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星屑の集積場  作者: ふぁぶろ
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人混みの中で

通勤時の何よりの敵、人混み。

僕が利用している駅は朝から人であふれている。



人混みを歩く中で

僕が特に嫌だなと思ってしまうのは

伸ばしたスーツケースを引いて歩く人だ。


幅を取るし邪魔くさいと思ってしまう。


そんな人が「自分、旅になれてますから顔」をして

他の人をよけさせているのを見ると蹴り飛ばしたくなる。


スーツケースを立てて

人混みをすいすいとかわして歩く人こそ、

真の旅人であると勝手に信じている。


もちろん独断と偏見に過ぎないのだから、

実際に表に出すべきではないのだけれど。


人混みにはそれぐらい心を荒ませる何かがある。


人混みでいい気分になれる人はいるのだろうか。


毎朝のことならなおのこと。

誰が好きになれようか。少なくとも僕は嫌いだ。


嫌いなのだけれど、人混みを歩くのは得意だ。


とっておきの攻略法がある。


【前を歩いている人と歩幅を合わせること】


人混みでイライラしてしまうのは、

自分のペースが乱されることが大きな原因だと思う。


だから僕は自分のペースを放棄して、

目の前を歩く人に合わせることにした。


するとどうでしょう。


なんとも歩きやすいではないですか。


道を変えたいと思ったときは、

同じ方向に向かう人の後ろをぴったりついていく。


アメフトでいうところのリードブロッカーを見つけるのだ。

途端に自分がその人に守ってもらっている気分になる。

(わからない方は調べてみてくださいね。アメフト面白いですよ)



たくさん人がいるのだから、当然それぞれの事情がある。


会社員。学生。帰路についている人。

旅行に向かう人や、誰かと遊びに行く人。

大切な人に会いに行く人。


それぞれがそれぞれの理由で駅を利用しているのだから、

足並みがそろうはずもない。だから非常に歩きにくい。


四方八方360°を人が行きかい

急に斜めに入られて

後ろから鼻息荒く抜かされて。


みんながみんな己の道を突き進んでいる。

人混みは本性と本性のぶつかり合い。戦いだ。


もはや社会そのものと言ってもいいかもしれない。


そんな社会の縮図のような

一瞬だけの小さな世界の中、

人のペースに身をゆだねて

人が拓いた道を我が物顔で歩く僕は、

その世界の誰よりも小物だ。


だけど、自分を知る人が一人もいない中で、

自分と同じ歩幅で同じ場所に向かう人がいる安心感たるや。


社会は自分に無関心だから、自分が関心を持ってみる。


たとえ一方通行の仲間意識でも、

自分の道に同士がいると理解ったその時、

世界は想像以上に歩きやすい。


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