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やっぱり化け物はおかしい

急な襲撃にも関わらずに、血も一滴もこぼさずに迅速に襲撃者が出て来れない場所、深夜でも車の往来が絶えない道路まで逃げ果せた四人。

ここまでくれば襲撃してはこないはずだ。


追っ手が来ないのを確認してから、道路の脇で彼らは急いで服を着替える。

持っていたバッグから普段着を取り出すと、血で濡れた勝負服と覆面を脱いでそれらをバックに詰め普段着に着替える。


「ったくなんだってんだよ…おーいてて」


葛原(くずはら)は撃たれた所から血が流れているのでその止血のために包帯などで止める。

葉隠も黒田も同じように足や腕を撃たれており血を流しているので、タオルや布を傷のところに当てる。


本来なら病院で治さなければいけない深手なのだが、彼らはただ包帯を回して血を止めようとしていた。


「まったく、ここが日本なのか疑ってしまうな」


「な、何なのあいつら? 僕らのこと普通は撃つ?」


「連続誘拐殺人犯なら銃を持っていたら誰でも撃つと思うが…銃を撃ってくると言うのも現実離れすぎるな」


「それよりこのガキどうしよ」


包帯を回しながら葛原が指差す。

荷物を枕にスヤスヤと寝ている少女。

やせ細っており、その様子も危険な状態だった。


「…何なんだろうなこのお嬢ちゃんは、見た所普通に思えるんだが」


「でもさ、あの武装した変な連中がこれを狙ってたとしたら、僕らの身が危険に晒されちゃうよ!」


「それはそうだが、この場で殺すのも置き去りにするのもな…」


「でも、そうしないと僕らのことバレちゃうし…」


「だな、やっぱり場所を人気の無いところにして、そこでこのお嬢ちゃんを殺処分しちまおう」


黒田と葉隠が困った顔で相談し合う。

彼らはさっき女子高生を2人殺害した殺人鬼だ。

その犯人が、こんな訳のわからない事に巻き込まれてしまっては、自分たちの正体が世間に露見してしまう。


仮にバレなくとも、厄介ごとになるのは間違いない。

そう思っていた2人だったが、何を思ったのか葛原が彼らにこう言った。

公然と、単純に。


「……このガキ、俺が育てて良いか?」


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