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決裂

チャーシューが言った通り『ヘッドフォン』が居ない。

彼女は『周囲の生物が耳にする音の調節が出来る』異常脳力者で、いつも耳にコードネーム通りのヘッドフォンをしている。

そんな特徴がある彼女が、忽然と姿を消した。


彼らはすぐに周囲を見るが、それでもヘッドフォンの姿は見つからない。


『まさかやられたのか!?』


『いや、あいつの能力なら音を消して姿を消すのも容易いだろ。なんにせよ戦力が1人減ったのは痛いな』


焦る周囲、一周して冷静になるアウトマン。

そんなアウトマンの言い方に少し不満げな態度を見せ始めるメンバー達。

そしてーー


『悪いけど、私あいつ殺してくる』


チャージが急にそう切って言いだした。

アウトマンはすぐさま彼女を止めようとするが、彼女は銃を向けて威嚇する。


『やめろ、単独行動は余計リスクが高いんだぞ」


『だったら班でも分けましょうよ、私と一緒にあの化け物を殺す班とここで怯えながら待つ班。そうすれば良いでしょアウトマン』


『そういう事ではない、今の現状動いたら相手の思うツボだぞ』


『だったら狩られるのを待ってろっての!?冗談じゃない 、狩るのは能力持った私たちのはずでしょう?それがなんだってただの日本人1人に怯えないといけないのよ!!』



絶叫に近い叫びで彼女はアウトマンに反論する。

その顔には彼女の焦りが表れており、アウトマンは言葉を選んで宥めようとする。

だが、そこでチャーシューが間に入る。



『確かに、ここまで舐められちゃ動かねーとこっちがやられるだけだ。幸いにも奥の家電コーナーにチャージを連れていけば部隊唯一の火力を最大限に引き出せるはずだ』


『仮にそうだとしても倒せなかったらどうする気だ』


『全員でかかれば十分だろ、俺の能力であいつは飛んだんだから2度目も効くはずだ。そこを全員で縛れば良い』


『だったらここで待つのも策だろ』


『あのよぉアウトマン…仲間をここまで殺されている現状でただ縛って殺すのは割に合わねーだろ?』


『だからこそもう少し…!』


ガチャリ。

言いかけたアウトマンは目の前で拳銃を向けるチャーシューが理解できなかった。

チャーシューは拳銃をアウトマンに向けて脅迫まがいに言いつける。


『あんまりうるさく言うんじゃねーぞ?こっちは頭にきてんだ、冷静でいられねぇんだよ…』


チャーシューのどす黒い声に何も言えなくなったアウトマンは、ただ後ずさって黙るしかなかった。

そして班が分けられる。


討伐に向かう班員。


【チャージ、チャーシュー、フル、レッド】


残留班。


【アウトマン、ペインエラー】


アウトマンとペインエラーは颯爽と電気店の奥に行く彼らをただ見送ることしか出来なかった。


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