(編集中)
朝ごはんうまい!
早朝は酒場に人の姿はほとんどなく、夜みたいな騒がしさは全くなかった。私達は、同じテーブルで食べる。メニューはシンプルにパンと牛乳、それとクエストで納品した後、余ったキュービックマッシュを使ったキノコシチュー。ほんとはお肉がよかったけど、朝から食べたらお腹に悪いもんね。
「ん…おいしい!ごしゅじんさま、これ、おいしい!」
パシリがノイくんに向かってそう言う。ノイくんは笑顔で「そうですね♪」と返す。
それから、あ、と思い出した様にノイくんがパシリに問いかける。
「そう言えば、…パシリは何故あんな森に居たんです?」
なんかパシリって言うのに抵抗があるみたい。何でだろ?
「ん、んぉひゅひんふぁあ、ほ…ふぇんふぇぇ」
「あぁ、飲み込んでからでいいですよ」
「んごっくん」
それからパシリは話始める。
「ごしゅじんさま、の、めえれえ…なの」
「ボクのですか…?」
ノイくんは首をかしげる。
「いや、おそらくパシリを捨てた、元ご主人様だろう」
思ったんだけど、イグって物知りよね。それに闘争種を倒してたらしいし、何物なのかしら。ま、いっか。
「ごしゅじんさま…いのししさん、いつつ、かってた。でも、にげちゃって、わたし…さがせ、いわれた」
…ん?
「みつからなくて…ごしゅじんさま、わたし、いらない…いった。そのまま…ずっと、もりで、まってた」
「ふむふむ、そして熊に襲われてたところを私達に助けられたと。ん?アノン、どうしたのー?」
ユゥイが私に聞いてくる。気づいてないのかな…。
「え、いや、猪を5匹飼ってたって…それってこの前…」
「「「あ」」」
みんな声を揃えて固まる。なぜそうなるか。それは、私達が初めてしたクエストの中にはこんなものがあったからだ。
《猪型闘争種5匹の駆除》
猪型闘争種5匹の駆除。
私がやっちゃったんですけど!?
って、それ一ヶ月くらい前の話だから…つまり…
「パシリって、一ヶ月はあの森にいたんじゃない?」
「…?そうだよ?」
「ごめんねぇぇ!私のせぇでぇぇぇぇ!!!」
それから朝ごはんを…食べ終え…私達は…外…へ…。
「気にしないでくださいアノン。アノンはただクエストをこなしただけですよ」
「うん、ありがと」
ノイくんに励ましてもらえた。それだけで大分元気が出てきた。
「それに比べてボクは…」
「何か言った?」
「い、いえ何でも」
あはは、とノイくん。うまく聞き取れなかった。だけど追究はしないでおく。
「これからどうする?」
唐突なユゥイの発言。でも確かに近頃はお金もあるしクエストも緊急みたいなものもないので何も予定はない。
「自由行動でいいんじゃない?」
「そうですね」
「さんせー」
「わたし、ごしゅじんさま、いっしょ!」
「わかった」
ということで自由行動になった。これはノイくんを誘うチャンス!
「ねぇねぇ、ノイ、あっちに武具屋があったんだけどさ、欲しいのがあるの。ちょーだい?」