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デストラクションクインテット  作者: キタリア
青碧のおはなし
8/28

初めての魔法が生活魔法って…ショボくね?

 32時間くらいは経っただろうか

 この世界に来てから時計というものは一切見ていないので正確な時間などはわからないが、今までの人生の中の経験でなんとなく時間感覚は掴んでいるため僕の記憶力ではそうそう狂うことはないと思うので多分正確だ。


「結構散らかしちゃったな。」


 周りを見渡すとそこらじゅうに、読破済みの本が積まれた塔が何十基も建っている。

 元に戻そうにも、いくら何でも量が多過ぎてやる気が出てこない


「はあ……めんどくさいなぁ」


 元はといえば自分が散らかしたものだが、やはり片付けというのはめんどくさい


「何が、やりたいことをして生きていこう!だ!!結局、生きていたらやりたくないことは付き纏ってくる、、やってらんねえよ!!」


 嘆いても仕方ないという考えに至るまで5分ほど時間がかかった。

 そして嘆いても仕方ないと思い、冷静になったら一つのワクワクする考えが浮かんできた。


「魔法でどうにかならねえかな?」


 初めての魔法が生活魔法なのはどうかと思うが、魔法初心者にはこのくらいがちょうどいいだろう。


「少し、あっちの世界の魔法について復習するか」


 あくまで、僕の本の読み方は読んでいるのではなく『記憶している』ため理解はしていない。

 理解するために一度、脳内の本棚を漁らなくてはならない。


 数分、漁った結果を簡単にまとめると


「魔力量とイメージ次第でどうとでもなる。」


 ものすごく単純明快だ。何なのだろうか、魔法の力を考えた神様的存在は細かい設定まで考えるのがめんどくさかったのだろうか?


「とりあえず、ありきたりな設定で助かった。イメージ力ってようは記憶力でしょ?もしかしたら賢者クラスも夢じゃないかも」


 問題は魔力量だ。魔力量は基本的には生きている時間と比例して増えていくらしい

 十数年程度しか生きていない僕にそこまで多くの魔力が備わっているとは思えない。


「まあ、何とかなるか」


 魔力だなんだと考えるのがめんどくさくなってきたので、ここいらで切り上げて魔法を使うのに専念しよう。


(思い浮かべるのは、人が本を本棚に戻すイメージ)「ほいっと」


 立てた人差し指を指揮棒のようにして、曲の指揮者となったつもりで振りまくる。

 すると何もない空中から不意に砂がサラサラとこぼれ落ちるようにして現れた

 その砂はみるみると一つの塊になろうと体を寄せ合っていき

 最終的には見知った人型になった。


「お父さん!?」


 その砂の塊は、お父さんそっくりだったのだ。


「そっかぁ〜僕が本を戻す人、やってほしいことをしてくれる人ってイメージしたからお父さんそっくりになっちゃったのか。」


 実際、研究者をしているお父さんが、忙しそうにしながら本を出してはしまってを繰り返していた。

 よく、どこにどの資料を置いているのか忘れたいたのでその度にどこのしまったのかを聞かれたものだ。「そんなん知らねえよ」と一蹴(いっしゅう)してしまいたかったが記憶を辿れば必ず見つかるので渋々手伝っていた。だからなのだろうか、本をしまうイメージをしたらお父さんに似たゴーレムができるのは。


「イメージ次第では本当に悪用し放題だな、、、」


 パッと思いつくだけでも4っつくらいは悪用の具体例がすぐ浮かんでくる。

 そんなことを考えている間に、父ーレム(お父さんゴーレム)はテキパキと仕事を始めていた。

 みるみると散らかっていた本が片付いていく。こうしている間にも魔力が減ってはいるらしいが、全くそんな感じはしない。

 正直、もっと派手な魔法が使いたかった。次は全魔力を使うほどの大技をぶっ放してみよう


「だとしても、今はまだ魔術に対する知識がまだまだ足りないし、もうちょい知識をつけてからだなぁ」


 今は、頼もしいお掃除ロボットもいるので今までよりもはるかにいい効率で読み進めることができるだろう。


〜2日後〜


「はぁ〜!やっぱシャバの空気はうめぇぜ!!」


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