第8話 煮え切らない出会いの話
予定どおり夕食はメノイティオス親子と摂った。
夕食メニューはケフテデスとサラダだ。
ケフテデスはスパイスとハーブが良く効いたミートボール。
今日はワイルドボアと呼ばれるおおきな猪の魔物の肉のケフテデス。
ワイルドボア肉はそこそこの高級品で、今回はメノイティオスさんがお土産に持ってきたものを使ったようだ。感覚的には豚100%のハンバーグに近い味がする。
サラダはトマト、きゅうり、玉ねぎ、オリーブにハーブをかけたものにチーズを混ぜたもの。
混ぜるチーズはフェタというこの辺りの代表的な山羊のチーズだ。
フェタは、白く四角い豆腐のような見た目で少し塩気がある。
良く食卓に出てくるが全く飽きない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
食事もほとんど終わりの頃には、父さんもメノイティオスさんもかなり酔っていて饒舌になっていた。俺はせっかくなので二人にいろいろなことを聞こうとした。
「父さんはメノイティオスさんとどこで知り合ったの?」
「そうだなあれは俺が15の時だったか、当時Cランクの冒険者だった俺は早くBランク、そしてAランクに上がりたくてな、自分の受けれるクエストの中で一番難しいのばかり選んで受けていたんだ。クエストってのは冒険者ギルドっていう冒険者に仕事を斡旋したりしてくれる組合が出してる仕事のことなんだが、Cランクの冒険者ならBランクのクエストまで受けれるんだ。
ある時いつものようにBランクのクエストを見ていた時に少し変わったのを見つけてな。
普通のクエストなら一人でできるものから1パーティ、つまり四、五人のチームで受けるものが多い。同時に数パーティが同じクエストを受けることもあるけど、多くても十人かそこらだ。
それがな、その時俺が見つけたクエストは五十人で受けるものだった。
その時他にめぼしいクエストがなかったのもあるが、俺は好奇心からそのクエストを受けることにしたんだ。」
「そこでメノイティオスさんと出会ったの?」
「そうだ。乗った船の席が隣だったんだ。その時はなんてことない話をしただけだったんだが、その後のクエストの間、何度もすぐそばで戦うことがあったり、野営の見張りの時間が同じだったりしていつのまにか仲良くなっていたんだ。」
「そうなんだ。それはどんなクエストだったの?」
「ある島にドラゴンが守っている金羊毛っていうお宝があって、イアーソンとかいうやつがそれをとりにいくのの手伝いをするだけだ。」
いつもならなにかと自慢をする父さんが妙にあっさりとした説明しかしなかったので何か嫌なことでもあったのだろうと思い、これ以上は聞かずに寝ることを告げて自分の部屋に戻った。
ギルドとかクエストとかのことを2歳の息子に説明しながら、もとい読者の方々に説明しながら、会話文中に入れ込むのは難しいですね。もう少しスマートにかけるようになりたいです。