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清らかな負の感情

嵐のようにやってきて嵐のようにさっていく。

部屋に戻ると飲みかけのお茶と、結局手のつけられなかった可哀想などら焼きがぽつりと置かれている。

時計を確認すると18時32分を指していた。

夜ご飯が出来るであろう時間にはまだちょっと早いことを確認すると、どら焼きを一つ手に取りほんの少し齧る


「神の力…生徒会長…カコか、」


今日あったことを振り返る。起こったことのおかしさに改めて困惑していると、スマホに通知が届いた


『明日またお話しさせてくださいませ。明日の11時、ここで待ってますわ』


クラスのグループから無理やり友達追加されたようだ。メッセージの続きに明日の集合場所であろう場所の地図が添付されている


『自然公園か、わかった。』


返事を送信した数秒後には可愛らしいスタンプが返ってきたことを確認してベットに横たわる。



「飯だぞ〜!」


下の階から父さんの呼ぶ声が聞こえる時計を確認すると20時を指していた。


「わかった、今行く」


相変わらず食欲は無いままで一口だけ食べて、ラップをして冷蔵庫に入れる。

無理するなよと優しく語りかけてくる父さんの優しさに甘え、自分の部屋へ戻る。


部屋の扉を開けると壁一面の青碧さんコレクションが視界に入る

入った途端に視界がぼやけ、息が荒くなる


青碧さんへの純粋な(あい)の感情が生み出す清らかな負の感情

決して可哀想な自分を憐むような気持ちの悪いものなんかでは無いと断言できる。

青碧さんの死を悲しむ涙


今になってやっと出たそれは、心の奥の本心さえも通り越した先のもっと芯の部分からとめどなく溢れ出した。


カーテンの隙間から覗く朝日に起こされる。寝起きはあまり良く無い方で、思考をするのに少しの時間を要す。


「泣き疲れて寝るなんて何年ぶりだ?」


体を起こすと掛かっていた布団が崩れ落ちる。机を見ると、一口齧られた後のあるどら焼きがおいてある。それを手に取り3口でたいらげた。


かなりぐっすり寝ていたようで、もう昼すぎを回っていた


「ん?あれ?確か11時待ち合わせ…」


スマホを見ると、


『今向かってますわ。』


『つきましたわ!』


『今どこにおりますの?』


『既読がつきませんわね…』


『おーい』


『え?』


不在着信


『なるほど、これは、、、』


『寝てますわね!!』


『起きてくださいまし!!』


『おーい』


『おーきーてー』


『くーだーさーいー』


こんな調子で通知がすごい量になっていた。マナーモードにしていたせいで通知音なんて微塵も聞こえていなかった。


『ごめん、今起きた』


『やっと起きましたの?暇すぎてオカリナ買ってピーヒョロピーヒョロ吹いてましたわ』


『カエルの歌ぐらいなら弾けるようになりましたわよ!』

PPW 19日目 【調理の修行場】にて


「とりあえず来たのは良いけどどうしたものか…」


外からの見た目は普通の家と何ら変わりはない、だが例に漏れず中に入ると料理をするためだけのような空間が広がっていた。料理番組に出てきそうなキッチンに、使い方のわからない今まで見たことのないような調理器具もある。その奥には扉があり、扉の向こうには料理で使うであろうものすごい種類の数の食材が置かれていた。


『ねぇ、ミライ〜まず何から作ればいいと思う?』


『青碧さん、直接脳内に・・・!』


『すごいでしょ、念話ってやつよ』


『本当になんでもありですね…まずは目玉焼きから作ってみたらどうでしょう』


『わかった!楽しみにしててね』


魔法で卵を出すのもいいがせっかくなら用意されたものを使いたい。倉庫を探索する。


「おぉ!でっかい卵!!」


普段スーパーなどでは見かけない大きな卵が置かれていた


『ミライ!ミライ!めっちゃおっきな卵あったよ』


『急にいなくなったと思ったら、急に来ますね。心臓に悪いです。』


『これが本当のエッグ!………これが言いたくて』


『はぁ…そんなことだろうと思いました。』

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