が終わっていた。

 狙う方角は空高く


「はああぁ!!」


 その瞬間

 世界が揺れた    立っていられないほどに

 音が消えた     その一部から空気が全て消えたように

 闇が消えた     影さえも見当たらないほどに

 空が消えた     大きすぎる爆発の炎と煙によって

 そこには

 光があった                  かろうじて目は生きていた

 熱と衝撃があった               かろうじて体は生きていた

 体に悪そうな煙の匂いがあった         かろうじて鼻は生きていた   

 爆音があった                 かろうじて耳は生きていた

 興奮で甘いと思えるほどの唾液があった     かろうじて口は生きていた


 そして


 ロマンがあった                頭の方は無事ではないらしい


「芸術は爆発なんてよくゆうもんだと思ったけど、実際見てみるとすげえなあ」


 数秒も経てば、爆発当初の騒音などは消え失せ

 空には金色のしだれ柳がキラキラと輝きながら静かに消えていく


「綺麗だなぁ」


 しばらく打ち上げ花火を見ていない事もあり、久しぶり補正がかかって通常の何倍も綺麗に思えた。

 そして脳内フォルダにこの一連の出来事を完璧に焼き付けた。


 焼き付けた途端急に目の前がぐにゃぐにゃとし出し始め、脳内と口内を「気持ち悪い」という感覚が支配した。立っているのもやっとの状態になり、身体中が熱く汗が止まらない、だんだんと頭もぼーっとしてきて考えるのも辛くなってきた。


「あ、これダメなやつだあぁ…」


 これ以上耐えても良いことはなさそうなので気持ち悪さに身を委ねて深めな眠りにつく

 横になるだけでもかなり楽になった。


楽になった瞬間身体中に力が入らなくなり、意識という意識、全て消えた。

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