そして怪人は去りぬ
改めて全話読み直したら誤字っててやばいと感じましたね。
過去の私、どれだけ疲れていたんでしょうか
『……それで、残ったのは俺とお前だけか』
アウトマンはそう言って残されたメンバー、ペインエラーと向き合う。
彼らは残留班、家電量販店の出入り口に待機していた隊員だった。
彼らはついさっき、討伐に行ったメンバーが帰ってきたのを見た。
あれだけ復讐に燃えていた戦闘面で活躍するチャーシューが重傷を負い、それを抱えてフルとレッドが戻ってきた。彼らは急いで本隊にチャーシューを運んで行った。
もう一人いたチャージは覆面の男の足止めの為に現地にとどまっているらしいが……。
『銃声も止んだ、あれから通信もないところを見るとやられたようだ』
少しばかり煙が散った暗がりの店内を見まわし、アウトマンは分かっていた結末を敢えて口に出して確認した。
隣ではペインエラーが不安そうにアウトマンを見ていた。
『も、もう退こう、どうせ死体とかは向こうのほうで何とかしてくれるんだしさ。お俺もうこんな痛み食らいたくねぇよ...』
相手の痛みを感じる事ができる異常脳力者であるペインエラーは青ざめた顔でどもりながらアウトマンに進言する。
アウトマンも同じ気持ちだった。
相手が気味の悪い化け物だと再認識し、アウトマンは本隊に戻って行った連中を追うようにその場から背を向けた。
『分かってる、任務は終了してる。俺とお前もここから離脱して本隊に戻り『スペースレンジャー』の指示を仰ごう。副隊長達や他のメンバーもそれぞれ関係者の始末に向かっているはずだからな』
そう言ってアウトマンは家電量販店を出てモールの廊下に出る。
遅れてペインエラーも着いていく。
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その光景を、音で聞いていた人物がいた。
彼女は恐る恐るといった仕草で横にいた大男に片言交じりの不慣れな日本語で言った。
「あノ…みんなモドッタ...りましタ」
「オウ分かった」
ヘッドフォン、第一支援隊の隊員でついさっきの騒動の際に攫われた女性。
そしてもう一人は、たった一人で戦闘の経験のある連中を翻弄した生首大好きの殺人者、葉隠。
そしてその左隣にクォーツが気を失ったチャージと傷だらけのモールスを介抱していた。
彼女たちは現状で動ける隊員であり、反撃ならいつでもできる可能性のある異常脳力を持っていたが、人質を取られているために下手に反抗できないでいた。
まだ未知数の怪人。
銃でも倒れない相手に、果たして反抗してもいいものだろうか。
その判断で躊躇ってしまったために彼女たちは下手に動けない。
それもそのはず、すべてはこの葉隠の作戦なのだから。
(仲間思いの奴らばっかで助かったというべきなのかもな、わざわざ助けに来るのも運だったしな)
葉隠は胸中でそう呟きながら、ヘッドフォンのほうを向く。
彼女はビクッと驚きながらも、言っておくべきことを言っておく。
「あの…もうワタシタチを解放シてもいいのでは...?」
それを聞いて「あぁ」と呟き、間髪入れずに彼女の顔面に拳を打ち込む。
ヘッドフォンはそれを受け、鼻血を出しながら仰向けに倒れる。
それを見て小さく悲鳴を上げそうになったクォーツも、すぐぬ方向を変えてその顔面に彼の拳を打ち込む。
ヘッドフォン同様に地面に倒れ、口や鼻から血を出して気を失う彼女たちを置いて彼は急いで走り出す。
「本当はこいつらの生首ほしかったが、そんな時間もないしな...」
去り際に言ったその言葉。
それを最後まで聞いていたのは、たった一人だけだった。




