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6/7

◇結

 誰にも大切にされていない。


 転生しても、自分はシャナに爪弾きにされている。


 誰も大切にしてくれない。


 今も、これからも、きっと、ずっと──。


「あんたなんか不釣り合いなのよ」


 シャナの冷たい一言がトドメのように、私の瞳からジワ〜っと涙が落ちた。

 泣いてる……ああ、こんな人に泣き顔を見られるなんて。


 恥ずかしい上この上ない。


 それ以前に、悲しい。


 私の価値を認めてくれる人はいないんだって。

 どの世界にいっても、いないのか──。


 この世界中、探し巡り歩いても、私を認めてくれる人はいないだろう。


 私は価値がないから、


 価値がないから──!


「やっと、自分の価値が分かったの?」


 シャナが嫌らしく笑った。

 ユキ……あの子の重なって見える。


 あのときも、そうだった……。


「なら、すぐここから出ていってね♪あんたなんか邪魔だから」


 シャナは安心した悪魔のような笑みを浮かべた。


ଘ♡ଓ*:゜+。.໒꒱°*。⋈。♡:* +。ః◌꙳✧ంః◌꙳✧ంః◌꙳✧ంః◌꙳✧ంః◌꙳✧


「魔王様」


 次の日、魔王と私と王子とシャナと、4人集まった。


「今回、あたしから話したいことがあります」


 口の端をニヤリと持ち上げる。


 シャナは、近くにいた王子と手を握った。


「あたし、王子様と結婚します」

「……何?」


 さすがの魔王も目をむいた。


「結婚します。来週結婚式を挙げますので、よろしくおねがいします」


「……俺の息子をお前なんかに渡さない」


 魔王はシャナを睨んだ。


「じゃあ、誰にするのです!?」

「…ラムカ」

「何!?」


 はい?私の名前がなぜそこに出る‼

 なぜだよ‼


「ラムカの筋だったらいいが、お前なんかがマーンドと結婚するな!」

「……嫌♡」


 シャナがより、王子の手を強く握る。


「いいよね?」

「ああ。結婚してもいい」

「なっ!マームス……お前」


 王子の目が紫色に変わっていく。


「強制にでも、結婚します」


 急すぎる。

 なんで、いきなり結婚宣言をするんだか。

 よりによって、私が来た最近に。


「……駄目だ」

「なら、戦闘しますか?」


 王子の殺気から闇が滲み始めた。

 親に対してでも、容赦ないようだ。


「……──」


 魔王は黙っている。


 何と返事をするのか?

 みんなが見つめている中──。


「許可しよう」


 魔王はやっとその言葉を口にした。

 シャナは計画通りと口を歪める。


「ありがとうございます」


 ──完全に私は爪弾きだ。


ଘ♡ଓ*:゜+。.໒꒱°*。⋈。♡:* +。ః◌꙳✧ంః◌꙳✧ంః◌꙳✧ంః◌꙳✧ంః◌꙳✧


 つまらないよ、こんなところにいたって。


 シャナと王子が結婚。


 私の居場所はどこにある?


 転生者の私の……。


 ここがダメなら、世界に出てみよう。


 確か、近くに町があったような…。


「出発しよう」


 そこに行って、新たに生活をはじめるしかない。


 私は剣と刀を持ち、みんなにバレないように、城から出ていった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 日本刀、私も好きですよ~。 日本刀と西洋刀を両手で持って戦う女の子とか、すごいカッコいいじゃないですか! これからラムカがどうなるか気になりますね♪
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