◇結
誰にも大切にされていない。
転生しても、自分はシャナに爪弾きにされている。
誰も大切にしてくれない。
今も、これからも、きっと、ずっと──。
「あんたなんか不釣り合いなのよ」
シャナの冷たい一言がトドメのように、私の瞳からジワ〜っと涙が落ちた。
泣いてる……ああ、こんな人に泣き顔を見られるなんて。
恥ずかしい上この上ない。
それ以前に、悲しい。
私の価値を認めてくれる人はいないんだって。
どの世界にいっても、いないのか──。
この世界中、探し巡り歩いても、私を認めてくれる人はいないだろう。
私は価値がないから、
価値がないから──!
「やっと、自分の価値が分かったの?」
シャナが嫌らしく笑った。
ユキ……あの子の重なって見える。
あのときも、そうだった……。
「なら、すぐここから出ていってね♪あんたなんか邪魔だから」
シャナは安心した悪魔のような笑みを浮かべた。
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「魔王様」
次の日、魔王と私と王子とシャナと、4人集まった。
「今回、あたしから話したいことがあります」
口の端をニヤリと持ち上げる。
シャナは、近くにいた王子と手を握った。
「あたし、王子様と結婚します」
「……何?」
さすがの魔王も目をむいた。
「結婚します。来週結婚式を挙げますので、よろしくおねがいします」
「……俺の息子をお前なんかに渡さない」
魔王はシャナを睨んだ。
「じゃあ、誰にするのです!?」
「…ラムカ」
「何!?」
はい?私の名前がなぜそこに出る‼
なぜだよ‼
「ラムカの筋だったらいいが、お前なんかがマーンドと結婚するな!」
「……嫌♡」
シャナがより、王子の手を強く握る。
「いいよね?」
「ああ。結婚してもいい」
「なっ!マームス……お前」
王子の目が紫色に変わっていく。
「強制にでも、結婚します」
急すぎる。
なんで、いきなり結婚宣言をするんだか。
よりによって、私が来た最近に。
「……駄目だ」
「なら、戦闘しますか?」
王子の殺気から闇が滲み始めた。
親に対してでも、容赦ないようだ。
「……──」
魔王は黙っている。
何と返事をするのか?
みんなが見つめている中──。
「許可しよう」
魔王はやっとその言葉を口にした。
シャナは計画通りと口を歪める。
「ありがとうございます」
──完全に私は爪弾きだ。
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つまらないよ、こんなところにいたって。
シャナと王子が結婚。
私の居場所はどこにある?
転生者の私の……。
ここがダメなら、世界に出てみよう。
確か、近くに町があったような…。
「出発しよう」
そこに行って、新たに生活をはじめるしかない。
私は剣と刀を持ち、みんなにバレないように、城から出ていった。