なろう痩せってあるよね
【最強の魔法使いだけど惚れた女のためにしか魔法が使えない!?】
「おまえさんの力は強よすぎる。だからわしはおまえさんの力に制限をかけた。おまえさんはこれより先、惚れた女のためにしか力を振るうことができない」
師匠の最後の呪いは俺に向けてかけられた。
本当に、最悪の呪いだ。
そうだ、この国の王女に惚れよう。そうすりゃ王女のために力を使い放題だ!
しかし俺は、うっかり王女付きの侍女の方に惚れてしまった。
彼女が他人の失敗をかぶって田舎に帰ってしまった時に、あきらめきれずに俺は彼女について行った。彼女の役に立ちたい一心で。
彼女は働き者で、欲のない女だった。
だが俺は諦めない。今彼女がしているのは洗濯ものを干すこと。しからば必要になるのは洗濯ばさみ! しゃらららーん。
「まあありがとう! よく分かったわね」
一瞬喜ぶけど、誰でも分かる。誰でも分かる!
頼まれる魔法はしょぼいものばかり!
というかそもそも頼まれない。
だが俺は魔法が使いたいんだっ!
才能の無駄遣い、ほのぼの日常ファンタジー。
前回の引き。
いや、書いた私も忘れてましたが、ヒロインがめちゃめちゃ守られる話が読みたいとか言ってたんですね。で、自分なりに考えたらこうなりました。
……これじゃない感。
タイあら判定はSランク出ちゃったけれども!
はい。エッセイに戻りますね。そもそもこれがエッセイか問題については脇に置くとして。
【ホラー間に合いませんでした】
暑いと脳みそとけますよね。
そんなわけで、『駅』がテーマのホラーに間に合いませんでした。
本当はね、バイオの力で骨まで分解する葬送の話を書こうと思っていたんです。庭にまけるくらい土に還るっていう、でもなんかもうそういう技術実在するっていうんで。
……なんだ。あるんだ……。倫理が絡むから、後ろ暗いホラーになるかと思ったのに。あるんだ……。
まあそれなら、ぜひ死ぬまでに、日本の法律でも許されて、そして料金もお手頃になるといいですね。
骨が残ると、揉めますからね!
上記の文章を書いてからはや三ヶ月。もうそろそろ雪が降るかなというところです。
私は今――月にいます。
いや、ポエムじゃなくて。
なろうの裏側の方ですね。あちらです。
実のところ、コロナ太りとは無縁で「なろう痩せ」をしていたんです。
好きな小説を好きなように描いているはずなのに、なーんか閉塞感のようなものを脳が認識してしまいまして。
月に行って改めて実感したんですが、私が書きたいものって、結局のところ登場人物の心情や表情や仕草だったんですね。
望遠じゃなくて接写で撮りたいタイプみたいな。
紙ぺらじゃなくて厚みのあるもの、温度のあるもの書きたいの!
で、なろうではそれが求められていない。という雰囲気を勝手に感じ取って、息苦しさを感じたと。
もちろんそういうのが読みたいって人はいると思うんです。作品だってあります! こんだけユーザーがいるんだから。
分かっていても、言い聞かせても痩せちゃったんだもの。
そんなわけで私、なろうを脱出して月でのびのび書いています。
年齢制限ないって、……楽!
とはいえ、なろうで連載してみた経験があってこそとも思うので、またひょっこり書きたいとは思います! 使い分けもまた好きに書くコツかなーと。
この連載は今日で最終回としますね。もうそろそろ、三か月放置してますよって出ちゃうから。
それでは、お付き合いくださりありがとうございましたー!