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Enjoy the world!(旧)  作者: まこ?
12/13

Point of view!

私はアノン。


突然だけど、実はみんなに黙っていることが2つあるの。


まず一つ目は、私が森魔種(エルフ)だということ。まぁ、正確にはハーフエルフなんだけどね。だから耳は長くないけど、魔力は結構高いの。なんで黙ってるかというと、ハーフエルフという種族はあまり好かれていないから。嫌われちゃったら困るからね。特にノイくんには。そしてそれは二つ目に繋がる。その二つ目は…。


私、ノイくんが好きなの!


最初助けてもらったとき、すごくかっこよかった。服を着てたらもっとよかったけどね。それからノイくんが女の子じゃないって聞いて、あのときは嬉しかったなー。それからそれから、いっしょにおふろまで入ってー、ついつい「私ってどんな風に見えるの?」なんて聞いちゃって、「可愛らしくて、素敵」だって。もう顔が真っ赤っか。あとあと、私が頑張って魔法で闘争種を倒したら、ノイくんに「流石ですね」って言ってもらったりして、ほんと…ってあ、喋りすぎたわね、ごめんなさい。


私達は、デッド三頭討伐をクリアして、レノ王国に戻っている。そして、新しい仲間がふえたの。

名前はパシリ。ノイくんがつけたのよ?いい名前よね。ユゥイがパシリを宿屋のベッドに下ろす。


「すぅ、すぅ」


パシリは既に寝ていた。よっぽど疲れていたのね。


「はー、疲れたー。私達も寝よー」

「そうですね。ではまた明日」

「あぁ。じゃあな」

「はーい。おやすみなさい」


私達は部屋を二つ借りていて、ノイくんとイグは向こうの部屋だ。あーあ、私がノイくんと同じ部屋がよかったなー。


「すぅ…ん…」


パシリが起きたようだ。


「ん…ご…しゅじん…さまぁ…?」


部屋に戻ろうとするノイくんを見てそんなことを言う。


「え、ぼ、ボクですか?」

「お前が名前をつけたからな」

「は、はあ」


うーん、ノイくんなんか名前を気に入ってないみたい。いいと思うんだけどなー。


「わたし、ごしゅじんさま、いっしょ…いい…」

「え、でもボクあっちの部屋で…」

「別に私はいいよー?イグが一人で寝ればいいだけだし」

「おいユゥイ、ひどくねぇか?」

「私もそれでいいと思うわ」


ということで、ノイくんはこっちで寝ることに。やった♪


「じゃあ、今度こそおやすみなさい」


そして私とノイくんは右側、ユゥイとパシリは左側で就寝する。私、ノイくんと一緒に寝てる…そう思うだけですごく嬉しい。


なかなか眠れない。うー、もう夜中のいつだろう。と、隣を見る。ノイくんの寝顔可愛いなー。

隣にノイくんがいる。その上にパシリが乗って…って、え?


「ん、すぅ…」


ノイくんはぐっすり寝ている。え、これ…ちょ。


「パシリ、何やってるの?」


と、私が問ってみると。


「わたし、ごしゅじんさま…いっしょ、いい」


とか言って服を脱ぎ始めた。一緒ってそう言うこと!?


「ちょっ、ダメだよそんなこと」


と私が言うと。


「うぅん、わたし、ごしゅじんさま、いっしょ…なるの」


とパシリはノイくんのも脱がそうとする。


「ちょっと、パシリ…ノイくん、えぇ!?」

「んぁ…ん?」


あ、ノイくん起きた。人服を上半身まで脱がした裸のパシリと、服を脱がされた張本人の目が合う。そのまま二人ともしばらく固まったあと、先に口を開いたのはパシリだった。


「わたし…ごしゅじんさま、いっしょ、なる…」


一方のノイくんは驚きもせず、顔を赤くもせず、無表情だ。


「はあ。それで…今、何してるんです?」

「ごしゅじんさまと、いっしょ…なるの」


だがやはりノイくんは動じることなく冷静に。


「それは無理かと」


と一言。そしてパシリは気づく。


「あれ…?ごしゅじんさま、なにもない…?」

「そうですね。中性ですから」

「わかった、じゃあ、いっしょにねるだけ…いい?」

「…まぁ、はい」


よかった…最悪の事態は避けられた。その安堵からか、どっと睡魔が襲ってきて、そのまま寝てしまう。


「ふぁぁ…」


目を覚ます。ベッドに横たわったまま窓を見る。薄明かりが差していてそれですら少し眩しい。横を見ると、二人が昨日の体勢のまま寝ていた。


「んにゃ…おはよー」


続いてユゥイも目を覚ました。まだ眠気が残っているのか、半目になっている。そして二人の方を見て。


「…?わわっ、どうしたの!?」


一気に覚醒する。


「こうなっているだけで、何もしてませんよ」

「…あ、ごしゅじんさま、おはよ」


いつの間にかノイくんとパシリも目を覚ましている。

ガチャリ。ドアが開く。


「入るぞ。おい、そろそろ朝食…」


ギィ、パタン。ドアが閉まる。


「?」


パシリが不思議そうにぽかんとしている。自分の姿を見ればわかるだろうに。


「…さ、朝ごはん食べに行こっか!」


仕度を済ませた後、私のお母さんの酒場へ向かった。

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