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(本編完結・番外編更新中)あの時、私は死にました。だからもう私のことは忘れてください。  作者: 水無月 あん
番外編

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ムルダー王太子 19

よろしくお願いします!

ぼくは、その後、部屋に閉じ込められて謹慎となった。

父上からは、今後のことを決めるため、各方面と話し合いがつくまで部屋から出るなと、厳しい伝言があった。


が、なんで、ぼくが謹慎しなければならないんだ?!


父上のように、お飾りの正妃を置き、クリスティーヌを側妃にすれば、もっと大事にできると思っただけなのに。

でも、愛するクリスティーヌが消え、ルリだけが残った。


クリスティーヌがいなければ、ルリなんて、いらない。

お飾りだけが残っても、何の意味もない!


こうなったのも、元をたどれば、ルリがこの世界にきたせいだ。

クリスティーヌはルリの代わりに、異世界へ連れ去られたんだ。


ルリへの怒りがわいてくる。


ルリをできるだけ早く異世界へ戻すしかない。

クリスティーヌのあの場面を再現するんだ。


が、そうなると、あのクリスティーヌの短剣が必要だ。


クリスティーヌの首に刺さっていた短剣。クリスティーヌが消えた後、確かに、あそこに転がっていた。

なのに、次見た時はなかった。


短剣を探さないと!


が、謹慎中の身だ。

世話をするメイドと、部屋の外で張り付いている護衛騎士以外、だれとも話せない。


仕方なく、メイドに聞いてみた。

案の定、「そのようなことは存じません」そう言って、逃げるように去っていく。


護衛騎士にも聞いてみた。が、同じく、知らなかった。

なら、「だれか、わかる者に聞いてきてくれ!」そう頼むと、聞いてきてくれた。


「アンガス公爵家のクリスティーヌ様の件は、事件として騎士団が調べています。が、短剣は回収されていないそうです。首に刺さっていた状態だったので、クリスティーヌ様とともに、消えてしまったかと思われます」


「そんなことはないっ! クリスティーヌが消えた後、確かに、短剣が床に落ちていたんだ!」


「目撃者もいないとのことです」


「いや、ぼくが見た! この目で見たんだ! …あっ、そうだ! ライアンに聞いてみてくれ! あの時、ライアンが一番近くにいたからな」


「国王陛下の護衛騎士ライアン・ロンバルディアも、短剣はなかったと証言しています」


「はあ?! それは嘘だ! あいつは、嘘をついている! …あっ、そうか! あいつが持ってるのか! クリスティーヌの短剣を! 早く、あいつを取り調べろ!」


「ライアン・ロンバルディアの聞き取りは、すでに終了しています。何も問題は、ありませんでした。そのため、これ以上、調べることはできません」


「なら、ぼくの命令だ! 王太子の命令で、ライアンの持ち物を調べろ! 絶対に、クリスティーヌの短剣を隠しているはずだ!」


すると、護衛騎士は、すっと視線を鋭くした。


「短剣の行方を王太子様が知りたがっている旨、騎士団長から国王陛下に報告済みでございます。すると、国王陛下は、謹慎中、今後一切、王太子様の要望は聞いてはならぬと命をだされました。そのため、王太子様の命を聞くことはできません。申し訳ありません。そして、緊急の場合以外は会話を控えるよう指示されましたので、そちらも、ご了承ください。では、失礼いたします」

そう言って、部屋から出て行った護衛騎士。


なんだ、それは?! 護衛騎士のくせに、王太子のぼくに、なんて態度だ!

謹慎がとけたら、あんな護衛騎士、ぼくの護衛から外してやる!


それに、ライアン! あいつもだ! 

謹慎がとけたら、クリスティーヌの短剣を盗んだ罪で、父上の護衛騎士から外してやる!


その後、護衛騎士もメイドも、ぼくが何を聞いても頭をさげるだけ。

一切しゃべらなくなった。


結局、ぼくは部屋から一歩もでられず、誰とも話ができない。


父上は、あの時、あの広間で「後で、そこの女と共に呼び出すから、連絡を待て」と言っていたけれど、いつまで待たせるんだ!

父上にも、怒りがわいてくる。


そして、一カ月がたった時、やっと、父上に呼び出された。


読んでくださった方、ありがとうございます!

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