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星屑の集積場  作者: ふぁぶろ
9/28

星屑の残像と偶像 ~最後に本音を添えて~

自分の老いを感じる瞬間が増えた。


最近のアイドルグループを見分けることが出来ない。


本当に全員同じ顔に見える日が来るなんて。

僕は相当なショックを受けた。



アイドル自体は、家族が好きということもあって、

小さい頃から男女問わずに好きだ。


観るテレビや聞く音楽もアイドル関連が多かったため、

すごく身近な存在だと感じていた。


それが、歳を重ねるごとに

知っているグループの活動が終わっていき、

気が付けば自分より年下ばかり。



ある時から同じ業界に飛び込んだことも

多少の影響はあったかもしれない。


不思議とテレビを見る機会が減ったのだ。


自分とは目指すジャンルが違ったこともあって……

という話はまた改めてするとして、


とにかく自分が知っているグループがいなくなり、

知らないグループが人気を集めている時代。


浦島太郎にでもなった気分だ。

僕はますますアイドル離れを加速させていた。


そんな時、偶然あるネットニュースを見かけた。


とあるグループの軌跡を紹介している記事で、

そのドラマ性がすごく興味深かった。


僕が諦めるきっかけの1つとしてしまった

難しい今のご時世を、なんとか乗り越えようと努力して、

まさに今夢を叶えようとしているらしい。


僕はすぐにそのグループについて調べた。

メンバーが出演している番組も積極的にチェックしていく。


元々アイドル好きの英才教育を受けていたようなものだ。

ファンになるまでそう時間はかからなかった。



だけど、今までと違う部分があった。


自分はどの部分をなぜ好きなのかについて考え始めたのである。


今まで好きだったグループは、

小さい頃から観ていて自分にとって身近な存在だったから

好きになるのはある種当たり前だった。

なんで好きなのかなど、当然ながら気にしたことがない。


それが、この歳にもなって、

なにも知識がない所からこんなにもハマるなんて。

惹きつけられる要素があるはず。



まずは先ほども挙げたグループの軌跡。


昨今の事情にみんなで立ち向かう姿。

僕は当時もがいていた自分を重ねてしまった。


こんなの応援するしかないじゃないか。



次にメンバーの持つ魅力。


やはりメンバーそれぞれが魅力的だ。

キャラクターとして際立っているのだが、

無理しているような感じはしない。

自然体だからこそ身近に感じられる。


何よりもメンバー同士の関係性が素晴らしい。

仲良さそうにしている姿というのは、

なんとも表現の出来ない魅力がある。


それぞれの意外な一面が見られたり、

すごく優しい気持ちになれたり。


こんなの癒されるに決まっているじゃないか。



そして楽曲の多様性。


同じグループ内で、様々な表現が見られる。

これはアイドルならではかもしれない。


自分好みの音楽が見つかった。

そんなの聞くに決まっているじゃないか。



最後にもう1つ。

自分でも意外だったのだが、

運営の仕方が面白いと思えた。


グループの成り立ちやコンセプト

メディアへの露出のさせ方

情報の発信のさせ方

メンバーの活かし方

ファンとつながる場所の作り方 などなど……


これは自分が同じ世界をかじったからこそ

少し深く見ることが出来るのかもしれない。


今ままではあまり考えることもなく、

ただ享受して好きだと言っていただろう。


もうあと数年早く学んでいれば、

自分の売り方も違っていたんじゃないか。


そう思えるほど勉強になった。



自分が好きと思えることを知り、

何をもって好きと思うのか。


アイドルというフィルターを通してみたとき、

やはり僕の好きを具現化したものだったのだ。


そして、僕が憧れ、

そうありたいと強く願った存在そのものだった。


このアイドルを好きでいる限り、

僕はあの日の自分を忘れることなく、

そして、肯定し続けてあげられるだろう。





……と、格好良つけて締めたいところですが、

そんな美談でもなんでもなくて、

推しがいる生活はいいものですよってことが伝えたいのです。


月日が経つのは早いし

「〇曜日は□時から☆☆を見よう」

みたいな日々のちょっとした楽しみが生まれます。


お仕事の疲れは推し事の楽しさで迎え撃つべし。


何かを好きという気持ちは

日々を楽しく生きるエネルギーになります。


今回はそんな、推し事普及のお話でした。


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