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入学試験④

今回は入学試験最後です!果たして入学出来るのでしょうか?!

あれから僕は何もしなかった。あと制限時間は1時間も無い。

他の人はもう諦めている人もいればまだ頑張って出口を出ようとしている人もいる。


「あなたは一体何を考えてるの?」


話しかけてきたのは僕の正体を知っている女子生徒だ。


「何って?」


「どうして何もしないの? あなたなら出る方法ぐらい分かっているのでしょ。なのになぜこんなギリギリまでいるのよ」


「──確かに僕はクリア方法は分かったよ。けど、残念ながら出る方法は分からないよ」


「……はい? クリア方法が分かったのに出る方法が分からない? 一体何を言っているの」


「今は質問に答えてる暇はあまり無いんだ。君にも手伝って貰いたいことがあるんだ。手伝って貰えるかな?」


要件を彼女に伝えた。


「──分かったわ。今はあなたのことを信じるわ」


「──ありがとう、なら任せたよ。僕もやる事があるから。また後でね」


──さてと、僕も最後の仕上げをしようか。




僕はやる事をやってある場所に来た。残り時間は3、2、1、0

その瞬間生徒会が入ってきて一言。


「時間切れになりました。あなた達今ここにいる271名はゲームオーバーです」


時間切れになった瞬間生徒会長の声が聞こえた。

そこで、言われた言葉は予想通りの言葉だった。


「どういうことだよ」「ここに来いって言われたから来たのに」「誰よ、こんな場所に呼んだの」「私達入学できないの? ……そ、そんな」


他の人達の反応も予想通りだ。

それもそのはずだ。今僕達がいる場所は屋上だ。この学校の、屋上は広いから200~300人程度は余裕で入る。

どうして、最後にここを選んだか、それは僕の考えが正しければここでクリア出来るからだ。

だから、ここからが僕のゲームだ!


「──生徒会長!」


他の生徒や生徒会長が一斉に視線を僕に向けた。


「何でしょうか。文句やそう言ったたぐいは受け付けませんよ」


緊張が走る。会長の目は完全に敗者を見下す目をしている。


「文句ではありませんが、少し言いたいことがあります。よろしいでしょうか?」


「……いいでしょう。でも、その前にあなたの名前を名乗ってからです」


そう言えば名乗ってなかった。あまり大勢の前で名前は出したくないけど、この際仕方がない。


「……佐藤優樹です」


「佐藤優樹君ですね、それで言いたいこととはなんでしょうか?」


ここから、失敗は許されない。一言一句間違えたらいけない。


「このゲーム僕達はゲームオーバーしてないははずです」


「……それはどういう事でしょうか?」


「会長はあの壇上で言ったのは『校舎の外に出ていてください』でしたよね。それはつまり屋上も校舎の外に入るのではないでしょうか? 」


これが、僕の考えた答えだ。多分出る方法はあるのだろう。

しかし、今の僕ではこの答えしか出せないのだ。

生徒会長は少し考えた素振りをしてから言った。


「………………分かりました。確かに私は脱出ゲームとは一言も言ってません。佐藤優樹君及び今この場にいる270名の生徒全員合格です」


──とりあえずは、これでゲームクリアかな。


「えっもしかして俺たち合格したのか?」

「私達入学できるんだよね?」

「イェーイ!」


ここにいる誰もが喜びに満ちている。僕も内心相当嬉しいよ。

今回の方法賭け要素もあったからね。

僕がホッとしている時、会長が僕の横を通った。その時、会長が呟いた言葉を僕は聞き逃さなかった。


「今回は一杯食わされました。入学したら私ともゲームしてくださいね。佐藤優樹君」


この時、僕は一番危ない人に目を付けられてしまったとすぐに悟った。




入学試験が終わって2日が経った。入学試験が終わった後、僕達は寮に案内された。3日間は学校は休みらしい。この学校の詳しい話は学校が始まってからと言われた。

特にやることもない僕は手持ち無沙汰なので部屋の中をダラダラしていた。

そんな時、ドアの方からノックの音がした。

──誰だろうか? そう思いながら扉を開けた先には意外な人がいた。

僕のことを知っている女の子だ。


「どうしたの? ここは男子寮で女子の寮は少し離れたところにあったはずだけど」


しかし、彼女は僕の言ったことを無視して部屋に入ってきた。


「あなたに幾つか聞きたいことがあるのだけどいいかしら」


いきなり部屋に入ってきて最初に言うことがそれですか。


「……いいけど、その前に僕も一つ聞いていいかな?」


あの時約束したこと、それが今わかる。


「いいわ。それで何かしら」


──君の名、これ以上言ったら何言われるか分かったもんじゃない。


「入学試験に合格したんだ君の名前を聞いてもいいかな?」


「そんなこと、私は高瀬香織よ。なら次はこっちの質問よ。あなたどうして試験の時あんな意味のわからない答えを出したの、あなたなら脱出ぐらい出来たでしょ。それにあの場にいたのは271名って他の人はどこにいたのかわかる?」


すごい質問してくるな。名乗り方雑だし、そんなテキトーでよかったの? 僕結構気になっていたのに、でも、高瀬ってどこかで聞いたことあるような。

──気のせいかな?


「最初の質問の答えは時間がなかったからだよ。僕寝てたからほとんど何もしてなかったんだ。だから、制限時間ギリギリまで脱出方法は探してたんだよ。……見つからなかったけど。それよりも高瀬さん? 僕に聞くばっかりで自分で考えないのはダメだよ最後の質問は少し考えれば分かることだよ。人任せだと入学した時大変だよ」


「……まるで私が自分では何も考えてないって言い方ね。──いいわ。ならどうしてあの場に29名がいなかったか当ててあげるわ」


──もしかして負けず嫌い? あと顔が怖いです。睨まないでください。別に喧嘩売ってるわけじゃないですからね?


「簡単な話ね。あの場にいなかったのは単に諦めていたんでしょう。だから、あの場にいなかった人は入学できてないって事ね。正解でしょ?」


……どうしようか、こんな自信満々に言ってるけど、違うんだよな。高瀬さん見た目や喋り方がクールそうだから頭が切れるタイプだと思ってたけど、……違うんだね。

── 人は見かけで判断したらダメだね!

この日彼女の意外な一面を知ることができたと思いました。


入学試験シリーズはいかかでしたでしょうか?これからは学園シリーズになりますよ!

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